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グローリアオンライン  作者: テイク
第二章 ハザマの夢
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第四話 銀翔の森

 王都を出た俺たちは一路街道を西へ。すれ違うのは商人や旅人たちだ。


 一応、ユウにはマントをかぶせて顔を隠させている。闇ギルドの連中がこんな街道にいるとは思えないが一応の用心だ。どこに奴らの手先がいるかわからないからな。


「~~~~♪」


 その当人であるユウは世界が珍しいのかきょろきょろしながら鼻歌を歌っている。のんきなもんだな。まあ、子供だから仕方ないか。


「ふふ、かわいいですね」


 リーナがほほえましげにユウを見ている。


「まったくのんきなものね」


 ユイはやれやれといった風に見ている。


「いいさ、楽しんでるならな」


 ゆっくりと街道を歩いていくこうして歩くのは久しぶりだ。この4年間そんなことはあまりなかったからな。ほとんどギルドのクエストをやってたからな。こうした旅は久しぶりだ。


「さて、リーナまずはどこをどこに行く」


 目標は決まっているがどういうルートで行くかだ。


「そうですね。まずは技術都市に行こうかと」

「技術都市リベイユか」

「はい」


 技術都市リベイユ。この世界で一番技術が発達している都市。この大陸にある国のどこにも属さず中立を保っている都市。


「ああ、知ってる確か飛空挺の開発をしてる街だよね」


 ユイが言った。


「飛空挺か」


 確かにそれなら西の山脈を越えられるな。


「しかもちょうど王都から西か」

「だから良いと思います」

「ああ、じゃあリベイユを目指そう」


 俺たちは技術都市リベイユを目指すことになった。


「リベイユへは銀翔の森を抜けなければいけませんね」

「噂ではかなりやばいって森じゃなかったっけ?」

 

 リーナとユイが話している。俺はその間ユウの監視。


「ですがこれが最短ルートです。それにこの森なら見つかっても闇ギルドの連中もそう簡単には負ってこれませんし」

「それで私たちが死んだら意味ないわよ」

「う、それを言われると痛いでけど、私たちはそう簡単には死にませんよ」

「それもそうね」


 ユウは楽しそうに前を歩いている。


「!! リーナ、ユイ」

「うん、わかってる」

「魔物です」

「ユウは後ろに下がっていてくれ」


 ユウが後ろに行ったのを確認して前を見る。


『グルルルル』


 ハウラルドウルフ。平原に住む狼のような魔物。きわめて凶暴性が高く。10匹程度の群れで行動する。


「ハウラルドウルフか。リーナはユウを守れ」

「はい」

「ユイ行くぞ」

「うん」


 俺とユイは十匹のハウラルドウルフに向かう。リーナはハウラルドウルフに向かって矢を放つ。


『ガルルル!』


 ハウラルドウルフも飛び掛ってくる。


 そいつに剣を突き刺し近くにいたハウラルドウルフを切りつけていく。リーナの矢でひるんだ奴も多く倒しやすい。


「三匹!!」

「こっちは二匹」


 ってことはあと五匹か。


「さっさと終わらすぞ」


 残り五匹にリーナの矢が飛びひるんだところを斬っていく。


「楽勝だったな」


 ハウラルドウルフを倒し終えた。この程度なら苦戦などしない。


「さて、行くぞ」


 道のりは遠いそれに街中ならいざ知らず街道だ。闇ギルドもどこで出てくるかわからない。急いだほうがいい。


 それからペースを考えつつ街道を歩き一週間。銀翔の森の前に到着した。


 銀の幕に覆われた神秘的な森だ。


「さて、行くぞ。ユウは離れるなよ」

「うん」


 道中でだいぶ心を開いてくれた。


 森に足を踏み入れた。銀、一面を銀が覆っている。木も草も森を構成する全てが銀であった。それは陽光を受け輝いていた。


「綺麗です」

「すごい」

「きれいきれい!!」


 リーナ、ユイ、ユウは喜んでいた。だが、ここは冒険者たちにとってはかなり危険な場所だ。ここのボスはまだ倒されていないのだ。そんなに強いのか、それとも何か別の理由があるのかわからないが気をつけて進むにこしたことはない。


