夜3
あろうことか僕の口から出たのはそんなどうしようもない言葉だった。
「え、あぁ、え?」
ほらぁ!! 意味不明な言葉のせいで彼女戸惑ってるじゃん!!
「い、いや!!今日空気澄んでるじでしょ!!」
なんかえげつない噛み方したような気がするぞ今。ええい!! しかし過去を振り返らない、勢いで押し退けるんだ!
「 何時振りだろうね、七夕に天橋が見えるなんて」
なんてロマンチックな台詞だ!何言ってるんだろうね!
しょうみキモいよね
「・・・・そ、そうね!本当に良く済んでる、けど今のセリフって月じゃないの?言うとしたら」
「いや、僕君に今のところ好意は持ち合わせてないし」
彼女の顔が露骨にイラッと来ている。
反射的に言ってしまったがこの言葉がクリティカルミスだと言うことは自分でも理解している、理解しているから責めないで欲しい
「はあ、この惨状を見て良くあなたそんな事が言えるわね。しかし何で私がこんなによく分からない人に振られたみたいな感じになってるのかしら・・・・・」
よく分からないてあんた。同じクラスの隣の席なのに。
まあ良いか。もう夜も深い
さてと僕はクルリと踵を返す
「じゃあ、ここらへんで。夜出歩いたら危ないからね。君もさっさと帰って、その着物血が飛んでるからね。警察には気をつけて。見つかったら完全に殺人犯だからね!!
ってひぃ!!」
家路に向かい足を伸ばすと耳の横に刀が伸びてきた。
恐る恐る後ろの渡辺さんを見る彼女は笑いながら言った
「そう言わないで、夜道の散歩も乙じゃない?」