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鷲と黄旗  作者: 登山家ヒムラーとゆかいな親衛隊の仲間たち
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#2 日出国

ゲオルゲはいつものように仕事に出勤する。いつもの満員電車と、いつもの見慣れたゲルマニアの光景。中央の道路には大量の車と人々がいる。モノレールから見れば、どれもアリのような大きさだ。仕事場所に着くと、上司たちに挨拶をして仕事に手を付ける。

仕事途中、上司のゾルヤに呼ばれた。「ゲオルゲ、少し用がある。来てほしいんだ。」

「わかりました。ちょうど手も空いてることですし、少し経ったら行きますね。」

少し経ち準備も終わると上司のところへ行った。なんかやらかしたか?緊張が彼を襲う。

「何の用でしょうか」

「急に言うのも何だが・・・君は来週から日本へ派遣されることになったんだ。」

「なんだって!」おもわず大声をあげてしまった。

「驚くのも無理はない。なにせ、急な用事だからね。」

「なぜですか?」

「上からの命令でね。日本がどんな国かってのを見てきてほしいんだ。財政の状況とか、民族性とか、変わった政策とかをね。もちろん、東京にある一戸建ての家も用意されてるし、給料だって国から大量の補助金を受け取れる。それに君がいけなかった大学にだって!日本には最大3年はいられる。その間は、どこにでも行き放題、だれとでも話し放題だ。もちろんユダヤ人ともだ。ただ、メモは忘れてはいけない。どうだ、やるかね?」

やけに都合のいい話だ。何故?なぜ私にそんな重大な任務を課すんだ?

「なんで私なんですか?ほかにも、人はたくさんいるでしょう。」

「君は正直に言おう。政府たち国の要人から信頼されてるんだ。誰から命令かというと、聞いて驚くな。あの"ヘルマン・ゲーリング"様からの直々の推薦なんだ。相当な信頼を君は受けているらしいね。」

「ゲーリング」。1度だけ彼と話したことがある。確か財政の仕事で彼の家へ向かった時だ。豪華な家だと感じた。まるで、中世の貴族の家みたいな。家の中はシャンデリアやピカピカ光る柱、赤いカーペット、鎧、勲章など。まさに貴族の家のイメージに限りなく近い。

「すごいですね...」ゲオルゲはゲーリングにそういう。

「これも戦後、いろいろなところからかき集めてきたものだ。これはフランスのルイ14世の使ってたコップだし、これは、あの聖遺物の聖槍、ロンギヌスの槍だ。総統閣下に見つかったときは危うく怒られると思ったが、何とか言いくるめて閣下にとっても邪魔だったキリスト関連の聖遺物などをもらったのだ。」

「おおお...」ここまでいろいろなものがそろってると恐ろしいほどだ。彼の家はまるで博物館みたいだった。

「私はこの世で一番ともいえるほどの栄華を極めている、と思っておる。宝石もあれば城もあり、酒、たばこ、ワイン、薬、その最高級のものをすべて持っておる。自分の名前を冠した街もあれば群もあり、閣下をもしのぐほどの栄華を極めた、とも思っておる。これ以上私が求めるものはこの世にはない、と思うだろう。」

「はい。」

「あるんだ!それが宇宙だ!私の次の目標は月だ。月を手に入れたら火星、火星の次は木星だ。私の夢は...そう、銀河系を支配することだ。子供らしい夢だと思うだろう?だが、すべては私が生きている間までに可能なのだ!我々ナチスの科学力があれば!すべては閣下と我らの力により切り開かれるのだ。」

そんな演説をしていたのを思い出した。

恐ろしい男である。野望にきりがない男。子供らしいといえば子供らしいが、その野望の中には明らかな真剣さと、冷酷さが包まれている。

「ゲーリング様とは、一度お話しをしたことがあります」

「どんな人だったか?」

「とてつもない野心を秘めた方でありました。」

「ゲーリング様のイメージとはそこまで変わらないようだな。」

「話を戻そう。とりあえず、これは受託できるか?」

「できます。」

「よし!そうと決まれば早速準備だ!家に帰って支度をするとよい。」

「ありがとうございます。」

ゲオルゲはそのまま電車に揺られて帰った。久しぶりのがら空き電車だ。

一週間後の早朝、ゲオルゲはゲルマニアを出発した。

新たなる大地への期待と、緊張を心に含み出発した。

ふと窓から外を見下ろすと、フォルクスハレが太陽光を受けて今日も輝いていた。


大東亜連邦帝国は、アジアを支配する三国の片割れだ。中国民国は彼らの元発展し、今や超巨大な工業国に中華民国は進化していた。しかし、表面上は独立を宣言していた東亜各国は、裏では日本の操り人形、"傀儡"に過ぎなかった。

中華民国の会社の大部分は三菱や住友、三井、安田などの四大財閥の子会社ばかりである。そのせいで中華民国政府は財閥の影響力がとても増しており、一時期は総理大臣に財閥のお偉方が座っていたこともある。中華民国は実質的な"企業国家"に等しかった。

そんな風に中国はどんどん日本の操り人形と化していったので、当然国内での反発も起きた。1950年には大規模な独立運動、興漢大反乱がおき、政府は反乱の鎮圧に追われた。鎮圧を終えた後、政府はアジア諸地域の統治政策を少し強めた。

そんな、トラブルの多い国である。強さでいえば、ドイツよりかは劣る。


樋口瑞穂は日本人の18歳の女子大生である。亜細亜中央大学に通う瑞穂はいわば"少し暗めな人"である。

キーンコーンカーンコーン。チャイムが鳴る。みんな一斉に席に座る。

「よし、今日も一日頑張ろう。気をつけ、礼。」

お願いします。一同がそういう。

「それじゃ、まずは日本国旗に向かって誓いの言葉を。」

「我ら日本国民は、天皇に忠誠を誓い、日本のために闘います!」

「よろしい。座りなさい。」

ザッ。みんなが一斉に座る。

「それでは、皆さんにある重大な発表がある。」

ざわざわ・・・教室がざわめく

「転校生が来た。ドイツ人だ。」

「おおー!」クラスの一同がもっとざわめく

「入りたまえ」

がらっ。ドイツ人の青年が入ってくる。

「私の名前はパウル・フォン・ゲオルゲだ。これからよろしく頼む。気軽にパウル君とでも、ゲオルゲ君とでも話しかけてくれ。」

「席は・・・樋口の隣が空いてるな。」

「ええ~~~っ!?私!?」

「へ!?私の隣!?」

「そうらしいね。よろしく、樋口さん。」

瑞穂はカー――ッとなって手に頭をうずめた。真っ暗。何も見えない。顔が熱くなってるのはわかる。恥ずかしい!気まずい!これからどうすればいいんだ!

大学の挨拶ですが、戦時中日本ってあんな感じですかね?

知識があまりないので詳しい方は感想などで教えてください。

作者は陰キャ女子が大好きです。恥ずかしがってる陰キャ女子のイラストとかあったら教えてね。

インカ女子じゃないので人身供養はやめましょうです

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