初配信がVtuber人生の別れ道!?
お昼の特集のコーナーです
本日のテーマは『消えた人気アイドル初皆綾乃』
当時人気絶頂だった彼女は、突然私達の前から姿を消しました。一体彼女に何があったのでしょう?
「彼氏と駆け落ちしちゃったとかじゃないかなー」
お昼のくだらないワイドショーを観ながら私は独り言を呟く
「と、こんなの観てる場合じゃない」
テレビを消して机に向かう
本当にこんなの観てる場合じゃない
数日前
「初配信の内容を考えて来て下さいね」
マネちゃんがノートパソコンを広げながら私とミコトとモモカに告げる
初配信か…そりゃVtuberになったんだから配信しなきゃ始まらないよね
でも…緊張するなぁ〜
横目でチラッとミコトとモモカを見ると二人も流石に緊張している様子だ
「何かテンプレとかあるんですか?」
ミコトが質問した
確かにテンプレがあればやりやすいかも
「もちろんテンプレはありますよ。好きな食べ物とか好きな動物とか」
「けど…」
「けど?」
「説明するより観てもらった方が早いですね」
そう言いながらマネちゃんはパソコンで既にデビュー済みのVtuberのチャンネルを映した。
初配信 同接30000人
「すごっ!」
初配信で同接3万って凄すぎ!
私なんて最高100人くらいだったかな…
まぁ適当にお絵描き配信してただけなんだけど
「初配信3万人は誰でも行けますよ。アイドルステージに所属していれば」
「え?」
いつのまにか神妙な顔つきになったマネちゃんは、パソコンの画面を翌日の放送に切り替える
配信2日目 同接5000人
「えぇ〜?」
モモカが元々大きい眼をさらに大きく見開く
驚くの無理はない、たった一日で同接が激減しているのだ。
「驚くのはまだ早いですよ」
マネちゃんが更に次の日をパソコンに表示させる
配信三日目 同接2000人
「ぐ、グロい…」
ミコトが口元に手を当てながら呟いた
意外と女の子らしい仕草するんだな
「皆さん如何でしたか?」
「この方はテンプレ通りに初配信を行いましたが、テンプレ過ぎて他のVtuberの中に埋もれてしまいました。今では電死してますね。」
パソコンを閉じながらマネちゃんは私達5期生に語りかける
電死?聞いたことない単語だ
「テンプレ通りに初配信を済ませても構いませんが、一度つまらないとリスナーに認定されれば浮上するのは非常に困難です。」
「初配信でいかにリスナーの心を掴めるかなのです!!」
マネちゃんは立ち上がり拳をグッと突き出した
意外と熱い人なんだな
読んで頂いてありがとうございます
とても光栄です
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