vs天狐
アカリ達と合流した後、クロ達の元に戻り、ひとまず情報を交換することにした。
「まず、出現した10体の上級霊は全部倒したってことでいいんだよね?」
「あぁ。お前が倒した7体とアカリが1体、他の奴らが2体倒している。」
殆ど私じゃねぇか…ま、そんなことはどうでもよくて、全員倒したとなると援軍がない限りこれで大体安全ということになる。先生達がどこにいるのかがよく分からないが、待っていればいずれ来るだろう。問題は…
「問題点は援軍が来たときね。恐らく敵は上級霊10体で私達を全滅させるつもりだったのだろうけど、返り討ちにしたどころかこっちには犠牲者さえいない。となると、もっと強い…それこそランク3相当の敵が来る可能性があるのよ。」
アカリが私が言いたかったことをまとめてくれた。そう、安全なのは「援軍が来ない限り」だ。援軍が来た場合は話が違う。お姉ちゃんぐらい強い奴を持ってこられたら流石に詰む。何であろうとアカリは守るが、それでもできるだけ危険は回避したいのだ。来た時の対処法は考えておきたい。
「来ないに越したことはないけど、来ると仮定して動いた方がいいよね。」
「そうね。正面から戦っても勝てないだろうし、作戦を立てないといけないわ。」
それから、私達はしばらく作戦会議をした。クラスメイト達も貴族だし優秀な人が多く、中々いい作戦が建てられた。
それから一時間程経ち、突如爆発が起こった。援軍が来たのだ。一時間も経つのにこっちに助けが来ないのも変な話なのだが、無いものは無いしまずは様子見といこう。
「私とアカリでひとまず様子を見てくるから、皆は作戦通りに!」
『了解!』
補足だが、作戦会議をしている間になぜか私がリーダーになっていた。普通にクロやアカリの方が向いていると思うのだが、本人たちがいいのならいいだろう。
爆発が起こった場所に着くと、そこには3本の尻尾を持った狐がいた。真っ白な毛色に、赤い線が入った3本の尻尾。めっちゃ可愛い。
さて、オーラから滅茶苦茶強い事が分かるわけだが、なんかな~あんまり気が乗らないんだよな~
「何あれ?めっちゃ可愛くない?」
アカリも同じことを考えていたようで、少し興奮気味に言ってきた。
「だよね。何とかしてこっち側に出来ないかな…?」
ラセツみたいに九尾に不満があったりしないかな?なら多分こっち側に出来るだろうし、何ならラセツ派の人だったら最高なんだけど…?
「我が名は天狐。九尾様のちゅーじつな配下だ。九尾様のめいれいに従い、きさま達をしまつする。」
バリッバリ九尾派の奴だったー!でもなーこう言う可愛い動物(鬼だけど)を倒すのは気が引けるんだよな…
「仲間にするのは難しそうね。取りあえず、作戦通りに時間を稼ぐわよ。」
「おーけー。」
『憑依』
私とアカリは同時に憑依し、天狐を校舎内に誘導する。が、天狐が起こす爆発のせいで思うように動けない。
「ちょっと待って!?これやばいわよね⁉これ校舎崩れちゃうんじゃないの⁉」
「多分大丈夫。そのへんはクロとトワに任せてるから。」
とは言ったものの、正直誘導できる気がしない。天狐の能力であろう爆発は、範囲が広い上、爆風の勢いが強い。意識していないと直ぐに吹っ飛ばされそうだ。
「いつもの連携でいきましょ。とにかくあいつに爆発を使用さえてはいけないわ。」
「おーけー。」
そんなこんなで、vs天狐戦が始まったのだった。
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