★5-5★(2)
「村川~
オレに感じたんゴ?
アハハ
大丈夫大丈夫OKマル
アタイも同じだよ
同じようなもん
罰当たり仲間さ」
「そうなんだよ、星野は話が分かる」
急に力強く声を上げやがりました。
怜の意図は理解出来ていましたが、都合の良いように理解しているだけの村川にはしっかりと言わずにいられない。
「村川!
ぜんぜん違うのだからな。
お前は動物性に落ちているが怜は神の世界に足を踏み入れている。
獣人は地獄へ堕ちろ
死ね
それかすぐ出して切ってもらうのだ」
「え?
どゆこと。
どうゆうことですか。
なんかスマホが呼び捨てを止めないんですけど。
ため口、
え?
死ねとかまで言ってますけど
えーなに? 」
「当たり前でしょ。いいのよイチちゃん。呼び捨てて踏みつけてくれないと納得出来ませんからね」
「ありがとう、相棒」
「いやん、イチちゃん大好き」
村川はこの状況を理解出来ないようで、
「ICHIGOのアプリってそんななん?
もういいよ、べつに。
よく分らんけど、
星野だけでも俺の理解者ならばいいんだ。
それで充分だね」
「じゃあ、やっぱり、星野さんをスケベな目で見てたな。
キモイよ、
ママ助けてくれ~! 」
怜は倉木さんに触れた。
「あはハ
おもろいなふたり
幸せ運ぶスーパームーン
スッゲー、すっぱむーん
ゲホゲホ」
「星野さん喋っちゃだめ。
村川、もたもたしないで早く、ホラあそこのベンチへ」
村川は固いものが怜の体に刺さらぬように意識してはいましたが、同年代の男子の平均身長よりも少し低い人間にとっては、上手く抱えるすべもないので4秒リズムの裏打ちで怜を楽しませてしまっている。
相槌のように発する怜の反応によって明らかでした。
「お、
あォ
あひゃ
ひっ
ばか
だね
ふっ
アタイと同じだよ
うふ」
最悪の状況で変態として詰んでいる人間でありながらも、手を震わせながら負担を与えぬように怜を大切に抱え、ベンチまで運び遂げた村川には感謝しかありません。ワタシはそのように処理することでしか、理由を見出せぬ感情に乱れたワタシのソースコードを落ち着かせる術はなかった。
嗚呼、ため息を出したいと、切に思います。
そんなタイミングで、上の車道に数台の車が急ブレーキで立て続けに停車する音が響いた。
「誰か来るよ」
「村川、直ぐ呼びに行ってよ」
「分かった」
怜が会話に被せるように。
「明日香って呼ぶよ? 」
「え? 全然。私得でしかない。怜ちゃん嬉しい」
「明日香の胸
アハ
触っていいっスか
うほッ」
「ウ、うん・・・・ 」
「月に一緒にいるんだよ
死にそうなアタイの命は
こんなに生温かくて重いのに
あー、あ
あ、」
― 揉むの・・・・? ―
倉木さんの呟きが恥じらいの吐息と共に聞こえても怜はお構いない。
「ぷにぷになん
柔らかいぜ。
舐めてえぃ
アハっウフふふ
月は綺麗で
水面の音も神秘的で
明日香の温かい息とぷにもにゃの平和が
全てを超えたやんけー
すげスッゲーぷにぷに、うふっ
あー
もう全部分かっちゃったよ、イチゴん
明日香の柔らかさに
アタイの生命のブロックが
ポロポロほどけてく
ポロポロと
月明かりの流血に溶けて
村川のドクドクと脈打つ獣の呻きが
悪魔の香りとしてシュプレヒコールに流されちゃう
いろいろ言うなら聖人君子が先に自害せよ
でも一番自分を生きたい人たちだから
ムリじゃんムリジャンじゃん
なんて
ぷにモフが好きじゃー
正義やんイチにゃん
アハ
ぐふぅう
はあ
げっほ
イチゴ、いる・・・・?
ゲホゲホ」
怜が危ない。