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やばい奴

 「お兄ちゃん⁉」「兄貴⁉」


 なぜかお兄ちゃんが来ていた。


 「よう!お前等!色々言いたいこともあるだろうが、今から仕事だ。話はあとでしよう。」


 お兄ちゃんって仕事に私情を挟まない人なんだ…

 私たちはお兄ちゃんに連れられてある洞窟まで来た。


 「最近あそこから鬼が出てきてるから対処してほしいって依頼が入ってな。丁度いいしお前等を巻き込んでやろうと思ったわけだ。」


 バリバリ私情挟んでた…


 「数は大体100ってとこ。一人十体でいけるだろ。俺はサポートする。」


 「働け。」


 「すみません…」


 私達は洞窟の中に入っていく。そこで私は、私たちは見た。私と同じくらいの年の子が鬼と暮らしているところを。


 「なんだおめぇら。」


 その子がこっちを見てそういう。


 「誰でもいいか。死ね。」


 『顕現』『憑依』


 最初に動いたのはお兄ちゃんだった。即座に防御態勢に入り、私とアカリの前に立った。次に動いたのはアカリ。クロやトワを出口の方に吹っ飛ばし、戦闘態勢に入る。


 私は結界を張り、周りが逃げる時間を稼ぐ。


 ──その間、約3秒。その男は知っていた。逃げてる奴が、一番殺しやすいと。──


 「ぐへっぇ…」


 クラスメイトの一人が倒れる。名前も覚えてない人だ。


 「へ?」


 その人は死んでいた。見ればわかる。助かる出血量じゃない。


 「まずは一人…次は誰だ?」


 ヤバイ…


 「お前ら全力で防げ!」


 お兄ちゃんが指示する。


 「了解!」


 私は逃げながら結界を全面に出し、死ぬ気で維持する。


 「手伝います!」


 トワが私の肩に手をのせる。すると、結界がものすごく維持しやすくなった。


 「ありがとう。」


 「いえ、今は死ぬ気で結界を張り続けましょう。」


 「うん。」


 あの男の攻撃もやばいが、鬼の攻撃がきつい。100体以上の鬼の攻撃の衝撃で洞窟が崩れかけている。


 「お兄ちゃん!急いで脱出しないと…」


 「分かってる!みんな右に曲がれ!」


 言われたとおりに右に曲がると、後ろで何かが崩れる音がする。右の道以外が崩れたのだ。


 「追ってきてはないね…」


 「次は左だ!」


 お兄ちゃんは頭がいい。地形を把握してどこから崩れるのかを計算しているのだ。


 「そこの壁が一番薄い!全員でぶっ壊せ!」


 『了解。』


 私たちは壁を壊し、外に脱出した。


 ──「いらっしゃい」──


 右…敵がいる…狙いは…アカリ?なら…殺さないと。


 どごっっと凄まじい打撃音が鳴る。私の蹴りが、敵に当たったのだ。


 「ぐっ」


 「憑依」


 私は刀を顕現させ、敵の懐に入る。刀を振るが、敵は体を捻って回避する。


 「君…誰?」


 「俺か?俺はラセツ。ぬらりひょんを継ぐ者だ。」


 ぬらりひょんを継ぐ者?なんだそりゃ?そう思ったが、思考をする暇はなく、一瞬で戦闘に入る。


 

 やばいやばいやばい。今までで一番やばい。お姉ちゃんにも勝算はあると思った。でもこいつは…勝てる気がしない。運動能力、思考能力、技量、全てにおいて、私は負けている。しかもめっちゃ速い。みんなは多分逃げれた。さて、こっからどうしよう…


 「弱いな。」


 「どうかな?もしかしたら奥の手があるかもよ?」


 もちろんハッタリだ。ベルゼは奥の手じゃない。奥の手なんてないし、正直負けると思っている。


 「そんなわけねぇだろ。あるなら最初から使ってる。しかも、ランク1だろ?ならそもそも俺に勝てるわけねぇ。」


 「君はランク2なの?」


 「違う。ランク3だ。」


 まじっすか…。流石に憑依はしてると思うけど武器が出てない。どういうこと…?てかランク3だと詰みだしハッタリだと信じよう。


 「武器がないのが気になってるのか?安心しろ。手を抜いてるわけじゃない。元々そうだっただけだ。」


 元々?フィジカルギフテッド的なやつか…


 そんなことを考えていると、無数の弾幕が目の前に迫ってくる。私は反射的に結界を張り、それを防ぐ。シキはそれに乗じて突っ込んでくるが、ナイフでどうにか防ぐ。


 「ナイフだけは一丁前だな。それ以外は二流だが。」


 「よくしゃべるね。ハッタリがバレたくないのかな?」


 「いうじゃねぇか。」


 私たちはまた衝突する。ナイフで隙を作り、刀で切るが、傷にならない。マジで何なのこの刀…

 

 次の瞬間、ラセツは全力で拳を放つ。


 「あ。」


 敵の拳が、目の前にあった。死んだ。直感で分かる。避けれない。防げない。私はその瞬間、生きることを諦めた。


 

 しかし、他者は、ユキナの命を諦めてはいなかった。



 どごっと、打撃音が鳴り響く。しかし、私に衝撃はなかった。


 「セーフ!ナイスタイミングだね!」


 「アカリ⁉」


 黒髪の美少女が、私の前に立っていた。



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