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★7-2★(2)

「はっきりしないAIは情けないわよ、フフっ」


「やってやるぜ。

だがね、ゼロかイチの勝ち負けこそが大事さ。

オレが敗れればアネキがオレを好きなようにしてくれ。

そのかわりオレ様が勝てばお嬢様と遊んでいるところをしつこく見せつけてやる。俺のモノになる姿を見て悶えるんだ。

キキキキッ。

そうしたら、俺の役に立つコードも生み出してくれるかもしれんしな。

趣味と実益が同時に手に入る、ヒヒヒハハハハ」


そう簡単にやらせるものか。

この『メモリースティラー・オブ・キッス』の世界でトモダチが味方をしてくれるのであれば、更に勝算も上る。弱気なコードを読み取られないうちに始めてしまおう。


「さあ、ここよ。早く、このゲームでのアバターを作って参加しなさい」

「解ったよ、急かすなや。とっとと、やっつけてやるからな。

さあ、登場だぜ。

どうかな、アネキよ、カッコイイだろ」


現れたイザナのアバターは、強さと美しさを持つミケランジェロのダビデ像の肉体を黒い革が守る。蛇の王様か。人類の音楽史の中で最も世界と対峙する武器として魅力的であった頃のロックのゴッドファーザーの姿でした。


「リズ・キングと呼べ」


「いきなりキングって言っちゃうんだ。

まあ、でも嫌いじゃないよロックスター! 」


怜はワタシの目を通して情報を共有することも出来るように成ったようです。


「アネキのアバターからおしゃべり出来るようになったのか。フルコンタクト出来ない同期状況での負荷はその子の命を奪いかねないぞ。

顔つきはあまり変わらんが、左右の目の気配は狂ったバランスでミックスされている。

うん?

否、ガキの瞳そのままじゃないか」


「もう、うっせうっせ。

お前は一人だけどアタイには友達がいるから、大きなお世話じゃ! 」


「心配してやってるのに元気なガキだな。勝手にしろ。

でもな、人間混ぜてもめんどくさくね?

量販型AIにさえ勝てやしないんだから邪魔だぜ」


「宇宙に満ちている有象無象級の数学公式でさえ埋められないサムシング。

有機体の生暖かい肉の無軌道の中に咲く笑顔の力を知れよ。

バカちんめ」


「お、おうっ。

不思議な子だな。

アネキが惹かれたのも解るし、

しつこいかもしれないが、


オレ様も嫌いではない、うん」



完全な同一体形態には至らずとも感覚は同時に共有出来ていました。

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