立王太子儀 その後
何を言われようと1人でも読者様が居る限り続けて参ります!
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ーーーーーー◇王家サロン◇ーーーーーー
「はぁ……。取り敢えず、一段落だな。」
安堵の息を吐きソファーに凭れ掛かるように座り込み水を飲むアリウス。
そんなアリウスに対しレオナールは、微笑を浮かべ畏まった声色で声を掛けた。
「お疲れ様でした。アリウス王太子殿下。」
「ブハッ‼︎……ゴホッゴホッ。気持ち悪い話し方を辞めろ!」
「あはははは、吹き出すなって!汚ないなー!」
「お前が変なこと言うからだろうが!」
「ごめんごめん。儀式も様になってたし揶揄ってやりたくなったんだよ。」
立王太子の儀式を終え、取り留めのない会話をしつつ暫しの休息を取るアリウスとレオナール。
そんな二人の元に、儀式後の段取りを終えたルクス達がサロンに姿を現す。
「二人共ここに居たのだな。」
二人の姿を見るなりフッと微笑を浮かべ、ルクスが声を掛ける。
ルクスは、レオナールに視線を移すと後ろめたい表情を浮かべ言葉を続けた。
「レオナール、龍達の件無理なことを言ってすまなかったな。皆で政治利用しないと言ったばかりであるのに頼ってしまって……。」
レオナールは、まさかのルクスの発言に焦って返答する。
「いえ!滅相もありません。私も龍達も国民が安心するのであれば、いつだって微力ながらお力添えさせていただきます。お気になさらないでください。」
「そうか……。そう言ってもらえると助かる。今回、龍達の存在を改めて周知できたことで、龍達に対し不安を抱いていた国民や貴族達にとってこの上ない安心材料となっただろう。国民達の不安を排除できたことで、これから円滑に政が行えるのもお主達のおかげだ。」
ルクスが微笑を浮かべレオナールに語ると、傍にいたジークが割って入る様にルクスに声を掛ける。
「陛下、申し訳ありません。大変失礼ながら、一つだけ陛下にお尋ねさせていただきたいことがございます。」
「うむ。何事だ?」
「ありがとうございます。お尋ねしたいことと言いますのは、我が息子レオナールの今後の所在です。特務隊の一員として名を連ねることとなったのは、身に余る光栄です。ですが、例え並々ならない実力があろうと、息子は年端もいかない子供です。今後の扱い方次第では、大変失礼ながら父として見過ごす訳には参りません。」
ジークは、ルクスに対し臣下の礼をとりつつ真剣な表情を浮かべ家族の為に直訴する。
そんなジークに対しルクスは、微笑を浮かべ返答する。
「安心しろ。レオナールの存在を知る者は、我々とあの場に居合わせた者達以外に変わりはない。国民に龍達とそれを従える存在がいるという認識を与えるが為に力を借りたが、隊に所属すると言えど名前も非公開であり国家存亡に関わるような緊急時以外に手を借りるつもりは毛頭ない。それに借りるといえど龍達の力が主だったものとなるだろう。」
「そうですか……ありがとうございます。大変失礼な物言い申し訳ありませんでした。」
「気にするでない。我が子を想うのは、当たり前のことだ。」
そんな二人のやりとりを傍らで見守っていた王妃セシルは、手を叩き注目を集めるとゆっくりと口を開く。
「話は、一先ずそれくらいにしましょう。あなた、まだやるべきことがあるのではなくて?休むのは、それからでも遅く無いでしょう。」
「そ、そうであったな。我は、公務に戻る。ジークよ、貴公も特務隊の件で話がある。着いて参れ。」
「ハッ!……レオ、殿下にご迷惑をお掛けする前に帰るんだぞ。では、行ってくる。」
ジークは、ルクスに短く呼応した後レオナールに話し掛けると、ルクスと共にサロンから退室した。
その場に残ったセシルとティアも勉強の為と、一言レオナール達に伝えサロンを後にする。
その場に残ったレオナールは、ボソッと呟くようにアリウスに話し掛ける。
「……セシル様って、やっぱりなんか凄いな。」
「お前は、まだ母上の本当の怖さを知らないだろ……見たか?ティアの引き攣ったようなあの表情を……。母上は、父上に劣らずの知識と淑女の鏡とまで呼ばれている傑物。ことマナーの勉強に関しては、私すら身震いする程だ……。」
「てことは、今からの勉強って……。」
「お前の思っている通りだろうな。普段の母上は、優しく穏やかで民からも慕われているのだが……身内には、時にして厳しいんだ。」
「おぉ……。ティアの無事を祈るしかないな。」
「そういうことだな。ところで、お前は、大丈夫なのか?」
