表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

34/113

episode33〜予想だにしない〜

たくさんの作品から見ていただきありがとうございます!

最後まで読んで下さると嬉しいです。


(いつからだろう… 感情を表に出さなくなったのは。

いつからだろう… この閉じ込めておいた感情が、少しずつ外に漏れ始めたのは… 自分でもわかっている…

それはきっと… 彼女と出会ってしまったから… )


そう… 目の前で、周りの目を気にせず、その巨大な竜の穴を覗こうとしている彼女。


それが臀部の穴とも知らずに。


「アルネ様? それ以上はおやめになられた方がよろしいかと… 」


ヴィカのその声に振り向き、まるでソレが眼窩であるかのように話す。


「え? でも目を開けた時、最初に見た者を主人だと思うって言うじゃない?」


「いや、それは… 」


(またお門違いな事を言っているな。それは、産まれたての生き物が、最初に見た者を親だと勘違いするって言うあの… まぁいいか… )


そう思いながら、横で笑いを堪えている主人を横目で見るヴィカ。


「え? 何よ? 何がそんなにおかしいのよ?」


「アルネ様、そこはバジリスクの目ではなく、臀部の穴です。そこが開く時は… 」


その言葉に、アルネは一瞬にしてその場から離れた。


「もっと早くっ… 早く言いなさいよ! 危ないところだったわ!」


「はぁ… そうですね… 」


「ふっ… ふふ」


ルクナの笑いが溢れる。


そしてアルネ達は、ゾルがライと仲間達をこの場に連れてくる間、ずっと気になっていたことを聞いた。


「アディ、大事なことをまだ教えてもらってないわ」


「ルー族の青年と、黒い種族の青年の事だな?」


「ぶふっ… 黒い種族… ふふ… 」


ここに新たな種族が生まれた。


「安心しろ、2人は無事だ。弟が共についてる」


「っはぁああ! 良かったぁ! もうっ、めちゃくちゃ心配だったんだから! もっと早く教えてよ! それにしても、アディには弟がいるの?」


(やはり、ノギジはルー族か)


ルクナは段々と真実に近づいていると感じながら、耳にしていた。


「あぁ、似てないがな… 」


「ねぇ、2人を攫ったのはやっぱり… 危険人物だと思ってたハルザから、引き離そうとしたから? ノギジを… 守るために? 彼はやっぱりルー族なのね」


「その通りだ。ついでに黒い青年もついてきたが… それにしても、彼は何の種族だ?」


「ふふっ… ルー族をずっと探してたのね… え? 待って、何百年も… ?」


「いや、数年だ。代々を含めるなら、何百年にもなるが… 」


「え? 数年? たったの?」


「ん? 容姿を見ればわかるだろ?」


(容姿か… 確かに、しかしハルザの件もあるからな… )


ルクナは、ハルザに少しばかりの視線を向けた。


「イケメンてこと?」


「… 違う。その見た目じゃない。俺はまだ齢19だ」


(19か… 俺と同じだな)


ルクナはそう思いながら、耳を向けていた。


アディは ‘イケメン’ という聞き慣れない単語に、適応しつつあった。


「ん? どゆこと?」


アルネが混乱している中、ある事を察したハルザが驚いた顔をした。


これまでにない、驚愕の表情だ。


「まさかっ… そんなっ… 生きていたとは… 信じられない… 」


「え? 何? 何!?」


アルネは訳が分からずに聞き返す。


「彼は… ユマン族… 人間です」


「え? 人間? じゃあ私達と同じじゃない。何でそんなに驚いてるのよ?」


「同じではないんです… アルネ様… 彼は、ユマン族の中でも… 太陽の種族と言われている、ドレ族の生き残りです」


「ドレ… 族?」


アルネは王宮書庫室で仕入れた知識を、頭の中から引っ張り出した。


(ドレ族… 確か既に絶滅したはず… 太陽の種族!?)


「ハルザッ! それは誠か!?」


ルクナも思わず、声を張り上げる。


「嘘!? 本当に!? 太陽の種族の!? あの!? 滅びたはずの!?」


「はい… 左様かと… 違うか? あ、いや、相違ございませんか?」


ハルザは言葉と態度を改めた。


「今更だ、話し方を改めなくていい。その通りだ… それにしてもお前、やけに詳しいな」


「わかった。やはり… ということは、ノギジ達と共にいるという、弟君もか?」


「あぁ、そうだ… 今、月華山にいる。ルー族の青年と黒い種族の青年と共に」


(あぁ衝撃の事実が重なりすぎて、頭混乱中… それにしても、何でわかったんだ? そんでもって、ネネちゃんが現代のフェール族だっていつ言おう… 黒い種族なんていませんって… でも面白いからもう少し黙っておこう… ふふ)


アルネは、ネネルトの事で気を紛らわせていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


そして、アルネ達は暫しの間、その場でゾル達が戻ってくるのを待った。


バジリスクをどう手懐けようと思いながら、その周りを彷徨くアルネ。


また、ルクナも同じようにバジリスクと岩場の間に、身を置きながらある事を思っていた。


「アルネ、こっちへ」


(ん? あ、もしかして何か考えが浮かんだのかしら?)


