私、孤児院に行く
私は、馬車から降りて教会の方に歩みを進めた。
なぜだかわからないが、この教会のような建物に近づくたび懐かしく思えてくる。
そして、私は、ドアをノックすると、中から一人の女性が出てきた。
「何の用でしょう……キウス? キウスなの? 会いたかったよ!」
出てきた女性は、私をキウスと間違えて抱きついてきた。
「あの……」
「何?」
「私は、キウスでは、ありません! 詳しく話したいので中に入れてもらえませんか?」
「わかりました、どうぞ中へ」
私達が中に入るとそこには、人間や亜人や魔族と言った様々な種族の孤児たちが仲良く楽しそうに暮らしていた。
そして、私達は奥の部屋に案内された。
「それで、あなたがキウスじゃないってどういうこと!?」
「単刀直入に言います。彼女キウスはもうこの世にはいません!」
私がこう口にした瞬間、キウスの姉は、私の胸ぐらを掴んだ。
それに、反応するようにソフィアは、氷でできた爪を、エリンは、剣を、ヘレナは、二本の短刀をキウスの姉の首元に近づけた。
「やめて、ソフィア、エリン、ヘレナ!」
「ですが!?」
「良いからおろして」
私が、そう言うと三人は、武器をおろした。
「いい加減離してもらえないでしょうかイルネさん!?」
私が、キウスの姉イルネの名前を口にした瞬間彼女は驚いた様子で胸ぐらから手を離した。
「なぜ私の名前を知ってるの? まさか、あなたが殺してあの子の姿に化けてるの?」
私は、ただ無言で首を横に振るだけだった。
「私が、口で説明しても信じて貰えないと思うので、直接見てもらう方が早いと思います!」
私は、『異能』 『記憶共有』を使ってイルネに今までの経緯を見てもらった。
「そうだったのですね! 先ほどは、申し訳ございません!」
「いえいえ、私こそイルネさんへの配慮ができず申し訳ないです」
私は、イルネに頭を下げた。
「それで、用件は何でしょうか?」
私は、『異能』 『アイテムボックス』を発動させると、中から人骨と血と土で汚れた服と武器とバックが出てきた。
「これは?」
「キウスの骨と持ち物全てです」
「え!?」
イルネは驚いた様子でいたが、私は話しを続けた。
「私は、彼女の骨と持ち物をあなたに返して、ちゃんとしたところに埋葬してあげたいと思ってここに来ました!」
私の話しを聞いてイルネは、キウスの頭蓋骨を持って、
「そうですか、キウス!」
イルネは、キウスの頭蓋骨を抱きしめてキウスの頭蓋骨に涙が落ちていった。
私は、それをただ無言で見守った……
そして、私達が帰ろうと教会の外に出た時、
「待ってください!」
「どうしました?」
すると、イルネは私に抱きついて、
「キウスの、妹の仇を討ってくれてありがとうございます」
「いえいえ、私は、彼女の最後の願いを叶えてあげただけですから!」
私は、そっとイルネの体を抱きしめて頭をポンポンと叩いた。
「それと、この孤児院を出来るだけ支援させていただきます! これが、私に出来る全てですから!」
イルネはお礼を言って私を離れると手を振って見送ってくれた。
すると、
(お嬢様助けてください!)
ファルが私に向けて『念話』を使ってきた。
(どうしたの?)
(ホルカさんが今大変なことになっているんですよ!)
私は、ファルの言葉に驚いて急いで帰るようヘレナに伝えた。
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