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グローリアオンライン  作者: テイク
第一章 魔王討伐編
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第十一話 ユベリティオの出会い


グローリア暦 五月一日

 俺が目覚めたのは聞いた限りガヴェインに気絶させられてから二日たったときだ。


「クソ、あの野郎」

「気にしないのカイト君、死んでないだけましなんだから」


 俺の呟きにアリアがそういう。


「いつの間にか終わってなんとか俺が受けきったとか言われても実感ないだけど」

「まあ、気絶してたからね、で、自由に動けるようになった?」

「ああ、いつでも出発できる」

「そう、なら、行きましょうか」


 アリアが部屋を出て行く。


「次は勝つからな」


 俺はそっと誓いをたてた。次こそガヴェインに勝つ。


 格好を整えて部屋を出て外に立つ。村は少しずつだが復興しているらしい。


「あ!、カイト!」


 果物が入った籠を持っていたミリアが俺を見つけて走ってきた。


「大丈夫なの?」

「ああ、大丈夫だ。悪かったな心配かけてさ」

「いいよ、それより見ていっぱい貰っちゃった」


 ミリアが籠を持ち上げて中の果物を見せてくれた。


「うまそうだな」

「一個あげるよ。はい、これ」


 楕円形の青い果物を渡してきた。


「サンキュー!、で、アキラは?、そろそろ出発するから呼びに行きたいんだけど」

「たぶん、広場の方と思う」

「わかった言ってみる」


 俺は広場に向かって歩き出した。さっき貰った青い果物を食べる。


 シャリシャリして水分があり美味しい。現実の林檎に似た味だ。


 広場に行くとアキラは木材に座っていた。


「何やってんだ、アキラ」

「お!、やっと動けるようになったかカイト」

「まあな」

「で、何の用だ?」

「そろそろ出発するから呼びにに来たんだ」

「わかった、行くか」


 アキラが立ち上がった。俺はアキラと集合場所に向かった。


「よし、揃ったね。じゃあ、行こうか」

「ありがとうございました」


 村長さんが見送りに来てくれていた。


「こちらこそ、ありがとうございました」

「また、来て下さいね」

 俺達は村長さんに見送られながら出発した。


 北の関所ユベリティオに俺達は日が暮れるギリギリで到着した。


「ここが北の関所ユベリティオか」


 山脈の間に建っている関所はかなり巨大だった。もとは難攻不落の砦だったものを改装したらしい。


「でかいな~」

「この国で一番大きいわよ」

「どうやって作ったんだろう」


 アキラが壁をさわりながら言った。


「私は知らないわね、興味があるなら首都のゲーテルにある図書館で調べてみれば」

「図書館があるんだ。どんな本があるんだろう」


 ミリアが嬉しそうに言った。


「確かめてみればいいわ。とりあえず今日はここで一泊。装備を整えといたら?」

「そうだな」


 そんなわけで関所の宿屋に部屋を予約して自由時間になった。


「さてと、とりあえず狩りに行こう」


 強くなって絶対あいつを倒す!


 俺は関所の人に行って外に出してもらった。



 ノブルエル領、覆雪の森


「何も見えん」


 現在、雪がふぶいている。


「だけどこれなら索敵スキルが伸ばせるな、っとさっそくきたな」


 剣を抜き構える。出てきたのは見た目は大きな熊の獣。だが、普通の熊よりも凶暴なテイルベアーと言うモンスターだ。


「行くぜ、炎剣」


 剣が燃え上がる。


「てりゃあああああああああああ!!」


 近づいてきた奴から斬っていく。だが、かなり丈夫らしく斬ってもすぐに攻撃を仕掛けてくる。


「グルルル!!」


 見ると続々と仲間が集まってきているところだった。


「こいよ、一気に行くぜ!!」


 剣を振る。それにつられて炎がテイルベアーを焼いていく。


 テイルベアーの一匹が飛び掛ってきたのを俺は剣を突き出し串刺しにする。


「悪いな、俺は強くなりたいんだ。燃えろ」


 テイルベアーを炎が包む。


 後ろからさらにテイルベアーが飛び掛ってきた。串刺しにしたテイルベアーを剣を振って抜き振り返りざまに切り裂く。その勢いを利用して横にいたテイルベアーに斬りかかる。


 雪の中の死闘は続く。

「はあ、はあ、はあ」


 たくさんいたテイルベアーの姿は一匹もなく、俺は雪の上に寝そべっていた。しかも吹雪の中、遭難しそうである。


「なんとか、帰らないと」


 何とか起き上がって立つが。


「っとと」


 ふらついて木に寄りかかるしまつ。


「ガルウウウウウウウウウウウウ!!」


 うなり声の方向には巨大な狼、アイリーウルフがいた。


「やば!」


 アイリーウルフが飛び掛ってきた。死んだと思ったとき。横から矢を受けアイリーウルフが吹っ飛んでいった。


「大丈夫ですか?」


 弓を持った赤茶色の髪の猫耳の女の人が俺に駆け寄ってきた。


「あ、ああ、なんとか」

「よかったです。とりあえず安全なところに行きましょう」

「わかった」


 肩を貸してもらい関所まで戻ってきた。


「ありがとう、助かったよ」

「いえ、当然のことをしたまでです」

「なんかお礼をしたいな」

「いいですよ。こっちが勝手に助けただけですから」

「それじゃ俺の気がすまないよ。そうだ。じゃあ何か奢るよ」

「そうですか?、ならお願いします」

「そうだ、俺の名前はカイト」

「私はバステト族のリーナです」


 バステト族。亜人の中にある一族のひとつ。比較的温厚な者が多い種族で猫の耳と尾を持つ。バステト族の女性プレイヤーは一部の男性プレイヤーから熱狂的な支持を受けている。