「さて、綺麗なのはいいが気を引き締めていくぞ」


 ゆっくりとマップを見ながら進む索敵範囲に敵の反応はない……ないが。


「これは最悪のパターンだな」

「どうしたのカイト?」

「ああ、ユイ武器を構えろ。この森の中でまだ一匹も魔物の姿を見てない。つまり俺たちは今ボスに狙われている」

「え? でも、反応は」

「たぶん擬態だろう。どこから来るかわからない。リーナも気をつけ!? 後ろだリーナ!!」

「ハッ!?」


 リーナとユウの後ろから急に現れた巨大蜘蛛の糸にリーナとユウが絡め取られつれさらわれた。表示された名はシルバースパイダー。


「しまった!!」

「リーナ、ユウ!!」

「追うぞ!」

「でも、どうやって」

「かろうじてリーナの反応は追える、こっちだ」


 リーナたちを追おうとした途端小型の蜘蛛型の魔物スパトルが現れた。


「囲まれた!? 奴の子供か」

「私たちをえさにするつもりだよ!」

「えさになってたまるかよ。蹴散らすぞ!」

「うん」


 魔剣を構えスパトルに向かう。


「はあああああ!!」


 寄って来るスパトルを斬りつけて倒していく。だが、その数が減ることはなく逆に増えていく。


「多すぎる」

「諦めるなユイ」


 とは言ったもののこれはかなりきついリーナたちも心配だ。魔剣を使おうとしたその時。


「伏せられよ!!」


 頭上から女の凛とした声が響いた。咄嗟に従う。


「はあああああ!」


 頭上から現れたのは紫がかった髪をポニーテールにした刀をもった女だ。その女が居合いのように刀を振る。刀から真空刃が放たれスパトルは細切れになってその数を減らしていった。


「ふう」


 その女の後ろに一匹残っていた。女は気がついていない。


「危ねえ!!」


 飛び出しスパトルを切り裂く。それと同時に気がついて振り返る女。


「ふう」

「助かった礼を言う」

「何、こっちも助けられた」

「某は当たり前のことをやったまでだ。困っている者を放ってはいけないからな」

「そうか。俺はカイト」

「某はサクヤだ」

「私はユイ」

「サクヤ助かったが俺たちは仲間をさらわれたんだ。急ぐからすまんな」

「そういうことなら某も同行させてもらおう」

「だが」

「遠慮するな。某も命を救われた。その礼をさせてもらおうと思ってな」

「いや、命って」

「さあ、行こう」


 そのままサクヤはシルバースパイダーのいる場所に向けて走り出してしまった。なんでわかったんだ。


「どうする?」

「仕方ない手伝ってくれるならありがたいからな」


 サクヤのあとを追う。サクヤの向かった場所は正しくそこにはシルバースパイダーの巣があった。


「まだ無事みたいだな」


 リーナとユウは巣で糸にぐるぐる巻きにされている。


「では、参る!!」


 サクヤが飛び出す。それに続いて俺とユイも飛び出す。


「はああああああ!!」


 サクヤがシルバースパイダーに切りかかる。その間に俺とユイは巣を切り裂こうとした。


「クッなんて固さだ」

「これ銀で出来てるよ」

「なるほど全部銀かそれもかなり硬度がたかい」

「どうする?」

「炎も効かないだろうな。なら、魔剣で切り裂く」


 刀身に闇が渦巻き形をなす。その形は片刃の鋭利な刀。


「ふ~、ハッ!!」


 一閃。銀の巣は細切れに切り裂いた。


「よし、ユイ、今のうちに二人を」

「わかった」

「俺はサクヤの手伝いをしてこよう」


 魔剣を構えシルバースパイダーと戦っているサクヤの元に走った。


「サクヤ伏せろ!」


 サクヤが伏せたのを見て魔剣を振るう。魔剣から放出される闇がシルバースパイダーの眼を潰した。


「行けサクヤ!」

「ああ」


 居合いを構えそして。


 ザンッ!!


 シルバースパイダーを一刀両断した。


「ふう、終わったな。しかし、そんなに苦戦する相手じゃなかったな」

「おそらくさっきのように擬態し敵を連れ去るのがこいつの手なのだろう」

「なるほどな、つまり一気に連れて行かれなければ勝てる相手ということか」

「ああ、それとあのスパトルも厄介なのだろう。あいつらも糸を吐くそれに捕まればおしまいだ」

「そうだなまあ、みんな無事でよかった」


 さて、リーナたちの様子でも見に行ってやるか。


「大丈夫か?」

「大丈夫です。ユウちゃんも大丈夫ですよ」

「そうかよかった」


 ユウはリーナの腕の中で眠っている。疲れたのかそれとも。


「なんにしてものんきだな」

「あははそうですね」

「とりあえずこの森を抜けよう」

「はい」

「サクヤもついてくるか?」

「よいのか?」

「ああ」

「それではお言葉に甘えさせてもらおう」


 サクヤを伴い銀翔の森を抜けその先にあるニベイユという街に到着した。



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