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レインゴースト学校

 お姉ちゃんとの特訓を終えた私達は、お父さん達に呼び出されていた。部屋に入ると、私のお父さんであるセツハル、お姉ちゃんとお兄ちゃんのナツメとアキラ。アカリのお母さんとお父さんがいた。


 「特訓の後すぐで悪いが、やってもらわなければならないことがある。」


 お父さんがハードボイルドを醸し出して言う。


 『?』


 「本当は昨日伝える予定だったんだが、お前達は貴族としてのマナーが足りない部分がある。」


 「まぁ、そうだね。」


 「そこでだ!二人には貴族のマナーを覚えてもらう!」


 お兄ちゃんが大量の本を持ってそう言ってきた。


 「マナーね…」


 「大丈夫。私ができたんだお前たちにもできる。」


 お姉ちゃんが堂々と言う。


 「お姉ちゃん今もマナー悪くない?」


 お兄ちゃんもたくさんの本を持ってきて言う。


 「気にするな!他人の前だけやるんだ!」


 「ところでさ、その本何?」


 「これか?お前等に四月までに覚えてもらう事すべてだぞ?」


 大体十冊くらいの分厚い本…


 『いやだぁぁあぁああああ!』


 

 ~四月~


 「着いたわね!レインゴースト学校!」


 「そだね。」


 レインゴースト学校。主に鬼と戦うための学校で、卒業すると退治人バスターズの資格を得られる。


 「遅れる前に早く行くわよ!」


 「えぇー。逃げるもんじゃないし、ゆっくりしてこうよー。」


 「またそれ!そう言って毎回毎回遅れてるじゃない!」


 そういわれると何も言い返せない。


 「早く行きましょ!」


 私たちは校門をくぐった。


 

 入学式を終えると、担任の先生が教室へ案内する。


 「私が君たちの担任となった。ミズキ・サクナだ。よろしく。」


 赤いウェーブのかかった髪が印象的な人だ。雰囲気がお姉ちゃんに似ている。


 「今から自己紹介をしてもらう。始めにやりたい者はいるか?」


 だれかやらないかな…と思い、周りを見ると半数ほどが手を挙げていた。そんなやりたいものなの?自己紹介って…


 「思ったよりやりたい人が多かったから学籍番号順にする。0061番から始めてくれ。」


 「はい。」


 青髪のイケメンが立ち上がり、周りを見渡しながら自己紹介を始める。


 「僕の名前はアオイ・ソラと言います。憑依霊はミストルティン。よろしくね。」


 その後も0062番、0063番と自己紹介が続いていき、私の番が来る。


 「えーと、ユキナ・レイカです…憑依霊は…黙秘で…よろしくお願いします。」


 全然言葉出てこなかったんだけど…


 「次、0081番。」


 アカリの番だ。


 「私はアカリ・スカル!憑依霊はスサノオよ!よろしく!」


 すごく堂々としてアカリが言う。やっぱりこういうのはアカリの方が得意なんだよな…

 そんなこんなで自己紹介が終わり、学校の説明が始まる。お姉ちゃんに学校については叩き込まれたので、聞いたことあることばかりだった。

 説明が終わり、クラスメイトと交流する時間が設けられると、私は隣の席にいるアカリと話す。


 「全然練習どうりにいかなかったわね。アンタ。」


 アカリはアホ毛を揺らしまっくって笑う。


 「そういうもんだよ。自己紹介できただけ良いと思わないと。」


 内心すごく悔しかったが、終わったことなので気にしないことにした。


 「にしても本当に聞いたことある名前ばかりね。なんでこんな貴族ばかり才能が与えられるのかしら。」


 アホ毛を?マークにしていう。


 「貴族に才能があるんじゃなくて、才能を発揮できるのが貴族の環境なだけだよ。才能は平等に与えられる。」


 「そんなもんかねー」


 「そんなもんだよ。」


 そんな会話をしていると、前の席から声が掛けられる。


「ねぇねぇ君等田舎の人?」


 金髪ポニーテールの女子がこっちを見ていた。


 「そうだけど。」


 「色々わかんないこと多いでしょ。放課後この辺案内してあげる。」


 悪意は…無さそう。


 「お願いします。」


 「任せて!」


 「交流の時間は終わりだ.」


 先生はそう言うと、黒板に何かの紙を張り出す。


 「これはこのクラスの生徒を入学前に受けてもらった試験をもとに実力順に並べたものだ。」


 1位, アカリ・スカル


 2位, ユキナ・レイカ


 3位, ゴウ・ロクオウジ


 4位, アオイ・ソラ


 5位, クロ・フリート


 

 「これが今のこのクラスの実力順だ。質問がある奴はいるか?」


 すると、黒髪の王子様系イケメンが手を挙げて立ち上がる。


 「なぜ俺がこの順位なんですか?俺がそこの田舎者二人より劣っていると?」


 「そういうことになるな。まぁ気に食わないならこれから実力を見せつければいい。」


 先生は大人の対応をしてその場を乗り切ろうとするが、黒髪はまだ食い下がる。


 「納得いきません。俺は田舎者に負けてません。」


 「子供みたいなことを言うな…まぁいい。じゃあ今から勝負すればいいだけだからな。」


 そういうと、先生は教卓の横のスイッチをいじる。すると、教室が光に包まれて形が変わる。机は壁の方に積み重なり、椅子は適当に置かれている。


 「ユキナ、クロ。お前たちで勝負しろ。」


 そんなこんなで勝負をすることになった。


 「試合開始!」


 『憑依』


 黒髪の武器は…鎌か。なら!

 私は一気に踏み込み、黒髪との距離を詰める。ナイフを取り出し、超至近距離で攻撃を行う。


 「近い…」


 相手は鎌。でかい武器だから近づかれると使えない。つまり…


 「おらっ!」


 蹴りが来る可能性が高い。私は最小の動きで躱し、黒髪を押し倒しながら首にナイフを突きつける。


 「私の勝ち…でいいよね?」


 「・・・」


 「勝負あり!ユキナの勝ち!」


 先生が判断を下し、私の勝ちになる。


 「他に意見がある奴はいるか?」


 誰も手を上げず、順位が変わることはなかった。

 勝敗を聞いたときに黒髪の顔が赤かった気がしたが、何だったんだろうか。


 「アンタって…結構罪な女よね。」


 アカリに言われたその言葉が印象的だった。




読んでいただきありがとうございます!下から評価をお願いします!ブックマークもいただけたら嬉しいです!次回もお楽しみに!

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