0 望むもの
ど素人の初めての投稿です!少しでも楽しんで下されば幸い...と思って書いてみました。何せ趣味全開なので色々おかしいところもあるかとは思いますが、そこは温かい目で見守ってほしいと思います。王道の学園バトル+ラブコメのファンタジー設定なので、ほんとに趣味全開ですが、是非お付き合い下さい!では、お願いします!
ずっと、思っていた。
自分は何者なのだろうと。
どこで生まれたとか、どんな名前だとか、どんな性格なのかとか関係なく、自分とは何なのだと。
別に何かに不満があった訳じゃない。小さい頃、毎日は楽しく嬉しいことの連続だった。家族だってとても優しかった。一緒に遊んでくれる仲の良い幼馴染だっていた。
そう、何も嫌なことなんて無かった。いつまでもこんな楽しい時間が続けばいいなと思うほど、周りの全てが好きだった。
少し時間がたって小学生になってもそれは変わらなかった。
低学年の時は、それまでとほとんど変わらない生活だった。もちろん楽しかった。勉強なんてあって無いようなものだったし、気にしなくても良かった。時間はあっという間に過ぎていった、
中学年になった。やっと何かを考えられるようになった。とはいえそこまで考えることは無かったし、やはり毎日は楽しいものだった。妙に世界が開けて見えた。自分は何でもできると、子供ながらに夢見ていた。
自分は何者なのか。そう考えるようになったのは、そんなときだった。
―世界が、変わったのだ。
唐突に、突然に、何の前触れもなく。
災厄とも呼ばれたそれは、自分という存在を書き換えた。いや、書き換えたのは自分なのかもしれない。自らが望んで、望まない力を得たのだから。
その時から常に考えている。
自分は何者なのかと。どこで生まれたとか、どんな名前だとか、どんな性格なのかとか関係なく、自分とは何なのだと。
知りたいのはそれだけ。
どうして平穏な毎日が壊されたのか。
どうしてあんなことが起きたのか。
どうして自分は変わったのか。
それすらどうでもいい。
純粋に自分とは何か。その答えさえ見つけられれば。
彼らに出会ったのは、災厄が起きてから、数年後。「自分とは何か」の答えを探すことを、半ば諦めていたときだった。
彼らはもがいていた。あの記憶から逃げまいと必死に。あの記憶に負けまいとがむしゃらに。あの記憶すら力にと貪欲に。
―決して諦めずに。
ならばこそ、自分が諦めることなど許されないと決意した。
きっと誰よりもあの記憶に近いのだから。
例え答えなど無くても。例え納得なんて出来なくとも。
たった一つでも、確信できる「何か」を得よう。
そう強く願った。
―これは俺と、彼ら彼女らの物語。