鬼の襲撃
俺は目の前の白髪の老人に向かってこう言い放つ。
「悪いがお前は危険だ。今ここで排除させてもらう。」
「鬼の子か。忌々しい。ここにいる鬼事滅ぼしてくれるわ。」
憑依。そう唱え、俺は戦闘態勢に入った。
昼ご飯を食べ終えたころ、サクナ先生が慌ただしく教室に入ってきた。
「悪い!緊急任務だ!たった今この学園内に10体の上級霊が出現した!全員鬼と考えて間違えない!全員対応に動け!」
上級霊…っていうとアカリについてる奴か。ベルゼは瞬殺してたけど滅茶苦茶強かったはず。全力で行こう。
私はトワと共に校門の敵を倒すことになった。アカリとやりたかったのに…
「仕方ないですよ。うちのクラスのトップ2なんですし、中々一緒にはできません。」
「それは分かってるけどさー。」
任務以外の時間をほぼ全てアカリと過ごしているから、いないとすっごくソワソワするのだ。
「それにしても私達以外のクラスの人は何してるのでしょうか?私達のクラスだけで上級霊10体を相手させるなんて流石に変ですよね。」
「ここだけじゃないんじゃない?そもそもこの学校は警備の人が常に徘徊していて、侵入はとても困難。それに加えて私達に対応させてるところを見ると軍の戦力もそんな残ってないと考えられる。つまり、現在鬼との戦争が激化中、鬼は各重要施設に鬼を投入。戦力が足りないから、私達で対処しろ。ってことでしょ。」
これは昨日アカリと予想してたことだ。お兄ちゃんの予測技術を学んだ私達にとって、この程度の予測はお手の物。ここまでとは思ってなかったが、大体あっていた。
「なるほど、そういうことですか。だとすると国はこのことを私達に隠しているということですよね?少しおかしくないですか?」
流石トワ。重要な所に気付いてくれた。
「確かにね。でも全くおかしくない。さっきから予測しか喋ってないけど、多分人間は鬼に押されてるんだと思う。それがバレると少し面倒なことになるのは想像つくでしょ?」
「確かに…なんかせこいですね。」
そんな会話をしているうちに、目的地である校門に着く。
「これは…結構やばいね。」
「はい。今までの奴とは迫力が違います。気張っていきましょう。」
こうして、私達は入学して初めての「危機」と対峙したのであった。
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