第十二話 特効薬が効かない!? 7 フームス隊長快復編
芽々とエルヴィンが和んでいると、後ろでフームス隊長の荒い息遣いが聞こえてきた。
そうだった、フームス隊長がまだ残っていたんだった……!
「フームス隊長~! 魔法薬ができたよ~!」
「芽々さんが作ってくれましたからね!」
「早く良くなってください、フームス隊長~!」
部下さんたちの応援を背に受けて、芽々はフームス隊長の枕元に膝をついた。
魔法薬のふたを開けようとすると、フームス隊長の手が布団の中から伸びてきた。
「って、ん……?」
しかし、フームス隊長は、魔法薬ではなく芽々の手を掴んだ。
そしてありえんことに、フームス隊長は芽々を布団の中に引きずり込んだ。
「って、ぎゃああああああ!?」
「芽々ッッッ!?」
病み上がりのエルヴィンが驚愕している。
「おいッッッ! お前たちもフームス隊長を押さえてくれッッッ!」
「は、はい~ッッッ!」
フームス隊長の獣のような唸り声が聞えた。
「俺の熱い×××を、芽々に×××して××××して××××!」
「芽々から離れろッッッ!」
「俺の×××を×××で×××して×××!」
「良いから特効薬を飲ませろッッッ!」
フームス隊長はエルヴィンと部下三人がかりで取り押さえられて、魔法薬を飲まされていた。どったんばったんして、ようやくフームス隊長が大人しくなった。
「芽々……」
フームス隊長はまだ夢の中でしつこく芽々の名を呼んでいた。
傍若無人な寝顔をして平和に眠っている。呼吸も穏やかになって汗も引いている。
どうやら露出病の特効薬はちゃんと効いたらしかった。
それにしても、嵐が去った後のようだ。
「こ、ここは、ライオンの檻の中か……っ!」
でも、ファーストキスと貞操は死守した! えらいぞ、私!
這う這うの体で逃げ出した芽々はこちらを見ている視線に気づいてハッとした。
「露出病は、本能がむき出しになるのか……!? 性欲が増強されるのか……!?」
この、聞き覚えのある声変わりの済んでない声は……って、アリエンさん!?
アリエンが頬を染めて、ドアの隙間からこちらをこっそりと眺めていた。
「まじありえん……! 恐ろしい病だ……! まじありえん……!」
アリエンは、ドアの隙間からこちらを観察して熱心にメモを取っていた。
「……」
芽々の目は真っ平らになったのだった。




