23 書庫へ行きます
そしてユディ達と書庫に行くという約束を取り付けた当日になった。
私は頼んでいたお弁当を携え、いつのまにか出現していたカリーン先生と先程着たユディとで兄貴達を待つ。
しばらく待つと、兄貴は同年代であろう男の子2人を連れてやってきた。
すっぽかす事なく父上の言い付け通りにやって来たな。よしよし。
「ふ、フン!父上と母上からの命だからな、来てやったぞ、光栄に思うのだな!」
えらい尊大な態度だな・・・と思っていると、ユディは一歩前へと進み、優雅なカーテシーをする。
「ご機嫌よう、イグナーツ王子殿下。先日はとても良い経験をさせて頂きありがとうございました。私あの様な事は初めてでしたので、どうお答えして良いか分かりませんでしたの。本日は対等に語りあえることのできるよう精一杯努めさせて頂きますのでよろしくお願い致しますわ」
うわぁ・・・これ前回の事結構根に持ってるやつだよ。
「母上からしつこく言われたからな。前回の事謝ってやらんことではないぞ」
「イグナ様・・・もう潔く謝罪を述べた方が良いかと」
「そうだぞイグナ様!オレは詳しいことは知らねえけどよ、話を聞く限り謝った方がいいと思うぜ!」
兄貴の連れてきた友人2人が口を挟む。
えっとなんだか超絶美少女と元気いっぱいのやんちゃを絵に描いたような男の子が横に並び立つ。
まさかこの子がいるからユディとは婚約したくないとか!?
そ、それならそう言えよな!わざわざ連れてくるなんてなんて野郎だ!
「なんだお前たち!俺に味方してくれる者はいないのか!?」
「「え、だってイグナ様が悪い(です)し」」
兄貴、味方無し!てっきり付いて来た2人は王子に賛同するイエスマンとでも思っていたのだけど。
あまり警戒する必要はなかったのかな。
「あぁ、申し遅れました。僕はこの国で宰相をやっておりますベッカー公爵の息子の、エルンストと申します。よろしくお願いしますね」
「オレは騎士団長の息子のライムントだ!よろしくな!」
ほう、僕っ子ですか・・・得点が高いですn・・・え?むすこ・・・?なんて?今息子と言いました???まさかの男の娘???
この大人しそうで可愛らしい、いかにも守ってあげたい様な雰囲気を持つ超絶美少女が男!
エルンストちゃん・・・覚えましたわ・・・
そしてやんちゃそうな顔をした擦り傷の目立つわんこみたいなのがライムント・・・
まてよ、この名前・・・この2人ってまさか!
「(まさかエルンストが男の娘キャラになっているとは思いませんでしたね・・・事実は小説よりも奇なりということでしょうか)」
コソッとカリーンが耳打ちをする。なんだか使い方が違う様な気もするが。
「(このまま成長を見たい気もしますね。これから男らしくあれとかなんとか周りに言われて変わっちゃうんでしょうか)」
とりあえず自分の欲望を忠実に伝えておく。
男の娘・・・なんかテンションがハイになってきたよ。
やっぱゲームとは別物という事なのだろうか。
「息子・・・?コホン、し、失礼致しました。お初にお目にかかります、私ローゼンミュラー公爵の娘のユーディットと申します。よろしくお願い致します」
動揺しながらも完璧なカーテシーを披露する。流石だ。
驚きもあったが、軽く自己紹介を済ませ、今日の計画を確認する。
とりあえず今日は、無属性というものについて調べる事にし、手分けして本を集めることとなった。
普通の書庫内を調べ終わり次第禁書庫に行くという手筈だ。
まだ兄貴は謝る気にならないのか、タイミングがつかめないのか2人を連れてさっさと書庫内に行ってしまった。
そんな兄貴に呆れながらも、カリーン先生とユディとで本を探す。
「すみません、私の為にこの様な場を作って頂いて」
「構いませんよ!それに私だって無属性だけ使うことができていないので。兄上についてもこれを機に無属性についての偏見をなくして貰おうという父上の考えでしょうしね」
「私も未知のものへの探究心というものが・・・あっ、この本なんて書かれてそうじゃないですか?《属性の成り立ち》ですって。ふむふむ・・・うーん、『無属性については未だに分かっておらず、何か他の要因によって発動する可能性もあるがそれらが解明される事はなかった』えぇ・・・」
こうして私たちは黙々と本を調べまわったのだった。
格好も女の子の格好をしているので見た目は完全に超絶美少女そのもの。




