1対100で私の勝ち!
始まった2回目の任務。私はトワと共に挑戦することになった。案内してくれた人の説明だと100体の下級の鬼が湧いているらしい。
「50:50で大丈夫?」
さっきの試合では私も結構喰らわせたし、影響が無いか心配になった。
「大丈夫ですよ。早く行きましょう!」
「別に急いでも逃げないよ。」
私たちはその場所へと向かった。
「ほんとに100体くらいいるね。」
その場所に着くと、大量の鬼が蔓延っていた。
「はい。気張っていきましょう。」
私とトワは、同時にそこへ突っ込んだ。
鬼の攻撃を結界で防ぎながら、刀で叩き切っていく。ドパッ、ドパッと鬼が塵になっていく。
「そっちは大丈夫?」
「問題ないです。荒らし散らかしましょう!」
トワって結構やばい奴だったりするよね…まぁ私も人のこと言えないし、目の前のことに集中しよう。
「すご…」
私は鬼を倒しながら、ユキナさんの動きを見ていた。鬼が次々に真っ二つになっていく。まるで最初からそうだったかのように、切る動作も見せずに一瞬でなぎ倒している。
私はさっきの試合で切られた箇所を触る。大丈夫切れてない。
「まだ全然本気じゃなかったんだ…もし本気だったら私は…」
そんなありもしないifルートを想像する。ゾワゾワが止まらない。
「やば…」
気が付くと、目の前まで鬼の攻撃が来ていた。死んだ。そう持った瞬間、空色の結界に私は守られる。白髪の美少女が、鬼を真っ二つにする。
「大丈夫じゃないじゃん。死ぬよ?」
「ユキナさん…⁉」
ユキナさんはその綺麗な髪をなびかせて笑う。その背中は小さいが大きかった。
「後は私に任せて。」
ドンっという音が鳴り、ユキナさんの姿が消える。鬼が次々に切られてゆく。1分もかからない内に、ユキナさんは鬼を殲滅してしまった。
「終わったし帰ろう?」
「…はい。さっきはありがとうございます。」
「いいよ。トワに何かあったら寮の居心地が悪くなるし、友達は守るからね。アカリの次の次くらいに!」
友達…私に?
「はい!私も守ります!」
一方、アカリとクロは…
「それ私の獲物よ!」
アカリがアホ毛を回して怒る。ユキナによるとこれはちょっと怒っているときらしい。
「早い者勝ちって言葉を知らないのか?」
「うるさい!こうなったら…」
そう言うと、アカリは一瞬で残っていた50体ほどの鬼を倒してしまった。
「はぁぁ⁉俺の分は⁉」
「早い者勝ちって言葉を知らないのかしら?」
「限度ってもんがあるだろうが!」
やっぱりトワとペアが良かった…せめてユキナ。あいつはまだまともだ。…多分。
「まぁいいか。それよりもトワと仲良くしてくれてありがとな。」
そういうと、アカリはアホ毛を?の字にする。
「友達なんだし、当たり前でしょ?」
確かに、普通の人ならそうなるよな。こいつが普通だとは思わないが。
「詳しい事は俺からは言えない。ただ兄として感謝を伝えたかっただけだ。」
「ふーん?変なクロ。」
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