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ベルゼつよーい

 アカリに包帯を巻いてもらった私は、結界を張り続ける練習をしていた。

 

 「全然できない…」


 展開することは簡単だ。そういうイメージをすればいいだけ。ただ展開し続けるとなると話が変わってくる。なぜか消えてしまうのだ。


 『ランク2にいけばもっと使いやすくなるんだけどね。今はしょうがないよ。』


 ランク2ね…お姉ちゃんができるようになったのは入学後らしいから難しいんだろうな…

 できないことは置いておいて、じゃあ「暴食」をどう使うのかって話なんだよね。正直使える気がしない。

 武器は鈍らってレベルじゃないし、食えないし何に使うの?これ。


 『鬼と戦うときにめっちゃ役に立つから!私の能力すごいから!』


 「そういわれてもなー。ベルゼ自体は強そうだけど…今んとこ弱いよね。」


 『弱くない!めっちゃ強いから!』


 「えー。」


 そんな会話をしているとお姉ちゃんがアカリとの模擬戦を終わらせていた。


 「できるようになったか?」


 「全然。展開は簡単にできるようになったけど維持が全然できない。」


 「使い方が違うんじゃないの?」


 アカリが倒れたまま言う。


 「使い方?」


 「ずっと展開して使うものじゃないんじゃない?ピンポイントで展開すれば理論上は全部防げるでしょ?」


 めっちゃ難しくない?それ。

 理論上可能、技術的には可能、だからと言って出来るわけでもないと思う。

 私は召喚、と命じる。


 「私の能力は弱くない!弱くないのー!!」


 幼い子供のように癇癪起こして暴れるベルゼを宥める。


 「分かった!分かったから!強いならどう使うの?」


 すると、ベルゼは困った顔をした。


 「どう使うっていっても…「暴食」はランク1だと鬼とかにしか対して使わないし…」


 「鬼と戦えればいいんだな?なら準備できるぞ。」


 「準備?」


 「あぁ。この部屋には鬼と戦うシュミレーションができる機能がある。」


 そんなのあったの?という私の疑問はよそに、お姉ちゃんはドアの近くのボタンを操作する。


 「強さは?」


 「一番強いのでお願い。」


 部屋が青白い光に包まれ、「鬼」を模した人形が出てくる。


 「よく見ててね。私の能力最強だから。」


 鬼が黒い弾幕?を飛ばして攻撃してくる。が、ベルゼは出した結界によってそれを防いだ。


 「今みたいに、敵の攻撃が来るところを予測してピンポイントで展開するの。弾幕の数が少なかったらね。」


 次に鬼は私たちを囲むように、隙間なく弾幕を飛ばしてくる。


 「こういうときだけ、全方位に展開すればいいよ。」


 「暴食」による結界がベルゼを中心に全方位展開される。弾幕をすべて防がれた鬼は、今度はベルゼに近づき、直接攻撃しようとする。ベルゼは刀を抜き、鬼の攻撃をよけながら鬼を切った。スパッという音とともに鬼が真っ二つになり、塵々になる。


 「この能力に基本弱点はないよ。守りしかできないように見えるけど、ランク2になれば実は攻めもできる。次は下級の群れでお願い。」


 また青白い光が部屋を包み、さっきのよりは弱そうな鬼が数十体ほど出てくる。


 「ランク2になるとこれも出せるようになるから、頑張ってね。」


 ベルゼの周りに尻尾みたいなものが出てきた。

 ベルゼに大量の鬼が突っ込んでいくが、ベルゼに届くことはなく、数本の尻尾によって食べられていく。


 「この尻尾に触れると下級以下の相手なら無条件で異空間に飛ばすことができる。中級以上を相手にするときも、手数が増えて有利になる。どう?この能力最強でしょ?」


 めっちゃドヤ顔をしているベルゼの後ろから、群れのボスらしき中級の鬼が攻撃した。


 「いったぁぁ!!!何すんの!」


 ベルゼはノールックで中級鬼を切った。すげー。


 「大丈夫?」


 「大丈夫。もう治ったから。」


 見ると、攻撃された箇所に傷は一切なく、回復していた。


 「「超回復」。さっき食べた弾幕のエネルギーを使って回復したんだ。」


 …やっぱり強いな。うん、雰囲気通りだ。


 「この二つが私、ベルゼの主な能力。あと一つあるけど、あれは最終兵器みたいなものだから気にしないで。」


 「オーケー。」


 そういうと、ベルゼは帰った。


 「強いとは思っていたが、ここまでとはな。私でも勝てるかわからん。」


 お姉ちゃんが冷や汗をかいていう。


 「ほんとよね!ユキナがそうなると思うと、わくわくが止まらないわ!」

 

 お姉ちゃんとは対照的にアカリはワクワクした様子でいう。


 「何でそんな嬉しそうなの?」


 「私が強すぎたら張り合いがないでしょ?あんたが強くなってくれたら一人にならないわ!」


 そんなことか…


 「大丈夫だよ。どんだけ強くなっても、私はアカリの傍にいる。」


 顔を赤くした明かりはそっぽを向いてしまった。


 「そ、そうっじゃあ一人にしないでよね!」



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