学園長室にて
大変遅くなりました汗
大変申し訳ありません汗
「まず前提として知っておかねばならない事だが……レオナール・フォン・グリューゲル。彼の正体は、あの七龍の契約者だ」
クロエルの言葉に皆が一様に困惑の表情を浮かべ凍りつく。
そんな中、アレクが戸惑いながらもレオナールに声を掛けた。
「なぁ、レオ。学園長が話されている七龍って……殿下の演説で見たあの七龍のことだよな?いったい学園長は、何を言っておられるんだ?」
アレクは、あの記念すべき立王太子の儀に父と共に参加しアリウスの演説を聞いていた。
その際、アリウスの言葉に呼応する形で上空に顕現した七龍……あの圧倒的な存在感を放つ龍達の姿を目の当たりにし人生で感じた事のない高揚感を肌身に感じたことを今でも尚身体が覚えている。
そんな雄々しく猛々しい龍達の契約者が、目の前の年端も行かない友人だと言われても許容出来るはずがない。
レオナールは、そんなアレクの心情を察してか、苦笑を浮かべつつ納得した様子で返答する。
「あはは……いきなり話されても、意味が分からないよな」
そうアレクに応えながら、クロエルに視線を向け続けて声を発する。
「学園長。みんなに彼等を紹介したいのですが、陛下からも許可は得られているのでしょうか?」
「ああ、問題ない。陛下からも環境に配慮した上でなら構わないと許可を得ている。この部屋は、結界によって外部からの影響を受けることはない。完全に切り離された空間と思ってくれて良いだろう」
「分かりました。御配慮ありがとうございます」
「いや、構わんよ。私も陛下から話を聞いて以来、彼等と会ってみたいと思っていたのでな。君から紹介してくれると言うのなら渡りに船だ」
レオナールがクロエルの配慮に感謝の意を伝えると、クロエルもまた好々爺の笑みを浮かべ返答する。
そんなやり取りを終えたレオナールは、未だに困惑の表情を浮かべているアレク達に視線を戻し声を発する。
「こんな形で話すことになるとは思わなかったけど……紹介するよ」
そうレオナールが言い終えると、何も無い空間から七頭の子龍が次々と姿を現した。
「「「…………?!」」」
レオナールの側に急に戯れる様に姿を現した龍達を目にし声を失うアレク一同。
そんな最中、レオナールの側を離れルーメンが部屋の中央に飛翔し進み出る。
そして、クロエル達に念話で話し掛けた。
『お初お目にかかる。儂が七龍の長にして光龍達を統べる王……主レオナールに仕えるルーメンじゃ。よしなに頼むぞ』
威厳に満ちたそんな声色のルーメンの言葉に皆が一様に息を呑む。
クロエルは、そんなルーメンに短く頭を垂れ敬意を払いつつ声を発する。
「お初お目にかかります。光龍王ルーメン。私は、クロエルと申します。後ろのレオナール君の側に控えておられるのは、お話に聞く各龍王達でしょうか?」
『然り。我等は皆、各属性龍の王にして主レオナールの召喚獣じゃな』
「学園長。僕から『俺は、イグニス!見て分かる通り火龍王だ!よろしくな!偉大なる俺達を敬って美味いもんでも貢い……グヘッ!?』……紹介って、言う前に馬鹿が一人、いえ一頭いました……すいません」
そういいつつイグニスの首にヘッドロックを掛けるレオナール。
青褪めつつも逃れようと翼をはためかせるイグニスに対し、レオナールは溜息を吐きスっと力を緩めた。
ゆっくりと下降し床でぐったりとうつ伏せに大の字となるイグニス。
そんな彼を横目にアクア達が念話で話し掛ける。
『お見苦しい所を申し訳ありません。私は、アクア。あれと同類ですが水龍達の王をしています』
『おいらは、テラ。地龍王なんだな〜』
『私は、ウェントス!風龍王だよ!』
『…………闇。テネブラエ。』
『ボクは、雷龍王フルメン……にしても、イグニス大丈夫?』
『もう少しでドラゴンゾンビになる所だった……』
「それは、知らん。お前が馬鹿なことをするからだろ」
『限度があるだろ限度が!!!』
ーーそんな自己紹介と漫談が繰り広げられている中、呆然と見つめていたルベルがふと声を漏らす。
「し、信じられない。これが、あの七龍だというのですか?それにしては、あまりにも姿が小さ過ぎる。いや、ですが……子龍といえど子供が龍を七頭も従えるなんて……いったいどうやって……」
『フォッフォッフォッ。この姿は、普通の魔物には無理じゃろうが儂等程になると魔力を練ることで元の大きさから小さくなることが可能なのじゃよ。
……にしても、主との契約が信じられぬのは、仕方ないことよのぉ。儂等でさえ召喚された時は、驚いたものじゃ。類稀なる魔力量と主自身の儂等に対する適正が無ければ、儂等は一頭足りとも召喚…契約すらされなかったじゃろうしな』
