初めての授業
次の日。支度を終えた私達は寮を出る。
「今日からは普通の授業よね!ワクワクするわ!」
アカリがアホ毛をブンブン回して言う。最近ほんとに多いな。
「そうですね。スカルさんは戦うとき何の武器を使うんですか?」
トワが興味津々という感じで聞いてくる。
「普通の剣よ。多分なんでも使えるけど、顕現が剣だから剣しか使ってないわ。」
「そうなんですね。レイカさんは刀でしたっけ?」
「うん。本当はナイフの方が得意なんだけどね。」
「私も刀ですよ。まぁ刀と言っても短刀ですけど…それでも、昨日のユキナさんの戦いは凄かったです!勉強になります!」
トワってこんな風に喋る子なんだね…
「減るものじゃないし、あとで教えてあげるよ。」
「ありがとうございます!」
そんなことを喋っているうちに、学校に着いた。
「おはよう。」
ヒカリがいたので、話しかけてみる。
「おはようユキナ。今日から授業だね。」
「そうだね。そういえばヒカリって何の武器使うの?」
「何て言うんだろうね。槍…が一番近いのかな?」
聞かれてもわからない。こっちが聞いたことだから口には出さないけど。
「そうなんだ。戦うときが楽しみだね。」
「…そうだね。」
そう言うヒカリの少し悲しそうな顔が気になったが、やっぱり聞く空気じゃなかったので聞かないことにした。
教室に入り、少し喋って待っていると、先生が入ってくる。私達はそれぞれの席に座り、先生の話を聞く姿勢になった。
「まずはおはよう。今日も一日元気にやっていこう。今日から授業が始まるが、特に気にすることはない。自分の実力を上げるため、鬼と戦うため、頑張ってほしい。」
その後も今日の予定について少し話し、早速授業が始まった。
「まずは鬼との戦いの基本。憑依した状態での戦い方について説明する。もう知っている人の方が多いかもしれないが、復習として聞いておいてくれ。」
先生が憑依について説明する。もちろん、説明したことあるのでカットだ。
「こんなところだ。試しに色々やってみるといい。」
下級の鬼が全員の前に現れる。多分家のと同じクローンだが、授業にはちょうどいい。
「試すって言っても…」
アカリは憑依もせずに一太刀で鬼を切る。
「この程度じゃ相手にならないわよ?」
アカリがそういうと、先生はフッと笑い、こう言葉を返した。
「だろうな。私も相手になるとは思っていない。私が見たかったのは、そうじゃない奴がどれ位いるかだ。悪いが最初は低レベルに合わせてくれ。」
「まぁいいわ。」
その会話を聞き終えると、私もナイフで鬼を一撃で倒した。
「ユキナ!暇だし戦いましょ!」
「いいよ。」
カット!
「全員倒せたようなので、次は中級と戦ってもらう。多分まだ勝てるだろうが、さっきのようにはいかないと思え。」
また全員の前に鬼が現れる。
「前のよりは弱いかな…」
『憑依』
黒い光が走り、私の手に刀が握られる。そういえば昨日結界使えば勝てたくない…?
そんなことを考えていると目の前に鬼が迫ってくる。
「えーと、結界は最小…ピンポイントで防御…」
鬼の攻撃箇所を予測し、試しに置いてみる。すると、鬼の攻撃を結界が弾き、鬼に隙ができた。
「隙あり!」
私は刀で鬼をぶっ叩く。ドカッという音が鳴り、鬼が二つに割れる。刀の音じゃないな…
数分ほど待つと、先生が倒せた人とそれ以外で分ける。
「倒せた奴は…10人か。お前等にはある任務をこなしてもらう。まぁ気楽にいけ。そんな大変な仕事じゃない。」
先生がそう言っていると、誰かが来た。
「後はお願いします。」
「了解。」
「お兄ちゃん⁉」「兄貴⁉」
まさかのお兄ちゃん登場。初めての授業…めんどくさそう…
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