第二十二話 妖精郷へ
トミーと別れたあと宿屋に部屋をとり早々と眠りについた。予想以上に釣りは体力を使うようだ。
「さて、とりあえずクエストギルドに行くか」
俺達3人は早朝の街を歩いてクエストギルドに向かった。
「ハッハッハ!、また会ったな」
クエストギルドに入った瞬間トミーの笑い声が聞こえた。お早い再開だった。
「なんでトミーがこんなところにいる」
「気分だ」
「そうか、俺達はクエストを請けに来たんだ。また、あとでな」
「まあ、待て」
「なんだよ」
「僕も君たちのクエストについて行こう」
「なんだと!?」
「君たちのクエストについて行ってやる」
リーナとユイと相談する。
「どうする?」
「私はどちらでもいいです。カイトさんにお任せします」
「私もどっちでもいいわ」
「そうか、ならお願いしよう」
相談終了。
「いいみたいだからついてきたいならそうしろ」
「ああ、そうしよう」
そんなわけでトミーがパーティーに加わった。
それからは四人でクエストをこなしていった。ほとんどが討伐クエストで俺たちはかなり強くなった。ちなみにトミーは呼ばれない限りずっと釣りをしていた。
そして一週間。
「そろそろ次の国に行くか」
「じゃあ、南にいきたい!」
「ユイちゃんは南に行きたいの?」
「うん」
「僕も行きたいな」
「トミーはなんでだよ」
「南といえば妖精郷、そして釣りだ!!」
やっぱりか。
「でもまあ、南が近そうだからな」
「じゃあ、行くぞ!!」
「まてトミーなぜお前が仕切る」
「いいじゃないか、妖精郷で釣りを、やらないか」
そんなこんなで南に向けて出発した。
南へは途中までイースセント川の支流を下る。そのため首都からでる定期船にのりフェリス領ミナーに着いた。
「ここまでくれば妖精郷アヴァロン島はもう目と鼻の先です」
「たしかウンディーネに送ってもらわないと行けないんだったな」
「そうです。アヴァロン島は特殊な結界が張られているらしく空からもいけません」
「そ、そうなの?」
「そういえばユイ船のなかでずっと俺の服掴んでたが大丈夫か?」
「だ、大丈夫よ。別に泳げないから掴んでたとかじゃないんだから」
「そうか、泳げないなら先に言え」
「だから泳げないとかじゃないって!」
どうやらユイは泳げないようだ。
「大丈夫だ。もし船が沈んでも助けてやるから」
「本当!」
「本当だ」
「じゃあ、約束ね」
「はいはい」
ミナーから南に一時間の所にあるウンディーネの岬に来た。
「さて、あそこにいるウンディーネの人に話しかればいいかな」
ウンディーネの女の人に話しかけた。
「アヴァロン島に行きたいんだけど」
「わかりました橋を架けましょう」
橋なんて架けられる距離ではないがどうするつもりなのだろうか。
すると岬からアヴァロン島に向けて虹の橋が架けられた。
「すごい!!」
「すごいです、虹の橋ですよ!!」
「ビューティフルだ」
「本当だな、っと、早く行かないとな」
虹の橋を渡り始めた。
十分でアヴァロン島に着いた。渡りきったときに橋は消えた。
「すごいなまったく。さて、街に入ろうか」
フェリスの首都サークリア。花咲き誇る幻想的な街だった。それは美しいとしか言いようがなかった。
「綺麗です。でも人が少なくないですか?」
「そうだな。なにかあったのか?」
サークリアの街にはほとんど人通りがなかった。
「おかしいだが、釣りだ!」
トミーはいつもの用に釣りに行った。
「そこの者止まれ」
金髪碧眼のシルフの兵士に止められた。歩いていたら城の近くまで来ていたようだ。
「お前たち旅の者か。ここに何のようだ」
「いや、歩いてたらここに来てしまって」
「本当か?、サラマンダーの者じゃ、なかろうな」
「やめなさい」
鈴のような声が響いた。
「姫様」
城から現れたのは金細工のように繊細な金髪、空のような澄んだ青い瞳をした女性だった。緑色の豪華な服で高貴な存在だということがわかる。
「その方たちはさきほどこの街に来たものだ。サラマンダーのものではない」
「そうですか。失礼した」
「私の部下が失礼したな」
「いや、いい。それより、なにかあったのか?」
「ふむ、そうだな。お前」
そういって姫は俺を指差した。
「俺か?」
「そうだ。お前、私の部屋に来い」
「なぜ」
「いいからついて来い」
逆らえない感じなのでとりあえず城に足を踏み入れた。リーナたちもついてこようとしたが。
「お前たちの通行許可はもらっていない」
「ちょっと、カイトがよくてなんで私たちは駄目なのよ!!」
「そうですカイトさーん!!」
「仕方ないから宿屋で待っといてくれ」
といって姫についていった。
案内されたのは豪華な部屋だった。だれもいない。とりあえず扉を閉めた。
「あ~、疲れる」
いきなり姫がそういった。
「どうしたの座ったら」
「ああ」
猫かぶっていたようだな。まあ、ありがちな話だが。
「ああ、驚いた?」
「いや、別に、なんとなくそんな感じはあったしな」
「そっか~」
「で、話ってなんだ」
「あなたにお願いしたいことがあるの」
「なんだ」
「それは、サラマンダーのことなの」
「さっきも言っていたな」
「そう、私が女王になったのはつい最近のことなの。みんなが民主的に投票で選んだんだけどね。サラマンダーのリーダーはそれが気に入らなかったみたいなの。で、姫をやめないとこの街を攻撃するって言ってきたのよ。別に姫の位なんて私はいらないからいいんだけどさ。あいつに任せたら大変なことになると思うのだからそのサラマンダーを何とかして欲しいの」
「具体的には?」
「そうね、サラマンダーの里に行って全員をぶちのめしちゃえばいいとおもうのよ」
姫のくせに物騒だな。まあ、なんかこっちの方が生き生きしている気がする。
「それと、私を連れ出してほしいのよ」
「は!?、無理に決まってるだろ。だいたいそんなことしたら俺が殺される上に犯罪者になっちまう」
「ああ、それなら大丈夫よ。ちゃんと変わりはしつられるし、本人の了承があれば犯罪者にならないし」
「わかった、それならいい、やってやるよ」
「ありがとう。じゃあ、今すぐいこう」
「今すぐ!?」
「そう!、善は急げっていうでしょ!」
あれ、こんなやりとり前にもあったような。
「さあ、行こ」
差し出された手を俺は取った。
そして窓から逃亡。
空に舞う影二つ。