第十話 炎帝の剣(レフィアマサーペア)
黒い巨大な鎌を持った残忍そうな男が俺たちに気づいていった。
「ヒャハ!、またお客さんだな~、まったく今日は客が多いことで」
「黙れ、屑が」
赤い鎧の集団の中央にいた身の丈ほどの大剣を持った赤髪の男が言った。
「ひどいな~、俺っちにもレギルって名前があるんだけど」
酷く不敵な笑いを浮かべてレギルと名乗った黒い巨大な鎌を持った男が言う。
「黙れと言った。それ以外は聞かん」
「融通がきかないな~、で、いったいあんたは紅蓮のガヴェインさん、何が目的なんだい?」
「貴様のギルドに我がギルドが強襲を受けたのだが?、それ以外に何がある」
「ふ~ん、で?」
「なに」
「回りくどいな~、オッサン、俺を殺したいならそういえばいいのに」
紅蓮のガヴェインという男から凄まじい殺気が放出される。
「おお、怖い怖い。そっちの子達も、怖いよねえ?」
レギルはまったく動じることなく俺たちに話しかけてくる。
「いいだろう。貴様を切り殺し《黒絶獄》に送ってやる」
ガヴェインが身の丈ほどの大剣を抜き、凄まじい速さでレギルに斬りかかる。
それをレギルはバックステップで避けた。
「おお、危ない危ない、俺っちもあそこには行きたくないからなあ~」
危ないと言っておきながら余裕の表情のレギル。
「フン!!」
さらにガヴェインが連続で斬りかかる。それをレギルが軽いステップで避けていく。
「猪口才な、紅蓮剣」
大剣が燃え上がる。俺があの洞窟でやったのよりも炎が大きい。比べ物にならない。
「やっば~、本気みたいだねえ~、なら。俺っちもって言いたいけどね。そんなのと真正面からぶつかりたくないからね。そろそろ帰るとするよ」
レギルが懐から淡い青い色の転移石を取りだした。
「逃がすか!!」
「じゃあっね~」
パリン
転移石が砕けてレギルが光に包まれて消えた。
「クソ!」
ガヴェインが悪態をつく。
「久しぶりね紅蓮」
アリアがガヴェインに近づいて言った。
「旋風か」
「まさか、あの炎帝の剣がこんなところにいるなんてね」
「それは貴様もだ。ここで何をしている」
「あの子達の修行の旅をしてたんだけどね。村が壊滅してたの闇ギルドのせいって聞いたからここに来たのよ」
「そうか、だがあのようなひよっこについてどうする。貴様は自分の役割を忘れたか」
ガヴェインが俺たちの方を見た。軽く殺気が俺達三人に注がれる。
「別に忘れてなんかいないわよ」
「ギルドをほったらかしにしてふらふらとしているのを放任してやってきたがそろそろ限界だ。もう、時間がない」
「そのおかげでこの子達に会えたんだけど?」
「小僧どもを育てていては時間がかかりすぎる。貴様のギルドにも強い奴はいるはずだ」
「それじゃ、まだたりないのよ紅蓮。それにこの子達結構筋がいいわよ」
「ふん、いいだろう。旋風が言うのなら、そこの小僧」
ガヴェインが俺を指差す。
「我の剣を受けて立っていられたら認めてやろう」
「ちょ!、紅蓮!、なに言ってるかわかってるの!」
アリアがガヴェインに詰め寄る。
「ふん、立っていられなかったらそれまでということだ。実によくわかっている。それとも。我の剣を受けるのが怖いのか?、小僧」
「やってやるよ!」
「よく言った。小僧!!」
アリアが俺のところに来た。
「ちょっとカイト君。絶対無理に決まってるでしょ!!」
「でしょうね」
「だったらなんで」
「あれだけ。馬鹿にされて。黙っているほど人間できてないんで」
俺はガヴェインの正面に立つ。
「剣を抜け小僧!」
剣を抜く。
「行くぞ小僧、紅蓮剣!!」
ガヴェインの剣が燃え上がる。
「……炎剣」
俺の剣も燃え上がる。だが、ガヴェインより出力が弱い。
「受け止めろよ、小僧」
ガヴェインが紅蓮の剣を振り下ろす。俺はそれを受けた。炎が俺を包む。
「ぐ、ああああああああああああああ!!」
俺は咆哮をあげた。イメージしろ!。このままでは俺は紅蓮に焼かれる。なら、俺の炎で喰らってやる。そう、奴の炎を喰らうイメージだ。
そこで俺の意識はフェードアウトした。
****
紅蓮剣から炎が消える。ガヴェインが剣を鞘に戻す。
「フン、気絶したまま立っておるとはな」
ガヴェインの目の前には全身が焼かれながらも立っていたカイトがいた。カイトは全身から煙を上げている。
「いいだろう。旋風好きにするがいい。その小僧に感謝するんだな」
「そうね、あと彼の名前はカイトよ」
「ふっ、覚えておいてやろう。帰るぞ!」
ガヴェインたち赤鎧の集団は部屋から出て行った。
「カイトか。我の炎を喰らうとはたいした奴だ。おもしろい」
ガヴェインはそう呟き転移した。
****
「カイト!!」
「急いで治癒!を」
「はい、治癒!」
「私も治癒!」
徐々にカイトの傷が治っていった。だが、完全には直りきらなかった。とりあえず村に連れ帰り無事だった家屋を貸してもらいそこにカイトを寝かせ、村長にことの顛末を話した。
「そうでしたか。それではここの家屋は自由にお使いください。あと、これは少ないですが」
ゼルの入った皮袋を村長が渡してきた。
「もらえません。私達はなにもしていないのですから」
アリアが断るが村長は引かなかった。
「なに、これは気持ちです」
「わかりました。それではありがたくいただきます」
アリアが受け取りなおした。
「まさか、あんなことになるなんてね。ごめんねカイト君」
カイトは安らかに眠っている。
カイトスキル 現在
片手剣スキル熟練度34
両手剣スキル熟練度32
短剣スキル熟練度15
武器防御スキル熟練度31
投擲スキル熟練度15
索敵スキル熟練度27
見切りスキル熟練度30
回復補助魔法スキル熟練度16
火魔法スキル熟練度30
体術スキル熟練度20
常時装備発動スキル
筋力スキル熟練度32
俊敏スキル熟練度30
跳躍スキル熟練度20
受身スキル熟練度27
体力スキル熟練度34
魔力スキル熟練度27
耐久スキル熟練度37
アキラスキル 現在
弓スキル熟練度17
短剣スキル熟練度15
投擲スキル熟練度17
武器防御スキル熟練度9
索敵スキル熟練度26
回復補助スキル熟練度25
風魔法スキル熟練度19
雷魔法スキル熟練度25
体術スキル熟練度15
調合スキル熟練度5
常時装備発動スキル
筋力スキル熟練度18
俊敏スキル熟練度30
跳躍スキル熟練度27
受身スキル熟練度18
体力スキル熟練度27
魔力スキル熟練度35
耐久スキル熟練度19
ミリアスキル 現在
火魔法スキル熟練度20
水魔法スキル熟練度18
風魔法スキル熟練度18
雷魔法スキル熟練度27
氷魔法スキル熟練度13
土魔法スキル熟練度11
無魔法スキル熟練度10
幻魔法スキル熟練度9
回復補助魔法スキル熟練度28
召還魔法スキル熟練度8
常時装備発動スキル
筋力スキル熟練度14
俊敏スキル熟練度20
跳躍スキル熟練度12
受身スキル熟練度10
体力スキル熟練度22
魔力スキル熟練度36
耐久スキル熟練度13