到達
私達だけだが、ラセツと協力することになった。白昼堂々と歩かせるわけにもいかないので、アカリが近距離を瞬間移動しつつ、トワの能力で隠しながら寮まで連れて行ってもらった。
残った私とクロは私達は学校を周り、クラスメイトを助けつつ状況を把握した。
「私たちのクラスって29人だったよね?1ペアが大体4人ずつで、任務組は2人ずつ。今27人だから丁度一組足りなくない?」
「そうだな。見た感じいないのはゴウとヒカリか?あいつ等めっちゃ強いだろ。問題ないんじゃないか?」
クロは軽くクラスメイト達を見渡し、そう言う。
「確かにそうだけど…万が一ということもある。私が探してくるよ。」
「おう。気を付けろよ。」
私は取りあえず音のする方へと走っていった。
しばらく走っていると、ヒカリ達を見つける。どうやら上級霊にかなり苦戦していて、身を隠しているようだ。
「大丈夫?」
私はヒカリとゴウに声をかける。
「ユキナ!丁度良かった。」
私が来るなり、ヒカリは笑顔でそういう。丁度良かった…?
「見たと思うんだけど、あの上級霊、凄く技術力が高いの。私もゴウ君もパワーでゴリ押すタイプだから、決定力はあってもそこまで行けないんだよね。」
敵の武器は…鞭か。なら…
「確かに私の得意分野だね。任せて!まずは相手に気付かれないように一撃を入れたいし、ちょっとここから攻撃するね。」
私は「憑依」と念じ、黒い光が走る。
「もうランク2になったの⁉早くない⁉」
ヒカリがとても驚いていたのが印象に残った。
ドンっという音と共に、私は敵に向かって一直線に飛び込んだ。これで決まったら楽だったのだが、そう上手くはいかず、鞭で攻撃を逸らされてしまう。
「次はお主が相手か?」
喋った⁉じゃあこいつはさっきの奴より上位の鬼ってこと⁉よく耐えてたなヒカリとゴウ…
「そういうことになるね。悪いけど、私は強いよ?」
私は刀を抜き、構えをとる。鞭とは戦ったことがないため、いまいち距離感が分からない。
兎にも角にも、まずはやってみないと何も分からない。私は少しづつ距離を詰め、鞭を弾きながら近づいていく。ナイフも使って距離を詰めた。
「なるほど…確かに自分が強いと言うだけの実力はある…が、足らんな。」
ドンっと、「何か」によって攻撃され、私は吹っ飛ぶ。
「体が力に追いついていない。ランク2のようじゃが、それに至ったのはつい最近…何ならちょっと前であろう?得て数時間程度の力に、儂は負けんよ。」
「お前に勝つには十分だよ。」
「な!?」
私は指摘された通り、ランク2の力に追いつけていない。が、なら無理やり追いつかせればいいだけのこと。体は「超回復」で勝手に回復するし、その元になる食べたエネルギーは最近の任務で余るほどある。もちろん、後でしっかり適応させるので、モーマンタイ。
私は一瞬で敵との距離を詰め、反応される前にナイフで鞭を弾く。そのまま刀で敵の体を真っ二つにした。
「ふぅ。終わったよ。」
私はそう言い、ヒカリ達の方を向く。すると、凄い勢いでヒカリが走ってきた。
「凄いね!最初やばいかも?とか思ってたけど、一瞬でビュンッっていってズバッってやってドーンって!」
ドーンってなんだ?とか真面目に考えていると、ゴウがまた興味深そうに私を見てくる。何?って聞くと面倒くさいことになりそうだし、私は戻ることにした。