エピローク これから始まる物語
新大陸の拠点港街シュレイディーク。ここに新たな冒険者が足を踏み入れた。
「ここにあの人たちのギルドがあるんだな」
まだ、16歳になったばかりであろう剣を背負った赤い髪の少年がそういった。
この街にはあの魔王を倒した人達が作ったギルドがある。
「僕はそこに入る。さてと、いったいどこなんだろ」
少年の目に釣りをしている男が目に入った。
「あの人に聞いてみよう、あの~!」
釣りをしている男に話しかけた。
「なんだ、少年」
「あの、僕はアルトといいます。ギルドを探しているのですが?」
「そうか、僕はトミー、ギルドならそこらへんにいっぱいあるぞ」
「いえ、僕が探しているのは黒き翼というギルドです」
それを聞いたトミーの目つきが変わる。
「そうなのか、で、そのギルドを見つけてどうするんだい」
「入りたいんです」
「そうなのか、でも、入れてくれると思うか」
「いいえ、たぶん無理と思います」
「ほう、なぜだ」
「僕みたいな新米を入れてくれるとは思いません、だけど、あってみたいんです。そして、いつか入れてくれるように頼むんです」
「そうか、そうだ、なら、ちょっとゲームをしないか?」
「はい!?、あのそんな時間は」
「大丈夫だ、すぐ終わる。僕が槍で君を突くから避けてくれればいい」
「ちょ!?」
「ほら、行くぞ!!」
トミーがいつのまにか持っていた槍を神速をもいえる速さで突く。
刺突はアルトを貫いたよう見えた。
だが
「避けたか」
「もう、死ぬかと思ったじゃないですか!!」
「悪い悪い、お詫びにこれやる」
トミーが腹の膨れた魚を渡してきた。
「何ですこの魚」
「腹を殴れ!」
「こうですか」
ドゴ
「うわ!、魚が宝石を吐き出した!!」
「そいつは宝石魚だ」
「いいんですか?」
「ああ、お詫びだからな、じゃあ、行くか」
「行くってどこへ?」
「どこって、黒き翼に」
「本当ですか、ありがとうございます!!」
案内されたのは高台にある石造りの質素な建物だった。確かに看板が出ている。
「ここだ」
「あれ?、トミー、なにやってるんです?」
「ああ、リーナ、良さげなやつ連れてきたぞ」
「本当ですか!、あ、私も連れてきたんですよ」
六人くらいの人がリーナの後ろにいた。なぜか、リーナを見て少し震えている。
「おい、なんかふるえているが、なにをやらせた」
「ちょっと軽いものですよ」
とリーナがにっこりと笑う。アルトはなぜかこの人には逆らってはいけないと思った。
「ちょっと、どいてどいてどいて!!」
「ユイってうわー」
飛んできたユイがトミーに突っ込んだ。
「何をする」
「ちょっと、買いすぎちゃって、あ、新人!!」
「そうだ、カイトはいるか?」
「いま、龍を狩りにいってるんじゃない?」
中から出てきたティアがそう言った。
「はい、三時間ほど前に出て行きましたが」
コペイが言った。
「じゃあ、中に入ってるか」
「あの~」
「何だ。アルト」
「もしかして、皆さん黒き翼?」
「そうですけど」
「そうだ」
「そうよ」
「そうね」
「そうですが」
「ええー!!」
アルトが絶叫した。
「ちょっとトミーさん、教えてんかったんですか!」
「ああ、面白そうだからな」
「確かにいい反応ね」
「名前聞いても気づかないとはグジョブ!!」
「お~い!!」
「あ、カイト!!」
龍のアギトを持ったカイトがギルドに戻ってきた。
「あれが、カイトさん」
「今日はなんか、大勢だな」
「そうそう、パーティーの準備をしないとね」
「ああ、まあ、とりあえずは中に入れ」
全員が中に入った。
「さて、お前たちは今日からこのギルドの仲間だ、よろしく」
カイトが新人にそう言い放った。
「ええー!!」
みんな驚いている。
「それなりにみんなよさそうな奴らだし、テスト済みみたいだしな。さあ、お前らの歓迎パーティーだ!!」
こうして、古い物語は終わり新たな物語が紡がれ始めた。
どうもテイクです。
今までグローリアオンラインを読んでいただきありがとうございます。
予想以上にたくさんの人が読んでくれたようで嬉しいです。
さてまカイト君の冒険も一区切りついたのでたいへん身勝手ながらここで筆を置きたいと思います。
続編が読みたいなどのリクエストなどがたくさんあれば続編を書くかもしれません。
それではまた次の作品で会いましょう。
皆さんサヨウナラー