「あ、うん、何か思いついたの?」


そう言って、岩場の後ろへと連れて行かれた。


「ルクナ? こっちには何もなさ… 」


その瞬間、身体が熱く包まれた。


「え? ルク… 」


「心配かけんな… あんなふうに無茶しやがって」


(何? 少し… 震えてる… ?)


「ルクナ? 言葉遣い乱暴になってるよ? どうし… 」


「どうでもいい」


緩んだその腕の隙を見て、顔を上げるアルネ。


そこには見たことのないような、不安な表情があった。


「ルクナ? 私は大丈夫よ? 何てったって大聖… 」


しかし、その力は再び強まる。


遠くからその様子を見守る事を選んだ従者。


(あぁ… ルクナ様… 本当によろしいのですか? ここまでしたらさすがのアルネ様も… )


「勝手な行動はするな… 」


「そんなのルクナには関係な… 」


締め付けるような強い想い。


「関… 係な… 関…… 」


そして再びその腕が緩み、身体が離れるとその影はアルネを覆った。


いや、それは2人を覆っていたのだ。


「え… ?」


「ルクナ様っ!!」


その大きすぎる影は、再び起き上がっていた。

バジリスクが目を覚ましたのだ。


「まずい! アルネ、こっちへ来っ… !?」


しかし、数秒前の忠告が頭から既に抜けていた。


アルネはその身を、再びバジリスクの前にあらわにしたのだ。


(また勝手に… っ、奴は頭がキレる。今度こそ本当に危険… )


しかし、次の瞬間誰しもが予想だにしない事が起こった。


アルネがその身軽な身体を使って、バジリスクの大きな胴体を次々と登っていったのだ。


そして空高く飛躍すると、その脳天へと拳を振り上げた。


(いやっ! 二度は効かな… なっ!?)


しかし、その拳はバジリスクの脳天へとめり込むように、一点を突いていた。


そして、その一発により数10倍もある身体が地面へと倒れ込んだ。


その場にいた一同は、息をする事すら忘れていた。

言葉なんてものは、もちろん出ない。


一瞬にして静まり返り、そして凍りついたその空気をいとも簡単に破るのは、当の本人であった。


その一言が、空気を割ったのだ。


「あぁ… 最初っからこうしとけば良かった… 」


ここでやっと全員の声が、空気へと振動したのだ。



「「「えぇぇぇーー!?」」」



しかし、すぐにその巨体は立ち上がる事となる。


再び周りの空気が、張り詰めようとしていた。


「アルネ気を付けろっ!」


(やはりあれでは効か… )


次の瞬間、更に一同が驚く事となる。


その巨体は自身の意思で起き上がったものの、アルネの前に頭を下げたままだった。


そして、その細い腕と優しい手がバジリスクの頭へと伸びる。


「よしよし、良い子ね。バジリス君!」


(なんて女だ… )


「… それにしても、さっきからその呼び名は何なんですか?」


ヴィカが怪訝な顔をしながら言う。


「可愛い名前でしょ?」


アルネは満足そうにそう呼ぶ。


彼を服従させたその拳によって、更なる広大な未来に繋がったのだ。


(バカな… こんな事が目の前で起こるなんて… それにしても、絶妙にダサい)


ヴィカは目を細めながら、アルネを見ていた。


そして、ここにまた1人と彼女の不思議な魅力に惹きつけられる者が増えた。


それと共に、比例して理解不能度も上がった。


「あの女… 一体何者なんだ… 」


アディは驚きの声を漏らさずにはいられなかった。


「へへ、アルネは聖女だ。それも100年に1人の大聖女」


デイルのその言葉に、驚愕するアディ。


「なんだとっ… 大聖女があんな事するか? そうは… 見えない… 違う… 大聖女はあんな事しない… 見えない… 」


(大聖女に夢でも抱いてるのか?)


デイルは不憫に思った。


しかし、皆口を揃えて一度はそう言う。


「俺もだ… そうは見えない」


「私もよ、うふ」


「私もです… 」


「ふふふ… 」


そして、そんな風に思われているのも露知らず、心臓が苦しめ始める者がここに1人。


(さっきのルクナ… いつもと全然違った。あんな顔… 初めて見た)


そう思いながら、先ほどまでの温もりを確かめるように、自身の腕を交差させてその身体に触れた。



最後まで読んで頂きありがとうございます。

また突っ走って書いてしまっているので、文章が乱れていることもあるかと思います。

何かお気づきの点があれば、いつでもメッセージお待ちしております。


また、心ばかりの評価などして頂けると、励みになります。何卒よろしくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