FA寮の仲間?たち
「げっ…」
「いきなりげっって失礼ねアンタ。」
「いいだろ別に。それで何でここに…って同じ寮なのか。」
クロは私たちが持っているカギを見ていう。
「そういうこと。そんなわけだから中に入れてもらっていいかしら?」
「入れるしかないだろ。俺に決定権ないし。」
あれ?思ったよりも物腰柔らかい?
そんなことを考えながら私達は部屋に入った。
中に入るとすぐに共有スペースがあり、奥にキッチン、ダイニング、風呂、トイレ、洗面所あった。二階に上がると部屋が6つあって、その内4つは個人部屋。他は倉庫だ。
「結構広いのね。田舎貴族の寮なんてもっと適当だと思ったのに。」
「…お姉ちゃんだな。あの人学校最強とか言われてたらしいし、なんかごり押したんでしょ。」
「確かに。それもあり得るわね。」
「一応一通り掃除しておいた。あんまり散らかすなよ。」
クロが掃除してくれていたらしい。確かに綺麗だった。
「さっきは悪かったな。学校側の評価が正しかった。」
「別にいいよ。気にしてないし。」
そんなこんなでこの4人の共同生活が始まったのだった。
「家事分担どうする?私は一通りできるけど。」
アカリがそう聞いてくる。
「俺も一通りできるぞ。」
「私もできますね。」
「私も」
「みんなできるわね。じゃあ適当に決めちゃうわよ。」
家事分担を決めた私たちは早速取り掛かった。
「今週は私が料理か。なんかリクエストある?」
「肉で。」
クロがそういった。
「了解。」
私は寮を出ると、ヒカリに教えてもらったスーパーへ向かった。
向かう道中、ちょっと公園に寄り道をしていると、悲鳴が聞こえてくる。
「なんだろ…?」
その方向に向かってみると、鬼が子供たちを襲っていた。
「やば…憑依!」
私は全速力で子供たちの前に立ち、攻撃を刀で防いだ。
「大丈夫⁉」
傷はないが、怯えて動けなくなっている。守りながらはきついんだけど…
そんなことを考えている暇もなく、また次の攻撃が来る。刀を使って防いでいるが普通にじり貧だ。
『おはよう。都合よく起きてきた私を使う?』
ベルゼ!
「おはよう。正直きついから頼んでいい?」
『任せて!』
「召還」
黒い光が私の周りを走り、ベルゼが顕現する。
「中級…の中でも強い方か。これじゃあユキナには荷が重いね。寝起きだけど最強の力を見せてあげる!」
ベルゼは刀を顕現させ、鞘から抜く。
「レッスンワン!結界は最小。ピンポイントで防いで反撃!」
そういうとベルゼは鬼の攻撃をすべて結界で防いで見せる。
「ピンポイントで防げばこんな感じでダメージ0にできるから、やってみてね。」
経験値が違うのよ経験値が。
「レッスンツー!一気に踏み込んで攻撃!」
ドンっという音と共に動いたベルゼは刀で鬼を切り伏せた。
「こんなもん。どう?できそう?」
「なんとなく?」
「それで十分。天才なら問題ないよ。」
「了解。」
そういうと、ベルゼは私の中に戻っていく。
「お姉ちゃん大丈夫?」
子供たちがこっちに来て言う。
「大丈夫だよ。君たち怪我は無い?病院に連れてくよ。」
「大丈夫!助けてくれてありがとう!」
子供たちにも怪我は無かったようでよかった。私は子供たちを親の元に返してから、買い出しを行った。
にしても…今回はたまたまベルゼが起きたからよかったけど普段は頼れないんだよな…もっと強くならないと…
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