「なるほど。召喚師と召喚獣の因果関係には、その様な魔力量と適正が必要だと……ですが、腑に落ちない点があるのですがよろしいですか?」
『うむ。何じゃ?』
「尋常でない魔力量という点は、私も試験で拝見させて頂き得心が行ったのですが……そんな彼がどのようにして、あなた方と契約が結べたのですか?例え、その様な尋常でない魔力量といえど龍王たるあなた方と比較すれば相手になるはずがないと思うのですが……」
『そうじゃの。本来であれば、その通りじゃ。じゃが、儂らが主に仕えたのは、5年前……儂等が転生する直後の状態だったからのぉ。まぁ、それでも負けなかったじゃろうが、儂等は主の内面とその素質に惚れ込んで戦う事無く契約を結んだ……ただそれだけの事じゃよ』
威厳に満ちたルーメンの語りに全員の視線は、レオナールに注がれる。
レオナールは、内心『食事に釣られただけだろ』と思いつつも、場の雰囲気に押され声には出せなかった。
そういった雰囲気の中、ルーメン達の会話を聞き考え込んでいたラーナが声を発する。
「なるほど。レオが7歳の時にあなた方と契約されたというのは、驚きの事実ですね。私は、今まで何故ティア様と一介の名誉貴族……言わば底辺に位置する貴族のレオが繋がりを持てたのか不思議でなりませんでした。先の戦争における御父君の戦果を持ってしても、何故ティア様があれ程レオの事を話すのか……『ラ、ラーナ?!』……答えの一部は、あなた方にあったのですね」
得心が行った表情を浮かべ、ラーナが発言する中、発言に割って入る形でティアリスが赤面し抗議の声を上げる。
しかし、続けてアレクが発言することで聞き流された。
「俺も納得したよ。道理でアリウス殿下やティア様と仲良い理由だ。王家を絡めたそういった理由だったのか……それにしても、まさかあの七龍がなー……こんな姿で目の前に現れたら、あの時の俺の感動を返して欲しいよな」
そういいつつレオナールに戯れる七龍……もとい子龍の様相を垣間見て、アレクの中の七龍のイメージが瓦解する。
そんな一連の会話が落ち着いたタイミングでクロエルが声を発する。
「陛下から話を聞いていた私も彼等の今の姿には驚いたが……魔力の扱いに置いても流石は龍王種といったところか……っと、いかんいかん話を戻さねばな。光龍王ルーメン、申し訳ないがあなた方の存在は、国家機密の為、我が学園では行動に制限をさせていただく形になる。了承して頂けるだろうか?」
『儂等は、主の一介の召喚獣の身の上じゃ。ルーメンで良い。制限を受ける以前に主とも事前に話をしとったわい。安心せい、儂等は、基本姿を示さん。じゃが、さらに主に実害を加えるとなれば、話は別じゃがの』
安穏とした表情に鋭い視線でクロエルを見つめるルーメン。
クロエルは、そんなルーメンの言葉と威圧に息を呑み冷や汗を流すと両手を上げ降参と言わんばかりに答える。
「流石は、全て御見通しという理由ですか……」
『フォッフォッフォッ。あまりに不可解じゃったからな。謝らねばならぬ事と言われれば、それしか思い浮かばんよ』
そんな二人のやり取りにレオナールを含むその場に居た全員が驚きの表情を浮かべる。
そんな皆の表情を一目した後、クロエルが続けて声を発する。
「レオナール君。君に謝らねばならない事というのは、ゴルグ副学園長の件だ」
「え、ゴルグ副学園長ですか?いったいどういった件で?」
レオナールは、検討もつかないと言った表情で発言しクロエルに発言を促す。
「実は、君の試験結果に改竄された形跡が発見された。彼が改竄をした結果、君がEクラスに配属されることになったのではないかと私は疑っているんだ」
「………………えっ?」
レオナールは、思いがけないまさかの情報に思考が追いつかず呆然と立ち尽くすのだった。
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いつも暖かい感想ありがとうございます!
展開はいつも何度も構想を練り直して、楽しく見ていただけるように思考しております。
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※リア友が同じく、なろうで小説を書き始めました。もしよろしければ、チラッとでも覗いていただければ幸いです。
https://ncode.syosetu.com/n7217hg/
救済の英雄譚
次回更新は、11月21日の予定ですm(_ _)m




