光の導く先
光に導かれるままに船は進む。頭が働かず呆然としていると、乗っている救難船よりも数倍大きい船が視界に入った。
なんだ・・・?この船は・・・?
呆然としていると船体に赤い十字架のマークがあることに、気が付いた。
医療船なのか・・・?
疑問を覚えつつも船は進んでいく。何を思っても俺には止める術がない。
そんなことを考えているうちに乗っている船の前に壁のようにそびえたつ大きな船体が近づいてくる。
このままぶつかるかもしれない。
そんな気持ちがないわけではない。しかし、もう身を任せるしかない。
ぶつかる直前に船体が割れて入口が現れた。そのまま船は招かれるように暗闇の中へ進んでいく。
一瞬の暗闇を抜けると、そこは明るい船の停留所のようだった。中には無数の小型船や整備用品が置かれているが、ゴチャゴチャというよりはきちんと整列されており、自分たちは助かったのではないかとの気持ちにさせられる。
まだ油断はできない・・・
そうこうしているうちに大きな揺れもなく、ゆっくりと船は停止した。俺は目の前の妹を抱えようか悩み、周囲が安全とはいえない状況だと思い直し妹の額を撫でた。
絶対助ける。
いままでの不可思議な体験に不安を覚えつつも、意を決して両足に力を入れて立ち上がる。
よし!いくか。
そのまま背を向けていた救助船の入口の方に向き直し、外へ向かうために入口へと向かった。