62 学校案内をしてもらいました
ギュンターが解散と言い教室を出て行ってしまったので本当に今日はこれで終わりなのだろう。
そういや構内の施設とか把握しときたいしユディ達を誘って見て回ろうかなあ。
そんなことをぼんやりと考えていると、教室のドアがバァン!と勢いよく開かれた。
「はいは~い、注目するの~!今から私達と一緒に来てもらうの~!」
「姉さん、それでは言葉が足りない上になんだか脅迫めいています!あぁ、すみません新入生の方々。突然失礼致しました、私はミルフィー、こちらは私の双子の姉のシルフィーです」
まさかの顔見知り登場である。そういえばミルフィーも学院に通えるようになったって言ってたっけか。
「よろしければ今から簡単に学院を案内したいのですが、強制ではありませんのでお気軽にどうぞ!」
「それじゃあレッツゴーなの~!」
ミルフィーはぎこちない笑みを浮かべる。どうやら笑顔は苦手なようだ。
対称にシルフィーはにこにこと人懐こそうな笑顔を浮かべている。
どっちみち誘って構内を見て回ろうと思っていたのだ、行かないという選択肢は無い。
「せっかくだから行こうよ、ユディ、シエル!」
「えぇ、是非」
「は、はい!」
私達は双子の後をついて行く。
他にも数人・・・というかみんな行く感じかな?
兄貴達も来ているみたいで後ろで不満そうな兄貴の声が聞こえる。
大方他の2人が行こう!とかなんとか言って渋々ついて行っているという感じだろう。
「ついたなの!ここが、お昼ご飯を食べる所なの~」
「ここは初等科から一番近くにある食堂になります。初等科は少人数ですが、高等科を含めるととてつもない人数になってしまい、混雑緩和の為、食堂や購買部はこの学院内でも複数あるんですよ」
「食堂によって味とかメニューが違うらしくてたまに高等科の人も来るなの~」
なるほど。確かに国のほとんどの子供達が学院に通う事になって食堂が1つだけとかになっちゃうと、お昼なんて戦争になってしまうもんね。
味とかメニューが違うなら他も気になるな。
それからも購買、実技室(図工室みたいなとこだった)や救護室、職員室などを案内してもらった。
そういえば教室は1年生が1階、2年生が2階、3年生が3階になっているようだった。
しかし一番驚いたのは放送室についてだ。放送については詳しくないのだが、なんというか元の世界でも見たことのあるような見た目をしていた。
いやこれマイクとかアンプとかあるしPA機器でしょ。
場違いなもん出て来たな・・・
魔力を声に乗せ、構内に設置してある箱へ届けているようで、詳しくは分かっていないと説明された。
これ解析したら普通に無線通信機とか作れるんじゃないのかと思ったけど、解析しようとしたりバラしたりという操作を全く受け付けないらしい。
そもそもこれ自体古代アーティファクトとかなんとか言われてるらしくて、勝手にバラしたりとかはしてはいけないとかなんとか。
動かせもしないから活用してるみたいね。
そういやゲームでも西洋ファンタジーなのに普通に校内放送やってたな。
それのしわ寄せがきたのかね。
「そしてここが、修練場なの~。ここで魔法を使ったりチャンバラしたりするの~!」
「チャンバラではありません!剣術などの術科の訓練、さらに自主練習もできるようになっています。待機室やここでの修練を見学する部屋も用意されているんですよ。ささ、皆さまこちらへどうぞ」
そう言って双子は私達を部屋へと招き入れる。が、なんだか暗いような・・・。
「皆さま入りましたね?」
ミルフィーの確認するような声と共にバタンと扉が閉まり部屋は暗闇に包まれる。
「せーの」
「「「入学おめでとう!!!」」」
パンッ、パンッとクラッカーのようなものの音とともに光が灯り、目の前には双子だけでなく、沢山の人がいつのまにか並んでいた。
状況的に考えて先輩達だろうか。
横を見るとシエルが放心状態になっていた。びっくりしたのだろう、魂が抜けかけている。
ユディはとても嬉しそうにしているようだった。
「今日から同じ学院生という事で、歓迎会をしようと思ってね。改めておめでとう、そしてようこそこの学院へ。僕は3年生のリット・アーレルスマイアーだ。一応生徒会長をやらせてもらっているよ」
おおう、兄貴にも負けず劣らずの顔面をしていらっしゃる。
アーレルスマイアーと言えば侯爵家だっけな。
先輩方を含めた周囲の女子達がキラキラした目で見ていらっしゃる。
いやー、青春ってやつですかねえ?
ユディは・・・普通だな。シエルはなんというか恐れおののいている感じだ。
「所謂歓迎会というやつだ。少しだけどお菓子やお茶も用意したから楽しんでいってくれ。緊張や不安を少しでもほぐせたら・・・ああそうだ、学院の事でもなんでも質問してくれて構わないよ」
「す、好きなタイプは!」
「好きな食べ物は!」
リット会長はあっという間に女子に囲まれてしまった。
というかこれ新入生だけじゃなく先輩達も囲んでるな。
あっ、このお菓子美味しそう。クッキーかな?ふむ、レモン風味で爽やかな口当たり・・・
「ゲルトルーデさま~元気そうでよかったなの~!」
「ご機嫌麗しゅう、ゲルトルーデ様。お変わりなく何よりです。シエルも久しぶりね、生活には慣れましたか?」
私達の元へと役目を終えた双子がやってきた。
見た目はそっくりだけど、雰囲気が全く違うせいか簡単に見分けがつくなこの双子。
「お久しぶりです。あの時はお別れの挨拶も出来ず申し訳ありませんでした。それに私は後輩ですしトルーデでかまいませんよ、先輩」
ミルフィーが目を丸くさせ驚いた表情を浮かべる。
そういや私王女だったな。いきなり愛称呼びはアレだったかな?
そう心配しながら見ると、ふっと自然な笑みを浮かべミルフィーは口を開く。
「あらまあ、では失礼してトルーデさん。私達もあの後とても心配していたのですよ?お体も・・・何もなさそうで、元気そうでよかったです」
「それにお礼も言えなかったなの~ありがとうなの!わんちゃんも!」
シルフィーはそう言って私のポシェットをみる。
「前は確かにポシェットにわかばを入れていましたけど、今日は居な「うそなの!いるの!」
い、意外と鋭いんだなこの人。
「・・・気付いちゃいましたか。一応普通の人には認識できないようにしてるんですけど・・・」
「私もわかっていましたわ」
「んだんだ」
ユディとシエルも気づいてたか。まああなた達は普通の人とは違う気もしていましたので突っ込みませんわよ!
「使い魔という事で、大人しくしておくことを条件に特別に許可を貰って連れてきていたんです」
私がポシェットを開くとすやすやと寝息を立てるふわふわの仔犬がその姿を見せる。
そして私は見逃さなかった。それをみたミルフィーの顔が緩むのを・・・
さては犬好きだな?
「起こしちゃ悪いなの~。これはお礼なの。わんちゃんでも食べれる特製おやつなの、あとで食べてなの~」
そう言ってシルフィーはそっと小包を入れる。
よかったねわかば。
この後も私達は雑談を楽しみ、学生生活1日目を終えたのだった。
平和回。
最近ゲーム出過ぎじゃない?イベントありすぎじゃない?と思いながらゲームに時間を取られて更新が遅れてしまった(言い訳)
今後持っていきたい展開とかも考えているので頑張っていきたいです・・・!




