第八話 壊滅した街、闇の深淵は程遠く
廃墟に雨が降る。それはまるでこの世界がひとつの街の滅びを嘆いているかのように。街は全てが焼け、ここが技術都市とは思えないほどだ。いや、技術都市だったからこそここまで酷くなったのだろう。街中に溢れていた活気は消えている。あるのは悲劇のみ。
「俺のせいか」
俺達がこの街に来たからか。これはゲームだ。そう、ゲーム。だからいつかはこの光景も元に戻る。だが……。
「クソ」
壁を叩く。それだけで壁は崩れ去った。ゲームだとしてもこの世界で生きていた人がいたんだ。この街で確かに生きていた人が。ゲームだと割り切ってしまうのは簡単だろう。だが、このリアルすぎる世界がいやおうなく俺に自覚させる。
「カイト殿そう気を落とされるな。我々はやれることは全部やったのだ」
「違うこれは俺のせいだ」
「なに?」
「あの女の子ユウをここに連れてきたからだ。あの子は狙われていたんだ。それをわかっていたのに」
「それこそカイト殿のせいではない悪いのは闇ギルドの連中だ」
「…………」
「それよりもカイト殿は仲間と合流するべきだ。目的があるのだろう。僭越ながら某も同行させてもらおう」
「なんだって?」
「某もついていく。あのような幼子が狙われておるのだ放ってはおけん」
「そうか助かる」
悪いが俺はこんなところで立ち止まっている暇はないんだ。
「すまない」
そう呟いた。
「行くぞ」
「ああ」
俺とサクヤは街を出た。そのすぐあとで。
「ここはとおさねえぜ」
「蛇喰らう馬か」
待ち伏せか。紋章をつけた者が30名出てきた。さらに後ろからもぞろぞろと出てくる。
「これだけ数がいればたとえ貴様でも倒せるはずだ。なに死んでも生き返れるんだ。これはゲームなんだからなぁ」
「…………言いたいことはそれだけか」
「あん?」
「なら通してもらうぞ。俺たちは急いでるんだ」
「通すわけ――」
一番前にいた男が言い終わる前に倒れた。
「悪いが今俺は機嫌が悪いんだ。手加減は出来ないぞ」
「ひ、ひるむな相手は所詮二人だ。全員でかかれ!!」
「サクヤ」
「なんだ?」
「うしろの敵は任せる」
「よいのか?」
「ああ」
サクヤが後ろの敵に向く。
「さて、さっさと終わらせるぞ」
手にした魔剣から闇が噴き出す。
「かかれ!!」
前方の三十人が一斉にかかって来る。矢が放たれ矢の雨が降る。
「はああああああ!!」
矢の雨をかわしながら前に進む。かわせないものはすべてたたき落とす。最小の動作で最大の効果を。その言葉通り既に俺は敵との距離を詰めていた。
矢の雨が止まり。剣や槍を持ったものが出てきた。得物を掲げ俺に向かってくる。
「フン」
振り下ろされる剣をよけ相手の両腕を切る。そして頭蓋を叩き割る。
横から槍が迫る。その槍を掴み敵を引き寄せる。そのまま魔剣を突き刺す。突き刺さった男をはずし男の持っていた槍を全力で投げる。向かってきていた剣士たちの腹を槍が貫通した。
「死ねファイヤ!!」
火球が迫る。
「ぬるい」
そんな魔法では届かない。アイツにはな。その炎を掴み取る。そして。
「これが本当の炎だ」
俺の手の中で火球が巨大化する。
「喰らえ」
巨大化した火球を相手にたたきつけた。
「ぎゃああああああああああああ!!!」
断末魔の叫びが木霊する。恐ろしいほどに俺は冷静だった。
「この化物が!!」
剣を振り下ろす男。その剣を掴む。掴んだ手に痛みが走るがまったく関係ない。
「そうか、なら化物らしいやり方で殺してやるよ」
闇の棘が男を貫いた。闇の魔法。破壊を司る闇。
「どうした来ないのか?」
三十人いた仲間は既に十五人に半分にまで減っていた。
「く、クソ」
「ああ、逃げるのは勝手だが逃がす気はない」
「こ、このおおおおおおおおおお!!!」
むちゃくちゃに振られる剣。こんな斬撃などあたらない。
「どうした? あたらないぞ」
「こ、このおおおおおおおおおおお!!!」
さらに剣が振られるが。
「あたらないって言ってるだろ!!」
ザンッ!!