その証拠に彼女に頭には獣の耳がついている。


「そうだフレンド登録しましょうか」

「いいですね」


 リーナからフレンド登録のメッセージが送られてきたので了承する。


「じゃあ、行こうか」


 とりあえず、関所内にある食堂に向かった。


 食堂でリーナがオススメと言っていた。ゴブのシチューを注文して料理がくるのを待つ。


「で、カイトさんはあそこで何してたの?」


 リーナが聞いてきた。


「テイルベアーを狩ってだんだ。強くなるためにね」

「まさか、テイルベアーの群れを壊滅させたのってあなた?」

「たぶん、群れをつぶしちゃったかもな」

「なんて無茶してるんですか!、そもそもソロで狩る相手じゃないですよ。なんでそこまでして強くなりたいんですか?」

「俺、まだこれ、始めたばかりでさ。で、この前コテンパンにやられちゃて悔しいからそいつに勝てるように強くなりたいんだ」

「え、カイトさん、初心者だったんですか?」

「そうだよ、まだ初めて一週間くらいかな」


 リーナが驚愕した。


「それくらいで、テイルベアーの群れを壊滅させちゃったんですか!」

「そうだけど、すごいのか」

「すごいですよ、私も二ヶ月前に始めたばかりなんすけど、テイルベアーなんてソロじゃ狩れませんよ」

「そっか、でも、まだまだなんだよな~、ん?、ってことはリーナって同い年?」

「あ、そういえばそうですね」


 そうは見えないな。いい意味で。


「なら、敬語使わなくていいよ」

「これが性分ですので、気にしないでください」

「そっか~」


 と話していると。


「お待ちしました。ゴブのシチューでございます。それではごゆっくり」


 そう言ってウェイターは料理を置いてさがった。


「やっときました!」


 リーナの耳がピンとたち、尻尾がせわしなく動いている。


「なんか、わかりやすいな」

「この耳としっぽですか?」

「そう」

「確かに、これって感情がダイレクトに出ちゃうんですよ。でも、メリットがあって索敵スキルの効果が上がるんですよ」

「へ~、さて、料理が冷めないうちに食べますか」

「そう、ですね」


 リーナがシチューをスプーンで掬って食べようとする。


「そうだ、リーナって猫舌?」

「いえ、別に。確かに猫耳ついてますけど猫舌じゃないですよ」

「そうなんだ」

「そうですよ」


 リーナがシチューを食べる。


「う~ん、美味しいです」


 俺もシチューを食べる。


「うまいな」


 さすがオススメだな。雪国だけあってこういう料理が美味いみたいだ。


 ひたすら無言で食ってしまった。


「ごちそうさまでした」

「うまかった、ゴブってどんな生き物なんだ?」

「たぶん聞かないほうがいいと思いますけど」


 一体どんな生き物なんだ?


「さて、じゃあ、払ってくるよ」


 席を立って言う。


「はい、ありがとうございます」


 ゼルを払って食堂を出た。



「じゃあ、俺はそろそろ行くよ」

「今日はありがとうございました。何かあったらメールしてくださいね」

「ああ」

「じゃあ、また、どこかで会いましょう」


 リーナは去って行った。


「さて、今日はもう遅いからな。アリアたちでも探すか」


 リーナはこの世界に来て出来た二番目の友達だった。

カイトスキル 現在


片手剣スキル熟練度43

両手剣スキル熟練度42

短剣スキル熟練度23

武器防御スキル熟練度41

投擲スキル熟練度26

索敵スキル熟練度38

見切りスキル熟練度39

回復補助魔法スキル熟練度26

火魔法スキル熟練度37

体術スキル熟練度34


常時装備発動スキル


筋力スキル熟練度42

俊敏スキル熟練度40

跳躍スキル熟練度35

受身スキル熟練度40

体力スキル熟練度40

魔力スキル熟練度37

耐久スキル熟練度47



リーナスキル 現在


弓スキル熟練度45

短剣スキル熟練度32

投擲スキル熟練度34

武器防御スキル熟練度29

索敵スキル熟練度36

見切りスキル熟練度38

水魔法スキル熟練度36

風魔法スキル熟練度42

回復補助魔法スキル熟練度42

料理スキル熟練度44



常時装備発動スキル


筋力スキル熟練度38

俊敏スキル熟練度42

跳躍スキル熟練度41

受身スキル熟練度33

体力スキル熟練度35

魔力スキル熟練度42

耐久スキル熟練度32

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