第十二話 ひととき
組み手は結果から言って俺の勝ちだった。俺の剣がシュリを貫いていた。その後いつの間にか集まっていた観客に囲まれてしまい逃げるのに苦労した。
「ハハハ、まったく楽しかったな」
シュリが笑う。
「そうだな」
今はシュリと城壁の上にいた。逃げてたらここが見つからないと言ったのでここで話している。
「まったく強いなカイトは」
「シュリも中々やるな」
「私などまだまだだ。隊長には遠くおよばない」
「あの人はそんなに強いのか?」
確かに侮れない感じはする。
「ああ、強いぞ。帝国最強の竜騎士だ」
「最強の竜騎士か」
そう言われると倒したくなってくる。
「うれしそうだな」
「そうか?」
「ああ。新しいおもちゃを見つけた子供みたいに聞こえる」
「なんだそりゃ」
だが、確かに俺は今そんな顔をしているのかもしれない。この四年で俺はトッププレイヤーの中に入っている。これは決しておごりではなく客観的に見てだ。まあ、少しやりすぎたと思うが。そしてさらに強い奴が出てきたんだ。うれしくない奴はいないだろう。
「しかし、勝負してみたいな」
「だが、それにはパートナーがいるな」
「パートナー?」
「ああ、飛竜だ」
「なるほど、騎乗戦ってことか」
それなら騎乗スキルがいるな。まあ、少しは育ててるんだが。この四年で装備できるスキル数が増えたからな。世界が広がったから足りないとAIが判断したのだろうか。
「なあ、シュリ」
「なんだ?」
「飛竜ってのは誰でも乗れるものなのか?」
「そうだな。飛竜に認められれば行けるな」
「そうか」
「なんだ飛竜に乗りたいのか?」
「勝負するには必要なんだろ」
「そうだな」
しかし飛竜か楽しみだ。
「まあ、気長に待つといい。ここに来たのはお前達が初めてなんだ」
「そうか、まあ気長に待たせてもらおう」
本当は急ぎたいんだが焦っても仕方ない。乗せてもらってもいいんだが、この先のことも考えると移動手段としてはほしい。
「大丈夫だろう。隊長が今事情を話しているだろうからな」
「だといいが」
まあ、大丈夫だと思うが。なんだろうな。急いだほうがいい気がする。
****
「レギル様ー!!」
「な~に~?」
「準備が出来ました」
「よ~し」
「ですが本当に出来るのですか?」
「大丈夫だよ~」
なんたって目標はあっちにいるんだからね。まったく困ったもんだな。
「…………わかりました」
男が部屋を出て行く。
「さ~て」
さてと、お姫様を迎えに行くとしようか。
****
その後俺とシュリは城をあとにして城下へと出た。シュリにいろいろ案内してもらうためだ。
「あ、カイトさん!!」
街を歩いていつと荷物のお化けにであった。
「その声はコペイか」
「はい!! お願いします半分持ってください~!!」
「あ、ああ」
コペイから半分荷物を受け取る。ようやくコペイの顔が見えた。
「ふう、ありがとうございます」
「リーナたちはまだ買い物か?」
「はい、主にティアさんですけど」
まあ、そうだろうな。ティアは買い物好きだから。
「それよりカイトさんシュリさんと打ち解けたんですか」
「ん? ああ、そうだ」
「よかったじゃないですか」
「まあな、というより知り合いだった」
「え、それって忘れてたってことですか? ひどいですね」
「仕方ないだろ。昔すぎて忘れてたんだ」
コペイと小声で話しているとシュリが言った。
「そういうわけだ改めてよろしく」
「あ、はい」
コペイは握手しようとして自分の現状に気がつく。
「いや、無理はするな」
「す、すみません」
「ちょっと~! コペイー!!」
店からティアが出てきた。
「あら」
ティアがシュリを見てと止まる。
「打ち解けたの?」
「ああ」
ティアがコペイにした説明をする。
「なるほどね。カイトらしいわ」
「どういう意味だよ」
「そのままの意味よ」
意地悪くティアが笑う。
「どういうことだよ」
意味わからん。
「そういうところとか」
ティアがさらに言う。
「もういいよ」
「ごめんごめん」
「ティア(さん)!!」
店の奥から、荷物を持ったリーナとユイが出てきた。
「ちょっとティア、これあアンタが買ったもんでしょうが!!」
「そうですよ。持ってください」
二人とも怒っているようだ。ティアが荷物を置いていったからだろうな。
「アイテムにしまえよ」
「いや~、それが一杯でさ」
「おい」
それなら倉庫にしまうとかしてから買い物しろよ。
「ごめんごめん」
ゴメンで済む問題じゃないぞティア。
「まあ、それよりカイトなんでソイツがいるの?」
ユイがシュリを差して言う。
「あ、ああそれは――」
本日三回目となる説明をする。
「なるほどね、昔の幼馴染ってわけ」
「そうなるな」
「こんなことも起きるんですね~」
ユイとリーナが言う。確かにこんな広大な世界で再会できたのは確かにすごいことだ。アキラやミリアは今なにしてんだろうな。フレンドリストを見ても死んだというこはないから大丈夫だろう。
「まあ、そうだな、揃ったことだしトミーでも探して昼にしよう」
人形師は放っておいても大丈夫だろう。
「ふむ、そうだな。ならうまい店があるこっちだ」
シュリの案内でその店へ。
その後城下を案内してもらった。
そのときに人形と戯れる人形師らしき変態と池でフィッシーングと叫んでいる変態がいたが気にしない。