とある醜い者の独白
ああほら、私は長い事生きてきたからね。
だから人間を見る目はあるんだ、そういった人間と出会う事を願えばいいというのもあるが。
だからね、私は一目見た瞬間、君に惚れてしまったのかもしれないな。
絶望しながらも、それでも諦めていないその貪欲さを孕んだ瞳を求めていた。
美しかったんだ、君は。
だから私の死を、君に願って欲しかった。
私は元はとても醜い人間だったんだ。
外見も中身も、育ちも何もかもが醜くて、醜い事が当たり前の人生だと開き直って生きていた。
そこで足掻く事も何もせず、惰性で生きていたんだ。
まあ、醜いからこそ私は願いを叶える力に飛び付いたのだけれど。
「これで全ての願いが叶う!」
人間の醜い部分を寄せ集めたような私は自分の欲望を無限に叶えた。
もちろん、外見だって美しくした!
けれどそれでも満たされないのはきっと私の中身が醜いままだったからだろうね。醜い人間が外見だけ美しくしても、寄って来るのは私と同じ、中身が醜い人間ばかり。
だから私は、偽善的だと思いながらも時折人の役に立とうとしたのだけれど。
醜い人間はどう足掻いても醜いままだった。
願いを叶える力を手に入れてから足掻いても、醜い時に足掻こうとしなかった人間には意味が無かった。
けれどさて、君はどうだろう?
一目見た瞬間に美しいと心から思えたのは君が初めてだったのかもしれない。
青白い顔色に折れそうな体が酷く美しく見えた。
人生に絶望しながらも、それでもなお生きようとしているように見えたのかもしれない。
この力を手に入れた君がどう生きていくのか見届ける事が出来ないのが非常に残念だ!
君のこれからの人生に、狂おしい程の幸多からんことを!




