ベルゼの欠点
~2か月前~
ユキナとアカリがマナーを覚え始め、動きが変わってきたころ。ユキナはベルゼと話をしていた。
「ベルゼって出てきたり出てこなかったりするけど何でなの?」
「えーとね、私って最強じゃん?だから大昔にぬらりひょんが私に制約をかけたの。」
サラッと歴史の超重要人物(霊だけど)が出てこなかった⁉
「ぬらりひょん⁉」
「そうそう。あいつも強かったよ。私ほどじゃないけど。」
「…ぬらりひょん⁉」
ベルゼが少しむすっとする。
「驚きすぎ。…まぁいいや。それでぬらりひょんが私にかけた制約ってのが超ロングスイーパーと能力の使用制限なんだよね。それ含めて勝ったけど。」
「超ロングスイーパーって睡眠時間がたくさん必要な人のことでしょ。能力の使用制限ってのは?」
ベルゼは部屋の隅にあるホワイトボードを取ってくる。
「私の能力が三つあるのは知ってるでしょ?元々はあれ全部「暴食」で、「使用者が指定した範囲にあるものを喰らい、使用者を強化、回復する」能力だったんだよね。」
「マジで化け物じゃん。」
「ちなみに超ロングスイーパーは一日22時間寝ないと能力と運動能力と思考能力が弱体化するって制約だから一日2時間しか起きれないよ。」
「それでぬらりひょんに勝ったの?」
「流石に2時間以内に決着付けたけどね。」
二時間でぬらりひょんに勝ったのかよ…
「つまり、私の力をあてにできる時間は少ないから気を付けてねって話!」
~現在~
「ただいまー。」
買い出しを終わらせ、寮に帰るとアカリとクロがけんかをしていた。
「毎回毎回うるさいわね!私には私のやり方があるの!一々口を挟まないでくれる!」
「お前が毎回変なやり方するからだろ!なんで下から掃除するんだよ!上からだろ!」
どうやら掃除のやり方でもめているらしい。
「あ、レイカさん。おかえりなさい。さっきから少し二人が揉めてまして、どうすればいいですか?」
トワがおどおどしながら言ってくる。そんなおろおろすることでもないと思うんだけど…
「取りあえず殴り合いに発展する前に二人を離そうか。私はアカリ連れてくから、トワはクロを。」
「はい!」
私は今にも殴りかかろうとしているアカリを捕まえて一度部屋の外まで運ぶ。
「一回落ち着こう、ね?」
「兄さんも、一回落ち着いてください。」
部屋の外まで連れて行くと、アカリはアホ毛を垂らして大人しくなった。
「で、何で喧嘩になったの?」
掃除のことなのは知っているが、それだけじゃどっちが悪いか分からない。
「クロが悪いの!私が掃除機掛けようとしたら、急に怒って上からどうだのなんだの言ってきたの!意味わかんなくない!」
思い出したら苛立ってきたらしく、また怒っていた。…ちょっとかわいい。
「そうだねー♪」
「でしょ!絶対クロが悪い!…ところでアンタ、何でそんな笑顔なの?」
「そんなことないよー♪」
「絶対なんかあるでしょ⁉」
少し経つと、トワがこっちに来て私にクロの言い分を言う。
「兄さんは拘りがすごい人で、特に掃除はちゃんと綺麗にしないと気が済まないそうです。」
なるほど…イメージと全然違うけど綺麗好きなんだ…
「アカリは普通に掃除しようとしたら文句言われて怒ってるだけって感じかな。…どうする?正直どっちも謝らないと思うんだけど…」
「そうですね。こうなると謝らせるのは至難の業です。なので一旦放っておきましょう。そろそろ晩御飯ですし、準備しないといけません。」
「それもそうだね。」
私はご飯を作り始めた。
「いただきまーす!」
途中でトワに手伝ってもらったが、何とか作れた。
「美味しいわね!流石ユキナ!」
そんなこんなで私たちは、結構問題を抱えながらも一日を乗り越えたのだった…
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