最終話 終わりの終わり 始まりの始まり
機械の文明が終わりを告げた。
真っ暗な闇を町を燃やす紅蓮の炎が照らす。
星は涙を流すように流れていく。
燃え盛る町、逃げ惑う人々。
地上にも空にも変質した化物が溢れている。
その中心に立つ白髪赤眼の男。
手には二本の禍々しい剣を持つ。
その姿はまさに魔王。
魔物の王、文明の破壊者。
男の前に女が現れる。白の騎士風の服を着ている。
細剣を構え言う。
「どうして! どうしてこんなことをしたの!!」
「これが俺のやるべきことだからだ」
「人間を滅ぼす事がやるべきことなの!!」
「そうだ」
女は細剣を構える。
「だったら!! 私はあなたを殺さなくちゃいけない。これが私のやることなの」
互いに退けない。これが誰かの作為で動いているとしても。もう、誰も止めることは出来ない。
男と女は同時に互いに動いた。
ザシュッ!!
貫いたのは女の細剣。
「やっぱり速いな……アリア」
「カイト……」
「ごめんな……つらい役目を……任せて」
「ううん、私こそ……ごめん」
「いいんだ、アリア……愛してる」
「うん、私も愛してる」
雨が降った。
愛する者たちの別れを悲しむように。
魔王は倒され人間は滅びは回避された。
しかし、人間が築き上げてきた機械の文明は崩壊した。
そして新たな文明が産声を上げる。
狭間由宇が発見した魔法理論とアニマの存在により夢物語だと思われていた魔法科学文明が始まりを告げた……。
はい、これでグローリアオンライン本編が終了しました。
ここまで付き合いくださりありがとうございます。
このグローリアオンラインですが実は一繋ぎの小説の二部めです。
一部目は天の桜が咲く頃にで二部がグローリアオンライン、そして三部目。
全て完結すれば色々謎が溶けます。グローリアオンラインで明かされなかった魔王の秘密や神の存在などは三部作目で、明かします。
また、天の桜が咲く頃にでは前日談として神の発見からゼロ領域と六道家の謎を明かします。
ので、良ければそちらも良ければ読んでみてください。
ありがとうございました。