魔剣が男を切り裂く。そのまま残りの十四人に疾駆する。
「演舞斬魔刀閃」
魔剣から噴き出す闇の刃がまるで意思を持つかのごとく動き。
「はああああああああああ!!!」
十四人を例外なく切り裂いた。
****
「それでは参る!!」
カイト殿に任されたのだきちんと勤めは果たそう。敵はざっと見て二十人。なにこれくらいなら何とかなる。
「相手は女だ行くぞ!!」
「女だと思って油断すると痛い目を見るぞ」
「はん。なに言ってだよこのやろう」
「忠告はしたぞ。風よ」
風を体に纏わせる。右手で柄を持つ。居合いの構え。準備は出来た。
「行くぞ。死にたい奴だけ前にでよ」
「全員でかかれ!!」
二十人が一斉にかかって来る。
「行くぞ」
ドンッ!!
踏み込む。それだけで地面は窪んだ。風が地面を刈り取っていた。
「はああああああああああ!!!!」
ザンッ!!
閃光がきらめくと同時に一番前にいた男が倒れる。
キンッ!
一瞬で刀は鞘に戻った。奴らの目にはおそらく刀身すらうつってはいないだろう。そのまま次の行動に移る。
ザンッ!!
「あ?」
キンッ!
呆けていた男を切り伏せ。またも鞘に戻す。
「な、なにが」
「かかってこないのならこちらから行くぞ」
ドンッ!!
踏み込む。またも居合い。
ザンッ!!
一人切る。今度は鞘に戻さず続けざまに一人、また一人ときっていく。風を纏うことにより上がったスピードに誰一人付いてこれる者はいない。
「地よ!!」
相手が巨大な土壁を作る。かなりの土の魔法の使い手だったらしくかなり硬い。
「ならば。雷」
刀に紫電が纏う。
「雷切」
ザンッ!!!!
土壁は紫電を纏った斬撃の前にまるでバターのように簡単に切断された。
「ひっ!!」
「恨むなら主を恨め」
ザンッ!!!
「あまりいい気分ではないな」
早く終わらせよう。
「参る」
再び刀を鞘に収め。
「はああああ!!」
残っている10人に疾駆する。
「や、やれ何とかしやがれ!!」
「う、うわああああああああああああああああああ!!!!」
恐怖で錯乱したのか型も何にもないただ剣を振る男。
「哀れな」
ザンッ!!!
