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鬼の子VS天才&天才

 黒髪の美少女が、私の前に立っていた。


 「アカリ⁉どうしてここに⁉」


 「どうしてって、助けに来たからに決まってるじゃない。アンタがいないと、私は死にたくなるほど寂しいのよ。」


 え?デレ期?そう思うほど自然にデレてきたアカリに驚きを禁じ得ないが、助けに来てくれたのは素直にうれしかった。


 「兄貴は助けを呼んでくるそうよ。私たちはそれまで時間稼ぎをすればいい…らしいけど、私達で倒しちゃいましょう。一応初任務だし、白星上げたいでしょ?」


 アカリ…それは死亡フラグというやつだよ…でも…


 「そうだね。私とアカリならできるでしょ。」


 私達は同時に敵に向かって突っ込む。


 

 「厄介だな。」


 俺は純粋にそう思った。正直に言うと白髪だけでも厄介だったが、黒髪が加わったことで更に厄介になった。

 白髪は単純に狂っている。自分の血で目くらましをしたり、わざと攻撃を受けて反撃したり、自分の体を何とも思っていない。更に能力も優秀で、結界の防御力は異常だ。

 黒髪の方は俺と相性が悪すぎる。俺の能力は単なる身体強化でしかない。それに対して奴の能力は何も分からない。気づいたら後ろにいて、当たったと思った攻撃も避けられている。剣の技量も高く、俺と大差ない。

 ランク3というハッタリは効いているようだが、いつまでもつか分からない。本当はランク2だし、もう一つの能力は使いどころが少ない。


 「2対1とか…卑怯だぞ!」


 みっともないかもしれないが、そうとしか言えない。普通に卑怯なのだ。戦士なら正々堂々1対1で戦ってほしい。


 「悪いけど、敵に与える情けはないから!」


 黒髪が元気に答える。そのアホ毛引きちぎったろかワレェ!…おっと、つい関西弁が…あれ?関西弁ってなんだ?


 「しょうがねぇ。」


 「武装」


 「まじですか。」


 黒い光が走り、ラセツの服装が変わる。正しく「鬼」のような服装に変わっていた。


 「これが武装ってやつか。」


 「そうね。気を引き締めていきましょう。」


 「こうなった俺は、ちょっと強えぇぞ?」


 

 「速すぎんでしょ…」


 正直見えない。当たった瞬間に受け流して凌いでいるが、時間の問題だ。まともに喰らえば多分死ぬし、ベルゼが起きるのを待ってる時間はない。てかお兄ちゃんまだですか?


 「どうする?アカリ。」


 「あれが武装…」


 アカリはアホ毛をまたブンブン回して何かを考えていた。


 「やってみましょう!」


 「まじで?」


 「私達ならできるわ!」


 根性論かよ…まぁ、やるだけやってみるか。


 「武装」

 

 「・・・無理だったわね!」


 「やっぱり無理かー」


 ダメでした。私たちはもうお終いです。最後にお姉ちゃんに会いたかった…


 そろそろ走馬灯が流れる時間かなーとか考えていると、上から凄い勢いで何かが飛んできた。


 「待たせたな。私が来た!」


 白髪の美女。つまりお姉ちゃんが来ていた。


 「お姉ちゃん!」「姉貴!」


 「頑張ったなお前等!後は私に任せろ!」


 「顕現」


 ドンっという音と共にお姉ちゃんの姿が消える。それとほぼ同時にラセツが吹っ飛ぶ。


 「ぐっ…」


 「天才の姉、超天才の力を見せてやろう!」


 「くそっ」


 ラセツは恐らく全力の攻撃を放つが、お姉ちゃんの槍で易々と受け止められる。


 「必殺!ローリング…」


 そういうとお姉ちゃんはぐるぐる回る。


 「パーんち!」


 パンチなんかい…


 「覚えてろよー!!!」


 そんなこんなで、私達の初任務は終わった。なんやかんや楽しかった…かは疑問だが、少なくとも目標は見えた。ランク2「武装」。これを修得し、あいつにリベンジする。


 一人犠牲者が出たが、正直知らない人だし私には関係のないことだ。私はアカリが生きていればそれでいい。次にお姉ちゃんたち家族。そしてトワたち友人。それ以外はどうでもいいのだ。


 「にしてもユキナ、なんでわざわざ囮を引き受けたの?いつもなら知らない人に任せるでしょ?」


 帰り道、アカリがそんなことを聞いてくる。


 「洞窟から出たとき、ラセツが襲ってきたでしょ?その時に狙ってたのがアカリだったの。だから殺そうと思っただけ。今回は無理だったけど、次は殺すよ。」


 そういうと、アカリは何とも言えなそうな顔をする。


 「アンタって結構怖いわよね。私のこと好きすぎない?」


 「それはアカリもでしょ。「アンタがいないと、私は死にたくなるほど寂しいのよ。」って言ってたのとこの誰だっけ?」


 「うるさいうるさい!きこえませーん!」


 アカリは耳をふさいでそう言う。が、アホ毛の揺れ方で恥ずかしがってることが分かる。


 「お前等は本当に仲がいいな。」


 お姉ちゃんが後ろからそう言ってくる。


 「いつからいたの⁉」


 「最初からだぞ?一緒に帰ってるんだから当たり前だろ。」


 それもそうか。何はともあれ、無事に生きて帰れてよかったと、そう思った。


 一か月後、私達は国を巻き込んだ戦いの中心に入ることになる。それをまだ、私たちは知らな

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