成長中
今回の話は、主人公の心の中で思ってることがメインなので()を付けておりません。2021.6.21改稿
俺は1歳になった。
我が家のこと。この国のこと。スキルのこととかある程度いろいろ分かったな。
まず我が家の身分である王国名誉貴族が何かと言うと、父さんのジークが10年前に起こった戦争で冒険者でありながら多大な功績を挙げたことで一代限りの貴族になったのだそうだ。
所謂、騎士爵と同等の準貴族ってやつだな。
まぁ貴族といっても、王国から少し貴族給金をもらえるけど、領地なんて全くないし屋敷が少し広くて庭がある程度だ。
あー、あと屋敷をもらえたのは嬉しいんだが、王国の入り口である門の近くに屋敷を与えられたんだよな。
簡単に言えば、何か問題があれば身を盾にして王国を守れってことだな。
この国は、アーリナル王国といって、大陸の中央部に位置するそこそこ大きな国だった。様々な種族が助け合いながら過ごす穏やかな国だ。
北にはエルフが住む原生林があり、入ったものは迷いそのまま帰らぬ人となる魔の森がある。
東には険しい山脈を挟んでディルト帝国があり人族至上主義の気にくわない国がある。
うちでは、犯罪奴隷以外には人権が認められているが、帝国だと全ての奴隷の扱いが極めて悪く他の国々からも嫌われているらしい。
南には海といっても問題ない大きさの河川を挟んで魔族の領域がある。余談だが、小さい頃は、悪い事をすると魔族がきて頭から喰われる……という日本で言う所のナマハゲのようなありきたりな話があるようだ。
西には獣王の住むカレイル獣王国がある。獣人達は、獣人の種族特有の身体能力やスキルを持っており、人口の多くはその名の通り獣人が多い。ちなみに、うちの王国に一番仲がいいらしい。
一応大陸の国で言うとこんな所だな。他にも小さな島や大陸はあるようだが、あまりこの国は関わっていないらしく情報を得れなかった。
そして、職業とは、一般的には、一人一つこの世に生を得た時に神から与えられると伝わっている。だが、中にはダブル職業と言って二つの職業を授かる者もいるらしい。まぁその職業に関連するスキルが入手できるということだ。
また、例えば職業が戦士であっても魔術等のスキルを獲得できるらしい。
しかし、まず第一にスキルを習得すること自体が難しく、例え習得出来たとしても血の滲むような特訓や余程の才能がなければスキルレベルは上がらず中級者の領域には到達すらできないようだ。
さらに、稀に俺のような召喚士等の職業を持つものが産まれるのだが……この世界一般では所謂ハズレの職業なのだそうだ。
召喚では、召喚者の魔力によって魔物や精霊といった者を召喚できる。召喚した際に1人で戦い、屈服させなければ契約できないという厳しい職業なのだ。
それに、一般的に召喚士が職業の人は、魔術師ではないため魔力が魔術師より少ない。そのため、スライム等の低級が多く、良くてハーピー等の中級の魔物しか召喚できない。もし仮に上級の魔物を召喚したとしても大抵の者は、1人で勝てるわけもないため召喚された者に喰われる……そんな残酷な運命なのだ。
ちなみに一般的な召喚士で良くて3つの契約しか結べないそうだ。過去に5つの契約を成した人もいるそうだが数える程しかいないようだ。
あと、相手のステータスを見るには鑑定石というアイテムに手を翳さないと見れないらしい。
そして、10歳になり初めて神殿でステータスを確認し職業やその時点でのレベルやスキルが分かるようなのだ。それ以降となると、冒険者のプレート等に個人の魔力の波長に合わせた特別な鑑定石つけて確認出来るようになる。また、稀に鑑定に関する魔眼を持っている者は、俺のように他者のステータスを見ることができるそうだ。
この世界では、レベルやスキルでステータスが形成されている。
魔力も人それぞれあるのだが、鑑定石では内包量が多いか少ないかしか分からない。
スキルは、レベル1〜3が初級者、レベル4〜5中級者、レベル6〜7上級者、レベル8〜9達人、レベル10神域となるらしい。
達人の域に到達するのは世界でも一握りの人達だそうだ。神域には、現在数人程到達している者もいるようだ。
レベルは10歳の時に平均で5〜10レベル辺りであり、レベル20になると一般的、レベル30になると上級、レベル40だと達人……レベル50以上になると世界でも1000人をきるのではないかと言われている。
つまり、10歳までは自分の子供は何の職業か分からないため両親の職業を考慮してそれまで訓練するのだ。
父さんも母さんも俺が召喚士だということを知らないため、今なお隣の部屋で今後の計画を話している。
午前中は魔法、午後は大剣術を叩き込むってさ。
俺、まだ1歳なんだけど死なないよな……。
3歳になった。
うん。あっと言うまだね。ちなみに、まだ本格的には魔法も大剣術も習っていない。
しかし、母さんが、魔法の本を主に読み聞かせてくれている。そして、時々一緒に書斎にいき、召喚術に関する本を探し出し読んでもらうようにせがんでいる。
もちろん毎回召喚術に関する本をせがむのは怪しまれるため、色んな本と混ぜながら読んでもらっている。
1歳の時から2年も毎日読み聞かせをされたら大抵内容覚えちゃいました。ってか、覚えない方がすごくよね……
てなわけで、自室です。
隣の部屋では夫婦仲良くしている音が聞こえてくる。
まぁ若いんだから仕方ないけど、少しは考えて欲しいものだ。
……でも、出来れば妹がいいなと思うのは俺だけの内緒だ。
……と、閑話休題。
聞こえてくる音は気になるけど、毎度のことなので俺は無視している。魔法が何たるかが分かった頃から毎日内緒で練習するのに忙しいのだ。
そして、今日やっと水魔法レベル1を取得できた。
しかし、ある意味お約束なおねしょみたいになってしまったのは言うまでもないだろう。
……最悪だ、布団までビショビショで床まで垂れている。
こういう時は‼︎
コンコン……ガチャ…
「父さん、母さんごめんなさい。ぐずっ……濡れちゃった。」
母さんの上に覆い被さるように父さんがポジションをとっていた。
暫く固まっていたが気付いたように母さんがローブを着てベッドを抜け出してくる。
慌て様が半端ないのはご愛嬌だな。
「どうしたの?濡れちゃった?……あ、服がびしょ濡れね。ということは、お布団も濡れてるわよね。恐い夢でも見たのかしら?大丈夫よ。すぐにアルマを呼ぶから少し待ってね。」
母さんは、何もなかったかのように振舞っていた。まぁ、知らないふりをしよう。
あっ、ちなみにアルマっていうのは、俺を取りあげてくれた家政婦だ。昔からの父さんの知り合いらしい。
そうして、夜が更けていく。