「え?何が?」
「は?何がじゃないだろ?来週、クロス学園の試験日だろう………って、お前まさか?」
「…………あ、アリウス、何の勉強したらいいんだっけ?」
「もう駄目かもしれんな……。」
「そこを何とか!?アリウス大先生、御教授よろしくお願いします!」
「遅いわ!大馬鹿者!ティアは、万全の状態で試験に臨めるというのに、お前というやつは……ええい、行くぞ!」
「え、どこへ?」
「書庫に決まっているだろうが!お前には、この国の全てを叩き込んでやるから覚悟しろよ!」
「いや、少しくらい手を抜いてもらっても……。」
「あぁ?」
「何でもないです。よろしくお願いします。」
そういうと、アリウスとレオナールは、足早にサロンを後にするのだった。
ーーレオナールは、この日から試験当日まで般若を背負ったアリウスの地獄の様な勉強の日々に眠れぬ日々を過ごしたのは言うまでも無いだろう。
ーーーーー◇クロス学園正門◇ーーーーー
一週間の時が流れ、ここクロス学園正門には、数多くの貴族や平民がそれぞれ列をなして並んでいた。この列の先では、入学試験を受ける為の手続きを行うことが出来るのだ。
レオナールとソフィアもまた、この列に並び自らの順番を待ちわびる。
クロス学園は、王国最難関と言われ格式高い学園とされている。
この学園では、完全実力主義とされており貴族の威光も届かず、学園内では平民も貴族も同等として扱われているのだ。その為、例年受験者が多く有数の名門貴族家といえど不合格とされることが過去幾度となく存在する。
その受験における総合の結果によってS〜Eクラスに分類され、それぞれの実力に応じたカリキュラムが組まれているのだ。
「次の方どうぞ。」
順番を待っていたレオナールに受付に声が掛かる。
「はい。受験番号324番レオナール・フォン・グリューゲルです。」
「324番……確かに。確認が取れました。では、簡単に試験内容についてご説明します。まずこの後、筆記試験を受けていただきます。その後、決闘場に移動していただき職業に応じて武術もしくは魔法を用いた実技試験を執り行います。レオナール様の場合ですと……え?召喚士?……では、魔法がいいかと思いますが……その、何といいますか……合格できるように頑張ってください!」
受付の女性職員は、そう説明を終えると受験カードをレオナールに手渡し、逃げる様に次の者を呼ぶ。
レオナールは、そんな女性の対応に苦笑を浮かべ、ソフィアに愚痴を漏らす。
「あからさまに俺は、落ちると言いたげな対応だったね。」
「そうね。でも、世間一般での召喚士の扱いというのは、こんなものよ。それに学園創設以来召喚士が合格した前例が無いもの。」
ソフィアもまた我が子に対する職員の態度に怒りの表情を浮かべるものの、世の中の召喚士に対する扱いについて思うところもあり仕方ないと割り切っていた。
そんな悔しげな表情を浮かべるソフィアを見つめ、レオナールが声を発する。
「母さん、ちょっとその前例を覆してくるよ。」
レオナールの発言にソフィアは、一瞬気の抜けた様な表情を浮かべた後、暖かい笑みを浮かべ声を発する
「……そうね。レオ、貴方なら大丈夫。いってらっしゃい。龍達の事は、気をつけてね。」
「分かってるよ。みんなの事は、内緒だろ?ルーメン達も勝手に念話で他の知らない奴と喋ったりしないでくれよ?」
『フォッフォッフォッ。わかっておるわい。心配なのは、イグニスとテラぐらいじゃろうて。』
『『何でだよ(なのね〜)!?』』
『…………………日頃の行い。』
「あはははは。テネブラエの言う通りだな。まぁ何にせよ、精一杯頑張ってくるよ!」
イグニスとテラの悲痛な声に対しテネブラエが核心をつくツッコミを入れることで、緊張が解けた様に声が弾むレオナール。
そんなレオナールは、ソフィアに対し笑顔を浮かべ声を掛けると颯爽と走りながら校舎に向かうのであった。
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次回、入学試験(仮)
7月 4日21時までに出来上がり次第更新いたします。
勤務変更に伴い、明日7月1日が仕事になりました。
また、ここ最近の休みが大幅にズレた為、更新日変更しています。
1日の予定でしたので2000字程度掛けていますので、4日には、更新出来ます。
これからも七龍の契約者をよろしくお願いします。
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