プロローグ
はじめまして!
Lightです!
少しでも皆様の暇潰しになれば幸いですf^^*)
良ければ評価と勝手になろうへの投票よろしくお願い致します!
尚2012.6.17より、1話から順に構成を見やすいように改稿しております。
何と言いようを得ない不思議な感覚に包まれ、龍也はふと目を覚ます。
そこは、辺り一面何もない真っ白な世界……そんな世界に龍也は、一人佇んでいた。
「あれ?ここはどこだ?俺は、確か家で……」
(そうだ、確か誕生日でみんなに祝ってもらってたよな?それで、急に胸が痛くなって……あれ?それからどうなったんだ?もしかして死んだのか?いや、まさかな……)
「はい、お亡くなりになりましたよ?何を言ってるんですか?」
「えっ!?」
龍也は、誰もいなかった筈の世界に聞こえてきた声に驚き振り返る。
すると、そこには絶世の美女が困惑の表情を浮かべ立っていた。
「霧谷龍也さん、あなたは先程心筋梗塞でお亡くなりになりました。困惑されているかと思いますが、あなたには二つの選択肢の内どちらかを選んでいただく必要があります。
一つは、このまま同じ世界の裕福な家庭に転生するか?もう一つは、貴方の世界の言葉で言うところの異世界に転生するか?どちらがよろしいですか?」
龍也は、何が起こっているのか理解出来ず呆然と美女を眺めていた。
(いかんいかん、まずは状況把握だ。)
龍也は、首を振って考え直す。
(まず、この人は誰だ?何を言っているんだ?)
「先程から転生だと言っているじゃないですか。あと自己紹介が遅くなりましたが、私はフィーナと申します。あなたの世界や数多くある世界の女神をしていますので、以後お見知り置きを。それで、どうされますか?」
(いやいや、ちょっと待て。なら、ここは死後の世界ということなのか?転生する先の異世界ってどんなところなんだよ?)
龍也は、フィーナの話を聞いた直後から数多くの質問や思いを錯綜させた。
「あの……思考を巡らしているところ申し訳ないのですが、少しよろしいですか?あなたの今の状況は、言わば精神体……心そのものなのです。言葉に出さずともあなたの心と会話することは可能ですが、折角なのでしっかりと私の顔を見て話してくれませんか?」
龍也は、フィーナの発言を耳にしてハッとして顔を上げる。
そこには、少し不機嫌そうに龍也の顔を見つめるフィーナが立っていた。
「あっ、すいません。ちょっとまだ信じられなくて……でも、死んだって本当なんですね。良く分からないですが、事実なんだってことは不思議と分かります。心と会話することが出来るなら既に分かっていると思いますが、異世界とはどんな世界なんですか?」
龍也がフィーナに謝罪すると、フィーナの表情は笑顔に変わる。
そして、思い出したようにフィーナがハッとした表情を浮かべる。
「転生先の世界の名前は、ウェルスガイアといいます。簡単に言うと剣あり魔法あり魔物ありの世界ですね。そちらに転生するなら記憶は、そのままで転生させてあげますよ。」
「ま、マジですか!?でしたら、是非それでお願いします!」
龍也は、実のところラノベやアニメといったサブカルチャーが好きな部類だった。所謂隠れオタクだ。
だが、周りの目が怖くて普通を装っていたのが実情だったのだ。
(夢想していたことが本当にラノベ以外であるなんて……ヤバイな、ワクワクしてきた!)
「喜んでいただけたのなら幸いです。それよりも、ちゃんと言葉で話してくださいよ。子供の頃に顔を見て話すように習いませんでしたか?」
フィーナは、再び不機嫌に頬を膨らませる。
そんな姿に龍也は、少しドキッとしたのだが、それは秘密だ。
「あっ、すいません!気を付けます!それで、俺はどんな家に転生できるのですか?それと、何か能力的なものをもらえたり……というのは?」
龍也は、頭を下げながらチラッとフィーナの顔を覗き込む。
対してフィーナは、右手を頬に添えて首を傾けていた。
「そうですね。生まれるところは、こちらで指定できません。0歳から生まれ変われること自体がすごい能力じゃありませんか?でも、そうですね……少しだけオマケの能力と職業を与えましょう。」
(そりゃそうだよな。不運にも事故になったとか、神様の間違いで死んだとかじゃないしな。それに職業?まぉよく分からないけど、そんだけもらえれば儲けものだよな。)
「わかりました。色々と考えていただいて嬉しい限りです。それで転生させてください。」
龍也が思考し悩んでいた顔を上げる。しかし、フィーナは、汗を流しながら動揺していた。
「どうかしました?」
龍也が話し掛けると、フィーナはハッと龍也の目を見る。
「えっ!?いや、なんでもないですよ。そうですね、では新たな世界へ旅立ちましょう!!」
(おいおい、この女神……キャラが崩壊してるぞ。まぁいいや。転生した先が普通の家庭でありますように!)
そうして龍也の意識はブラックアウトしていった。
ー◇女神フィーナサイド◇ー
「……行った…みたいね。流石に『隣に住んでたお爺ちゃんが死ぬはずだったのに、寝ぼけて部屋を間違えた。』なんて言えないし……バレなかったわよね?あんだけサービスしたんだからバレても怒られないわよね……うん、大丈夫!私って完璧!」
フィーナは、自分自身が犯した過ちに対し自問自答する。そして、その問いに対し自己肯定することで気持ちを落ち着かせるのだった。