表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/69

31 時空魔法について研究をします




 ここ数日色んなことがありすぎた。

 無属性魔法について調べる事になったと思ったらまさかの精霊様との遭遇。

 それから魔法の真実を教えて貰い、無属性魔法が使用できるまでになった。


 それに加えて先日の対戦により発覚する、ユディのチートさ加減と私とユディの父親の親バカ。


 そんでもってその後に私の兄貴がユディを煽った挙句、難関と言われる学院の入学試験をほぼ無関係のライムントと私を含めた5人で仲良く受ける羽目になったりと・・・


 怒涛の日々だった・・・



 そして今日はといえば、ライムントと対戦を行った日に母上がさりげなく発していた、お披露目パーティの準備とやらで私はカリーン先生に母上の元へと連行された。


 母上の元へと連れてこられると、王都で有名な仕立て屋が待機しており、現在は母上の着せ替え人形と化している。


 そろそろ棒立ちするのも疲れてきた・・・いつもは可愛いかつ動きやすさ重視の身軽な服を着ているせいか、ドレスというものがどうにも着慣れない。



 ここは西洋風の舞台だというのに、普段着については普通に女性が足を出していたり、ズボンを履いたりしていても嫌な顔をされるという事はほぼない。

 とはいっても、数十年前はそのような事は許されていなかったらしく、年配の方などからは苦言を呈されたり、まだ長いドレス姿のままの女性も多い。


 また、パーティや正式な場でも足が見えないほどの丈の長いドレスが求められる。

 重いし裾踏んで転びそうだしそろそろ改革していただきたい。



 ああそうだ、本来ならお披露目パーティ・・・デビュタントとやらはこの国では6歳頃に行うらしいのだが、私の体調を考慮し今まで行ってこなかったらしい。


 しかし先日の対戦や最近の顔色を見て大丈夫だろうとの事で行おうとなったそうなのだ。


 

 「トルーデ、終わりましたよ。ふふ、デザインは当日、楽しみにしていてね」



 ようやく満足のいくドレスのデザインが決まったのか、やりきった清々しい表情を浮かべている。


 ようやく解放された私は、デビュタントへ向けてのダンスや礼儀作法のレッスン、さらに受験のための勉強を終え、鍛錬兼時空魔法についての研究をする時間となった。



 「さて、時空について私たちが想像しうる事について順に試してみることにしましょう。エーテルの使い方については大体わかってきたのですよね?」



 そりゃあもう無効化を使えるようになってからは容赦ないカリーン先生の(しごき)を受けたから、エーテル理解・感知共にレベル2、辛うじてわかるレベルからなんとなくわかるレベルになりましたからね!


 私はコクリと頷く。



 「では以前にも言いましたが、あの異世界モノ定番の例のヤツを試してみましょうよ!あぁ、この目で見れるなんて!感謝感激雨あられですよ!」


 

 カリーン先生は喜びを額に湛え目を輝かす。



 「定番の例のヤツってアイテムボックスですよね?できるかわかりませんが、ええと、じゃあそこにある石を空間に収納してみます」



 ちょうど足元に転がっていた拳大くらいの石に向かって、空間を作りそこに石だけを入れ込むというイメージをしてみる。

 マナを排除し純粋なエーテルだけを体に取り込み循環させる。



 「おお、消えました!消えましたよトルーデ様!じゃあ次出してみてください!」


 「言われなくてもわかってますって!んん~えいっ!」



 先程とおそらく同じものであろう石が目の前に出現し、ボトッと地面に落ちる。



 「一応・・・成功しましたね」



 EPを確認してみると30減っていた。出し入れ1回15EPってことかな。

 沢山あるから痛くもかゆくもない。



 「では今から、どのくらいの量を空間に収納できるのか、収納出来る大きさ、自分からどれほど離れた場所のものまで収納出来るか、生き物は大丈夫なのかを試してみますよね!さあレッツトライですよトルーデ様!」


 「ヒェッ・・・」



 すごい剣幕で私に迫ってきたカリーン先生に抵抗する事も出来ず、私は膨大なEPが尽きるまで時空魔法研究をする事になったのだった。



♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢



 とりあえず今回の事で、私の時空魔法(大量に物を詰め込むために時空魔法を乱用した結果時空LV2になった)については、



○ 大きさは私の身体より小さい、もしくは同等の物なら収納可能


○ 重さも大きさと同様、私より軽いもしくは同等の物なら収納可能


○ 自分から半径10メートル程の範囲で上記の条件内の物なら収納可能。

取り出す時も同様10メートル以内ならばどこにでも出現させることができる。


○ 空間の中に物を入れると、入れられたものの時間が止まるようで暖かい食べ物が冷める事も、氷を入れても溶ける事はなかった。


○ 生き物にもそれが適用されるようで、どうやら収納しても死ぬことはなかったようだ。どれくらいもつのか試してみようとのことで食用の鳥さんを今現在収納している。


○ カリーン先生の放った魔法や武器も難なく収納でき、また取り出すときに魔法はそのままの威力を持って取り出される。


○ 容量については、満タンになるより先にEPが尽きてしまったので分からなかった。



 とまあ大体こんなことが分かった。

 魔法については、魔法を出す位置は決められるが、魔法が飛んでいく方向は設定できないようで、案の定暴発した。

 怖かった・・・


 大きさや重さ、射程範囲についてはレベルが上がると伸びるのかな?



 必要なものを荷物を持つことなく手ぶらで持ち歩けるし食べ物も劣化しないし・・・

 見た目的には派手さはないかもしれないけど、中々に便利な能力かもしれない。

 いつもの鍛錬と並行して使い慣れていくとするか。


 とりあえず今日はとても疲れたし、ヒルデに美味しいお菓子でも用意してもらおうと考え部屋へと戻るのだった。

鳥さんがお亡くなりになった場合には、2人でなむなむしながら食べます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