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天才調合師の魔法薬には事情がある!  作者: 幻想桃瑠
★・・・・・・・★*☆*★【第六章】★*☆*★・・・・・・・★
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第九話 特効薬が効かない!? 4 回答編その2

 その二時間後、部下その二が帰ってきたのか、ドアチャイムが鳴った。芽々は急いで出迎えた。

 外はとても寒いらしい。アリエンと部下その二は外套を着て、手袋をつけていた。


「ただいま戻りました!」

「ご苦労様です!」

「芽々、何か大変らしいけど……」

「アリエンさん、来てくださってありがとうございます!」


 芽々が手を合わせてお礼を言うと、アリエンはギョッとして目を瞬かせた。

 あ、あれ? 私、悪いこと言ってないよな? アリエンさんってさん付けしたし……。


「そ、それで、用って?」


 アリエンは、半眼のまま顎を上げて言った。

 ああ、いつも通りのアリエンさんだな。

 芽々は、アリエンに駆け寄って、調合レシピを取り出した。


「これなんだけど!」


『『露出病の特効薬』は『フクフク草五〇〇グラ』を『アルコール一リト』で『成分抽出』成功率百パーセント』


 アリエンは手袋を外して、ポケットにしまった。そして、その調合レシピを受け取った。


「これが……?」

「ねえ、アリエンさん! フクフク草って、もしかして『毒草』なのかな!?」

「えっ?」


 芽々の勢いに、アリエンは面食らっている。


「ど、毒草!? 特効薬がですか!?」


 フームス隊長の部下たちもびっくりしている。

 魔法薬のレシピに毒草が出てきたからかもしれないが。


「だからね、三人とも、『毒が効かない』なら、フクフク草が『毒草』なら特効薬が効かないのもうなずけると思ったの!」


 アリエンは、目を瞬いていた。


「違うかな~……?」


 不安そうな芽々にアリエンは満足そうに微笑んで首肯した。


「ああ、フクフク草はアルコールに浸すと、微量な毒の成分が出てくる。人体には影響がないけど、その毒の成分が露出病の病原菌を殺菌すんだろうな」


「な、なるほど~」

「魔法薬って奥が深いんですね~」


 部下その二も部下その三も感心している。


 やっぱり……!

 三人は、『毒が効かない』から、『毒の成分が特効薬』の魔法薬が効かないんだ!

 芽々の心の絡まった糸が、するりと解けた感じがした。


「流石、アリエンさん! なんで、三人に特効薬が効かないかよく分かったよ!」

「でも、分かったところでどうするんだ? 特効薬はそれしか作り方がないんだろ?」


 アリエンは、呆れたように笑っている。


 そ、そうだった!

 またしても、魔法薬作りは頓挫してしまったのだった。

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