表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天才調合師の魔法薬には事情がある!  作者: 幻想桃瑠
★・・・・・・・★*☆*★【第六章】★*☆*★・・・・・・・★
77/102

第十一話 特効薬が効かない!? 6 エルヴィン快復編

 芽々は、早速『毒消し中和剤』の魔法薬製作に取り掛かった。

 赤秘草を細かく切ったものをすり鉢で擦ると、水分が出てくる。それをガーゼの上に乗せて、ビーカーの上で絞ると、『赤秘草のしぼり汁』ができる。


「アリエンさん、『赤秘草のしぼり汁を二カップ』作ったよ!」


 これは、アリエンの指導のもとで行われているのだ。


「じゃあ、ここに『ストスト菌』を入れて」


 ビーカーに入っている『赤秘草のしぼり汁』の中に『ストスト菌』を芽々は振りかけた。そして、ガラス棒でかき混ぜる。


「魔法機で『発酵』させる」


 そして、魔法機の中に流し入れた。


「発酵させるのは何時間?」

「一時間だけど、魔法機に『発酵一時間のボタン』が付いているだろ?」

「うん、付いてるね!」

「それを押したら、一時間の発酵が一分でできる」

「すごっ!」

「まじありえんけどな!」


 芽々は、早速魔法機のスイッチを入れた。すると、激しく振動し始めた。

 一分経った頃、魔法機は伸縮してポンと音を立てた。

 出来上がりの合図だ。


「せっかくだから、毒消しの中和剤Aもメモしておけば?」

「うん、そうだね!」


 アリエン指導の元、芽々は魔法薬の調合レシピをメモした。


『『毒消し中和剤A』は『赤秘草のしぼり汁二カップ』に『ストスト菌』を入れて『発酵一時間』


★ ★ ★


 芽々がラボラトリーから魔法薬のビンを持って出て行くと、フームス隊長の部下の二人が待ち構えていた。


「芽々さん! そのビンってもしかして!?」

「魔法薬は完成されたのですか!?」


 芽々は首肯して、魔法薬のビンを掲げた。


「一気に飲ませれるように、『露出病の特効薬』と『毒消し中和剤A』を混ぜてみました~っ!」

「おお~!」


 部下その二とその三は拍手喝采した。

 気を良くした芽々は、そのままエルヴィンの部屋に乗り込んで行った。


「芽々さん!? もしかして、魔法薬ができたのですか!?」

「部下その一さんも、看病お疲れ様です~!」


 エルヴィンは、高熱を出して汗をかいているようだ。暑そうに寝返りを打っている。

 芽々は早速、エルヴィンの枕元にしゃがんだ。魔法薬のビンのフタを開けて、エルヴィンに差し出した。


「エルヴィン、魔法薬ができたよ~!」


 エルヴィンはぼんやりとまぶたを開いた。


「口移しで飲ませてくれるのかい……? マイスイートハニー……!」

「完全にキャラが変わっとるがな」


 芽々の頬に自然と安堵の笑みが浮かぶ。


「でも、意外と元気そうで安心したよ。脳みそまでやられてないのかすっごく心配だけどな」


 エルヴィンの横に落ちている絞ったタオルで、芽々はエルヴィンの頬の汗を拭いた。


「芽々……」

「どうしたエルヴィン? 魔法薬を飲ませようか?」


 エルヴィンは荒い呼吸をしている。高熱が出ているのだろうか。


「芽々……! 芽々が早く欲しい……!」


 エルヴィンが、シャツをバッと開いた。


「良いから早く飲め!」


 エロい発言にげんなりした芽々は、エルヴィンの口に魔法薬のビンを突っ込んで問答無用で飲ませた。


「うっ……? あれ? 俺……?」


 エルヴィンは、高熱を出した後のように気怠そうだ。

 でも、呼吸も安定して目には光が宿っている。


「芽々がなんで俺の部屋にいるんだ……?」

「やっと正気に戻ったか!」


 どうやら、エルヴィンの脳みそも大丈夫だったらしい。


「あのね……!」


 今までの事を説明すると、エルヴィンは安堵したらしかった。


「芽々がいてくれてよかった。でないと、俺の人生はとんでもない事になるところだったな……!」

「エルヴィン……! 本当にエルヴィンが元気になって安心したよ~!」


 芽々とエルヴィンは、ほのぼのとして快復を喜び合ったのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