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★4-3★

「それでね、正直何を言っているのか分らなかったけど、ちょっと笑っちゃったの。そうしたら、もう永遠に話しが止まらなくなっちゃってね。


『この火星の景色見てみ見てみ、ほら見て!

今もずっとあそこにこの景色があるんじゃよ。

ほら見なほらほら、いまこの時もリアルタイムで画像が送られて来ているんだ。地球と同じ物理的な形があって、そこには重力が一個一個にも携わっていて、硬度も有って、単なる作り物でない世界の重さがある。

というか、絶対でっかい星の火星の方が強いに決まっているやん。

さあ、あそこの火星に向いて深呼吸してみな。

するんだよ少年少女よ。

冷静になった頭で考えたらもう分かったかな。


地球は火星を前にしたら?


はーい

負けちょんご』


たまによくわからん言葉が混ざってたけどね。

クラスメイトが死ぬと言ってることなんか、どうでもよいみたい。まあ確かに火星の話をされたらそうなんだけど。

まだまだ話は止まらないんだな。


『そんな強い火星に、人間様の居場所はない。

否、行く事さえ出来ないくせに。

あああああ、人間は糞生意気過ぎる。

その火星にしたって、アンドロメダ星雲やらなんかには脅されていて

もう行列で押し寄せる存在のヤクザ者の雨あられの脅迫の悪天候!!


ワぁーわわわわわ

人類は存在してなんかいないのかもよ

宇宙にとってはさ、

勝手に滅べ、次の為の肥料になーれなんて

そもそも、生きてるんやろか。

火星の神さまからすれば、地球なんて


【え、誰?

地球?

いらんし

それどころじゃないねん

ウチは

怖いアニキたちに脅されてますやん

太陽系はただでさえへんぴな

味噌っカスですねん】


ってことだから。

なのに、

人間たちみんないちいちうるせぇ。

偉そうな自己主張のクソちん!!

でしょ。スッキリしない? 


未だダメ?

それなら、そうだな。

ちょっとそこでぐるぐる回って眩暈して突っ伏し、

テメエなんて棄てなよ』 


私たちその通りにしてコンクリートにぶっ倒れてね。

そしたら、怜ちゃんはちょこんと座って、


『そう焦らなくてもいいんじゃね、いつでも死ねるし。

ふたりともアタイの近くにいな、少し気分も変わるかもしれんし。糞のくせに生きてるつもりの虫くらいアタイが払ってやるぜよ、つぶしてもいいよ。

うひっ』


そう言ってくれたの」


村川も生意気な感想を口にしてきた。

「なんか、ちょっと笑ったように見えた。

でもよく見ると少しも笑っていない。


狂気ってやつだなあれは。


いや、悪い悪い、ごめんって。そんなことは言っちゃいけないけど、そんな風にしか言えないから困る。

自然の真意が映っている感じがした。

守り育んでくれる母なる大地でもあり、ふっとした気分で躊躇なく血の海に引きずり込み、何事もなかったかのような静けさをスッと突き付けるようでもあり」


倉木さんは調子に乗った村川にもう一度胸のあたりをド突き、話を奪ってくれました。

「・・・・それから一緒に居るようになったの。

露骨なイジメは収まってきて。怜ちゃんの友達にしてもらえることになったの」

そこまで聞いてワタシは確認したくなった。


「すみませんが、ワタシもお友達でよいのでしょうか」


「当然よ。少なくとも村川よりも確実ね」

倉木さんの意外と強力なドツキでむせていた村川が何とか言い返していました。

「なんだそれ。

ううう、

何かあったのかよ。

え、俺が知らないこと。

何、

いつ、

何、あ⁉ 」

「あの事件しかないでしょ、

私たちのせいでもあるんだからね。

そういえばイチちゃん、あの日のことをデータ編集するって言っていたけど」

「イエス、直ぐに街中のあらゆるデータを収集して時系列で繋げました」

「どういうこと? 」

「防犯カメラから、衛生画像まで、全てのデータをハッキングしました」

「さすがAI、冷静じゃんか」

「オマエの失態も克明に使わせていただきました」

「いいじゃない。イチゴんが村川を呼び捨てにした瞬間が証拠として作品に残る」

「やめてくれよ。

そもそもそれは、怜をひどい目に合わせた奴にけじめを付けさせる証拠じゃないのかよ。

オレを使用目的にするな、おかしいゾ! 

断固反対する!」

「素敵な素材でしたから勿体ない。それを元に有名な監督たちを元に創り上げたAI監督によって編集しました。作品を見てみますか」

「なあ、聞いてます僕の主張?! なんとか星野には見せないでくれ。

今のところは、せっかく味方でいて・・・・」

「まだ言うか。見終わった後でも、権利を主張できる立場に居座れるとでも? 」

「見よ見よ見よ。

本当に、イチっちゃん好きー、ずっと親友ね」

からかい過ぎた気もしたのでちょっと真面目にしました。

「ごめん、村川。ワタシたちは友達です。味方なのは信じて欲しい」

「わかったわかった、ありがとう。

でも見るのね・・・・?」

「当然! 」

私と倉木さんは同時に答えました。


シークレトアドレスに格納してあるデータのストリーミングを開始、『ブラッドムーンZERO by15』のプレミアム上映となりました。

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