九尾は口が悪いらしい
始まった天狐戦。私達は作戦通り、時間を稼いでいた。
「ちょこまかと…ざこのくせに、めんどくせーやつだな!」
この狐…口悪!
「口悪!誰に教わったのよそんな言葉!」
アカリも同じことを考えていたようだ。天狐はアカリの言葉に疑問の表情を向ける。
「九尾様が言ってた、だけだ。」
九尾ってそんな口悪いの…?…何でそんな奴が王様最有力候補になれたんだ?
「アンタの主は口が悪いのね。主に向いてないわ。」
「あ?」
アカリの挑発に天狐が乗ってきた。これなら誘導も楽だ。
「ここからなら…体育館経由で校舎を経由して体育館まで行こう。そこなら広いし、天井はもう落ちてる。」
「もう落ちてるのが最悪な状況なのだけど、今回は助かったわね。」
アカリが天狐の相手をしながら言ってくる。そんなに余裕こいて大丈夫なのか…?とも思うが、まぁ私もサポートしているし大丈夫か。
アカリは基本的に一対一の状況が一番強い。連携も上手いのだが、持ち前の才能を活かすなら一対一が一番望ましい。だからアカリが天狐の相手をし、私は結界などのサポートに全力で回る。また、結構な頻度で私が石などを投げて注意を逸らすが、アカリに当たることは無い。私はアカリが次にどう動くのかが読めるし、アカリも私がどこに投げるか読めるのだ。
「少し…ほんきで行く。」
ズドーンと、辺りに思い空気が蔓延る。6本に増えた尻尾が、今にも私達に襲い掛かりそうだ。
「煽りすぎたかしら?」
アカリが少し心配そうな顔でこっちを見る。
「大丈夫。大体予測通りだから。」
「そう。なら大丈夫ね!」
『武装』
私達は同時に武装し、全力で校舎の中に逃げる。
「あいつめっちゃ速くない⁉」
アカリが息を切らしながら言う。後ろではドカンッドカンッと爆発が起こっており、すぐ近くまで天狐が来ていることが分かる。
「速いね。でも何の問題もないよ。」
そう。そろそろ体育館に着くのだ。
「ちゃんと上手くやってるんでしょうね。クロ達。」
「出来てないと困る。というか出来てないと死ぬ。」
出来ていると信じ、私達は体育館の扉をぶち破った。
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