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鷲と黄旗  作者: 登山家ヒムラーとゆかいな親衛隊の仲間たち
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#6 驚天動地

ゲオルゲは瑞穂と登校している。

学校までは30分ほどあるので、かなりの時間話すことができる。

学校に着くと、授業を始める。もちろん、瑞穂と話しながらである。

ガチャ!急にドアが開く。黒服が三人。国防軍だ。

「ゲオルゲ氏に少し用がある。今すぐにドイツ大使館に来ていただきたい。ゲーリング様の命令です。」

なんだ!?突然のことに声が出ない。

「は、はい・・・」ゲオルゲはなんとか声を出す。

「それでは、車が用意してあるので来ていただきたい。」国防軍たちは静かに、そして冷酷に言う。

「だ、大丈夫なの・・・?」瑞穂が話しかける。

「うん、今日中には帰ってくる、と信じててくれ。」ゲオルゲは返事する。

車に乗ってドイツ大使館まで移動する。

車の中でゲオルゲは国防軍に聞く。「一体、何の用なんだ?」

「伝えられているのでよくはわかりませんが、きっと、日本のことについてでしょう。または、総統閣下のことなど・・・」

国防軍にも伝えられていない。きっとかなりの機密事項だろう。

やがて大使館につき、中に入りエレベーターを上がり、国防軍についていくと一つの部屋にたどり着いた。

ドアを開けると、一人の男がいる。

ゲーリングだ。

「やぁ、ゲオルゲ君。少し話がある。座りたまえ。あ、君たちは部屋から出てもらいたい。」

国防軍は部屋から出ていく。

「ゲオルゲ君と会うのは久しぶりだ。何年前だったかね。」

「財政の仕事で、たしか1年前でしたっけ。」

「1年前か。ずいぶん変わったな。まぁ、そんなことは置いておいて、本国での権力闘争についてだ。最近、アドルフ・ヒトラー総統閣下がお死になされたのは知っているだろう。」

「はい、日本のテレビで見ました。」

「実は、もう内戦の一歩手前まで来ておる。各派閥は武装の準備を進め、自らの内戦時の支配地域を確立しようとしおる。そこでだ。」

なんだと!?本国がそこまで荒れているとは知らなんだ。

「もし、私が死んだら、君は自由に日本で生きたまえ。」

「そんな!そんな不吉なこと言わないでください」

「いいのだ・・・私も年だ。ここで死んでも文句は言えん。ただ、私に勝利の女神が振り向いたのなら・・・君の願いをなんでもかなえてやろう。」

「いいのですか?」

「ああ、君はドイツの経済を支えているといっても過言ではない。この数年間、ボロボロな経済をずっと陰で支えてきたのは、君だ。だから、君をここまで信用できるんだ。」

「じゃあ、一つ願いがあります。」

「なんだ?」

「全世界を渡り歩きたいです。そのための資金が欲しいんです。」

「いいのか?そんな願いで。」

「はい。一度見たかったんです。世界の美しさを。太陽が映る海を。天険の山を。世界の底まである洞窟を。いちど、広い目で見たいのです。」

「いいだろう。ただ、いつでもドイツは、私は君を歓迎する。もし帰りたいときになったら帰ってきたまえ。私の家でパーティーでも開いてやろう。」

「感謝します。次代総統。」

「はは、そう呼ばれる未来になるとよいがな・・・」

ドアを開ける。

「もう終わりになられたのですか?車でお送りいたしますね?この時間ですし、学校は今頃昼食でしょう。弁当を用意いたしました。」

「ありがとう。」

車はやがて学校につき、ゲオルゲはクラスに戻ってくる。

「ゲオルゲ君か!おかえりなさい。」先生はそういう。

ゲオルゲは席に座ると瑞穂に話しかけられた。

「何の用だったの?」

「残念だが、これについては瑞穂にも言えないかな・・・」

「そう・・・」

家に帰って、私は考えた。ドイツの内戦。それは世界秩序を滅茶苦茶にするだろう。

世界中が動き出し、ソ連、植民地、日本、ローマ。そしてアメリカ。すべてが再び起動する。

3日後。

それは少しゆっくりとこちらにやってきた。

ドイツ内戦である。

「臨時ニュースです!、ドイツにおいてシュペーア、ボルマン、ハイドリヒ、ゲーリングらを支持する派閥が立ち上がり、ドイツにおいて大規模な内戦が開始しました!始まったのです!ドイツ内戦が始まりました!また、ゲーリング氏は日本に来日したままであり・・・」

ついに始まった。旧世界の終わり。新世界の始まりである。

天を揺るがし、地は暴れる。

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