一撃で切り伏せその勢いのまま敵を突く。突いた刀を横に薙ぎさらに三人を切る。そして最後の一人を切り伏せた。
****
「終わったか」
三十人いた蛇喰らう馬の連中はことごとくが《黒絶獄》に送られた。
「カイト殿」
「そちらも終わったようだな」
「はい」
「先を急ぐぞ」
「そうですね」
だいぶ時間をくった急がなければリーナたちがいるから大丈夫だとは思うが何があるかわからない急ごう。
「それで目的地はどこです?」
「ゴルディアだ」
「あの街に仲間が?」
「ああ、そうだな…………サクヤこの近くで門のある街を知らないか」
「う~んとそうですね。確かここから東に馬車で五時間の位置にアルファーゲーナという街があります。確かそこに門があったはずです。そうかわかった。まずはそこに向かう」
「どうするのです? 一刻も早く仲間のもとに向かうのではないのですか」
「ああ、そのつもりだったがこのままじゃ駄目だ。少し戦力を整える必要がある」
「それならさワタシも連れて行ってもらえないかい~ヒッヒッヒ~」
「曲者か!!!」
サクヤが後ろから声をかけてきた者に刀を向ける。
「人形師か。生きていたんだな」
「当たり前だよ。ワタシをだれと思っているんだい?」
「それでお前も来るのか」
「ああ、連れて行ってもらうよ~ヒッヒ~。それに戦力がいるのならワタシは戦力になるよ~」
人形師の後ろに数人の女が立っている。人間とそう変わらないように見えるがおそらく人形師の人形だ。かなり手強そうだな。人形は普通の人間と違って手強い。このグローリアにおいての戦いは現実のそれと同じことだ。つまり痛覚も何もない人形はいくら攻撃されてもひるまずに襲い掛かって来る。消耗しない兵士というわけだ。ただ、それには使用者の魔力が関わってくるが人形師の魔力は未知数。
「…………いいだろう。なら付いてこい。そのかわり自分の身は自分で守れよ」
「ヒッヒッヒ~。わかってるよ~。さあ、そうと決まれば行こうか」
「お前が仕切るのかよ」
なぜか人形師の先導でアルファゲーナに向かうこととなった。
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途中魔物に襲われながらも全速力で馬車で五時間の所をたった二時間で走破した。
「いや~。まったくむちゃくちゃだね~君は~」
「お前は人形に運んでもらってただろうが」
「ヒッヒッヒ~。そうだったかな?」
「ふむ、それでカイトどのこれからどうするのだ?」
「グランリオルのギルドに行く」
「そこで仲間を集めるのか?」
「ああ」
「ひっひ~。じゃあ、さっさと行こうか~」
俺たちは門を通りグランリオルの中央広場に来た。
「こっちだ」
「ああ、さあ人形師ど……の?」
人形師はどこかに消えていた。
「アイツはこの街ではいろいろとあるんだ」
「ふむ、そうなのですか」
「ああ、行くぞ人形師は先に行ってる筈だ」
数週間ぶりのギルドに帰ってきた。ギルドに入る。
「あら、カイト帰ってきたの? ユイとリーナそれにユウは?」
「ティア、コペイとトミーを集めてくれ」
「何かあったの?」
「ああ」
「そう。わかった。ちょっと待っててそっちの人もね」
「ああ」
ティアがギルドの奥に入っていった。
「いや~。着いた着いた」
「どこから現れてる人形師」
人形師はギルドカウンターから出てきた。
「ヒッヒッヒ~。見ればわかるだろう?」
俺が聞きたいのはなんでそこにそんなものがあるかどうかだ。
「呼んできたわよ~」
そんなことを考えているうちにティアがコペイとトミーを呼んできた。
「何があったんですか!」
「フェッシ~ング!!」
「事情はあとで説明する。ついて来い」
「はいよ」
「了解です」
「つりをするぞ」
よし、これで戦力は十分だろう。
「行くぞ」
「そんな説明もなしでいいのか!!」
「カイトがついて来いって言っている。それで十分でしょ? なにか不満があるの侍さん」
ティアが言う。
「そうです。カイトさんがついて来いっていっているんです。僕達はどこまでもついていきます」
コペイがいった。
「そうだ釣りだ!!」
トミーは意味不明だ。
「…………」
サクヤが黙ってしまった。
「どうした?」
「いや、いいギルドだと思って」
「そうか」
「なあ、某もこのギルドに入れてもらってもよいか?」
「ああ、好きにしろ」
「某はサクヤと申すよろしくお願いする」
「ええ、私はティアよ、よろしく」
「僕はコペイです」
「トミーと呼べ」
自己紹介も終わった。
「行くぞ」
『おおー!!!』
そんなわけでこの今現在ギルド最強メンバーで俺たちは門を通りアルファーゲーナに向かった。
頼むからリーナにユイ、ユウ、ギンさん無事でいてくれ。すぐに行くからな。
戦闘描写が難しい。
これでいいのかわかりません。
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