ある作家が駅にポスターを出して伝えたかったこと
初めに、タイトルにある通り。私がこのエッセイで伝えたいことを皆さんにお話しておこうと思います。
それは、『やりたい事をやる勇気を持って欲しい』ということです。
このことを念頭において、以下のエッセイにお付き合い頂けますと幸いです。
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◆前提となる概要◆
この度、2019年7月8日(月)から2019年7月14日(日)までの間、JR秋葉原駅に自分の作品『ラリカ=ヴェニシエスは猫?とゆく。(http://ncode.syosetu.com/n9873dj/)』のポスターを『3周年記念企画』として掲示致しました。
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恐らく、この概要を聞いて、「ああ、広告か」と思われた方もいらっしゃる事かと思います。
ですが、もし『広告』として考えた場合に、『一駅だけに一週間だけB0のポスター1枚を貼る』というのは誤差のような効果しかありません。広告として掲載するつもりであれば、もっと『楽で』『効率の良い』手法というのは沢山あります。
……私はそれでも。今回駅貼りポスターを選びました。
それは、今回のポスターを『広告』としては一切考えていなかったからです。
なぜポスターを駅に出したのか――それは、俗に言う『ロマン』をより多くの人に感じて貰えるのではないか? と考えた事に起因します。
例えば、インターネットを見ている時に広告が表示されるのを見たことがないと言う方は、あまりいらっしゃらないと思います。インターネットの広告は、その人に関連する広告が届けられ、出稿も安価に出来る広告になります。
しかし、この広告を誰かが出したとして、そこに『ロマン』を感じることがありましょうか?
『損得勘定を抜きにして私もやってみたい』などと思えましょうか?
……正直に言いましょう。今回、『ポスターを掲示する』という発表をする前、私は一体どんな反応が返ってくるのか、怖くて怖くてたまらなかったです。『誰からも反応されない』『なにを馬鹿な事をと嘲笑われる』そんな、反応が返ってくる事を想定していました。
ところが、実際に蓋を開けてみれば。
――「凄い」というお言葉を頂きました。
――ある、書籍化作家様は、「自分で自分の作品のポスターを出せないか編集部と交渉してみる」と仰ってくださいました。
――「自分も、自分の作品を紹介する何かをしてみたい」「記念を残してみたい」と仰って下さった方が居ました。
そんな皆様から頂く反応をみて、『今回実施した意味があった』とほっと胸をなで下ろした次第です。
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【質問です】
普段の生活の中で、ついつい『こんなこと出来る訳ない』『私なんかが……』と尻込みしてしまうことや、もはや意識する事も無く諦めてしまっていることはありませんか?
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私は、そんな風に諦めてしまうのは、凄く『もったいない』事だと思います。凄く、『悔しい』ことだと思います。『型』なんてそもそも存在しないところで自分で自分の『型』に押し込んで、諦めてしまう。
そのせいで、その人の本当の才能や、やりたい事。それらに触れ合う機会を失ってしまうことが『悲しい』です。
例えば、イラストレーターさんなら、個展を開いてみたいと思えば、開けば良いと思います。別に、自分に今『知名度がないから』『烏滸がましいから』とかは考えないで欲しいです。
勘違いしないで下さい。別に、「不安を感じるから止めておこう」とか、「冷静に考えて費用対効果が悪すぎるから止めておこう」という所まで何かを言う訳では無いです。
ただ、『やってみたい』と思っているのに、『よく分からない何か』が原因で、前に進むのを止めるのは、止めて欲しいと思っているだけです。
それでどうしてもやってみたいと思ったことをやってみて。それで結果がでなければ、次に生かしていけばいいと私は思っています。
……私は、世の中に出ている作品の中で、『好きなもの』が沢山あります。
でも、私は強欲なのか、『もっと面白いもの』『もっと面白い事』を毎日求めています。
色々な人がもっと自分のやりたい事をして。これまで埋もれて消えてしまっていた『こと』や『才能』が、もっともっと世の中に出てきてくれて。より私の生活が豊かになってくれたら、それは凄く幸せだと思っています。
やりたい事に挑戦するとき、冷たい言葉もありましょう。障害になることも沢山ありましょう。
……特に有名で無い作品の作者が、駅にポスターを貼り出す所まで持って行くことが出来たのです。
――ぜひ、やりたい事、面白そうだと思った事に挑戦する『勇気』を持って下さい。
だから。
――もし、小説を投稿してみたいと思っている読者様がいれば投稿してみて下さい。
――もし、尻込みしている企画があったら挑戦して見て下さい。
――もし、声を掛けてみたい人に声を掛けられないでいるのなら、声を掛けてみて下さい。
――もし、言えないでいる夢があるなら、口に出してみて下さい。
――自分のやりたい事に挑戦して見て下さい。