まだまだあるよ。ユキナの長所。
学校生活3日目。昨日は犠牲者が出ることもなく、皆で今日を迎えられた。
「今日の授業も昨日と同じだ。任務組は昨日の続き。他も昨日の続きだ。」
つまり昨日の続きってわけだ。クロとトワはやったから今日こそはアカリとやりたいな!
「それじゃあ今日もいつもの場所に向かうぞ。」
最初の対戦相手はゴウ・ロクオウジ。入学時点でクラス内3位。相当強いと思われる。
「顕現」「憑依」
私とゴウはほぼ同時に攻撃を仕掛ける。見た目で判断するがゴウは筋肉ムキムキの大男だ。力勝負が正直苦手な私は守りに徹することにした。
「君に私の攻撃が防げるかな?」
どごっ、と。凄まじい打撃音が鳴る。私は刀ごと吹っ飛ばされたが、何とか着地した。
「フィジカルモンスターじゃん。」
「誉め言葉として受け取っておくよ。」
さぁて。結構やばいねこれ。相当強いよこいつ。速くて重い攻撃。私の弱点の一つとしてフィジカルが弱いことがあげられるが、こいつはフィジカルが圧倒的長所なのだ。武器は確か…ナックルダスター?だった気がする。無くても強い打撃がもっと強化されていて、正直無理。私が一番苦手なタイプ。
「レディを殴る趣味はないのでね。降参してくれると助かるんだが…」
「するわけないでしょ。」
「だろうね。」
苦手でも負ける理由にはならない。喰い尽くしてやる。
「憑依」
黒い光が走り、王冠とマントが着く。
少しの間、何もしない時間が生まれる。いつ攻める?いつ攻めてくる?
──ドンっ──
私は一瞬でゴウの懐まで潜る。
「私と近接戦とは、中々クレイジーなレディだね。」
ナイフを使い、ゴウの攻撃を受け流しながら相手の動きを見続ける。敢えて私が反撃しずらいところを狙わせる。ゴウが優勢になっていく。私の攻撃回数より、ゴウの攻撃回数が増えていく。
「でも残念。劣勢は私の庭だよ?」
ゴウの拳は結界によって防がれていて、隙だらけになっていた。私はそこをすかさず刀で攻撃し、一撃で倒した。
「なぜ…分かったんだい?」
「言ったでしょ。劣勢は私の庭だって。私の長所はナイフ技術と強力な能力だけど他にもあるの。」
「教える気はないわけだね。」
「そういうこと。」
倒れていたゴウはゆっくり起き上がる。
「まさか一撃で負けるとは思わなかったよ。」
そうゴウが聞いてくる。なんか興味津々って感じになっていた。
「フィジカルが弱い=力が弱いじゃないよ。」
また質問されるのも面倒なので、私はさっさと次の試合をすることにした。
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