表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/32

上司と爺とベルゼ

 「それで?わざわざあそこにユキナ達を行かせてどうしようとしたんだ?」


 私は目の前の狼の仮面をつけた女にそう問いかける。彼女は私の上司だが、返答によっては殺すのも視野に入れている。


 「そう怒らないでくださいよナツメさん。ユキナ達に上の実力っていうのを見てほしかったんですよ。実際にユキナ達は強くなってますよ?」


 「そんな下らない言い訳を聞きに来たんじゃない。死んだらどうしてたんだって聞いてるんだ。」


 そういうと、彼女は仮面の奥で薄く笑う。


 「それこそくだらない質問ですね。その為にナツメさんを送ったんじゃないですか。ここでユキナ達に死なれては困ります。私のこの実力と権力と財力を持って最大限サポートさせて頂きますよ。」


 確かに私が行っていたが…この女、どう考えても怪しい。僅かに匂う相当強い霊の匂い、圧倒的な権力と財力。そして実力。私と同じかそれ以上これほどまでの実力者がどうしてこんな小さな軍の隊長をやっているんだ?昨日のこともそうだがこの全てを理解しているような采配はなんなんだ?こいつは、何者なんだ?


 「私が誰なのか気になってるって顔してますね。まぁナツメさんならいいか。」


 彼女は仮面を外す。そこにあったのは…


 「え?]



学校に戻ると、もう授業は終わっていて、皆下校していた。


 「ユキナ、私達も帰りましょ!」


 アカリとクロは私たちを待っていたみたいだ。


 「そだね。帰ろう。」


 …ん?そこで、ふと違和感が湧く。視界がぼやけるのだ。落ちている石に気づかずに転んでしまう。


 「大丈夫?ユキナ。」


 「大丈夫。」


 起き上がると、視界は戻っていた。何だったんだろう?と思ったが、考えても分からないので気にしないことにした。



 「なにぃ⁉勇者様が復活なされだと⁉」


 白髪の老人が大声で聞き返す。


 「はい!人間体か霊体かは定かではないですが、勇者様の力が確認されました!」


 それを聞き、老人は狂ったように笑い出した。


 「遂に来たぞこの時が!我ら人間が今度こそ鬼を完全に消滅させてくれるわ!」


 シキ・レイカ。ユキナの先祖にして半人半霊。奴は表向き田舎貴族だが、裏の顔は違う。鬼の完全消滅を計画する組織の長なのだ。


 「マフユが死んだときはどうなるかと思ったが、勇者様が復活なされたのなら話は別だ!鬼を完全に消滅させてくれるわ!」


 一方その勇者は…


 「へぇ。気付くんだ?」


 私は大昔につけた下級霊の使い魔の視界を覗く。勘で怪しいと思ったから付けといたけど正解だね。真っ黒黒助だ。


 「悪いけど鬼は滅ぼさせない。それがあの子との約束だ。」


 マフユってユキナのお母さんだよね。ユキナが幼いころに死んじゃったって聞いたけど何するつもりだったんだ?


 「ま、どんなことを考えていようとこのベルゼ様がユキナ達を護るだけだね。」


 ベルゼ。またの名を勇者ベルゼブブ。かつてぬらりひょんを打ち倒し、人間と鬼の戦争を一度終わらせた英雄。憑依霊となりユキナに憑いた彼女もまた、戦争の中心に巻き込まれることになるのだが、そのことは誰も知らない。


読んでいただきありがとうございます!下から評価をお願いします!ブックマークも頂けたら嬉しいです!次回もお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