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天才調合師の魔法薬には事情がある!  作者: 幻想桃瑠
★・・・・・・・★*☆*★【第六章】★*☆*★・・・・・・・★
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第八話 特効薬が効かない!? 3 回答編その1

 フームス隊長とエルヴィンはいつの間にか上半身裸になって、ベッドの上で大汗をかきながらぐったりしている。


「芽々……!」


 エルヴィンが、芽々をうわごとで呼んだ。


「芽々……!」


 フームス隊長も熱に浮かされたように芽々の名を口にした。


 な、なんで!?

 なんで、二人とも私を呼ぶんだ!?

 なんていうか、猛獣が眠っているみたいで近寄ったら襲われそうだ……。

 芽々が戸口で固まっていると、フームス隊長の部下その一が仕事を買って出た。


「看病は、自分にお任せください!」

「あ、ありがとう~!」


 芽々は心底感謝した。

 最初は困っていたけど、結果的に彼らが来てくれて助かった。


「自分に何かできることは?」


 部下その二が進み出た。


「じゃあ、ドロップ宮殿に行って、クルーエル大臣とフームス隊長の病歴のリストと食事のリストを貰ってきて……それから、アリエンさんを連れて来てください!」

「はっ、了解しました!」


 部下その二は、敬礼すると速やかに部屋から出て行った。


 おおっ! ガーディアンの隊長になったみたいなカンジだな~!

 いやいや、そういうことばかりも言っていられない。肝心なのは、露出病の特効薬が効いてないってことだ。


「でも、どういうことなの? どうして、露出病の特効薬が効いてないんですか?」


 芽々は、残った部下その三に問いかけた。


「もしかして、あの五百年前の調合レシピがデタラメだったのかな……?」


 部下その三は、手をパタパタと振って答えた。


「いえ、デタラメというわけではなさそうです……!」

「どういうことですか?」


「特効薬の効果はあったようです。クルーエル大臣やエルヴィン先生、フームス隊長以外にはかかった者がいないらしいので」

「三人だけ効かないってことですか? どうして?」


 芽々が突っ込んで尋ねると、部下その三は困ったように笑った。


「そんなこと、自分が訊きたいくらいですよ~……」

「ですよね~……」


 情報がないから、ついつい刑事のように突っ込んで聞いてしまった。


「でも、絶対無敵だと恐れられているフームス隊長が倒れるだなんて……!」


 この部下その三は、とても悔しそうだ。

 フームス隊長はとても尊敬されているようだ。


「どうして、フームス隊長は絶対無敵なんていわれているんですか?」


 またしても、突っ込んで聞いてしまった。また困らせてしまうかもしれないが。

 でも、部下その三は怒りも困りもしなかった。


「そりゃ、フームス隊長には、『毒が効かない』からですよ! 毒霧の中も進んで行けるぐらいのお方ですから!」


 陶酔したように天井を向いて、部下その三は答えた。


「ええっ、毒が効かない!?」


 ちょっと待って!?


 クルーエル大臣は、暗殺されまくったけど、不死身って言ってなかった? ってことは、毒殺されまくったけど、『毒が効かなくて』結果的に無事だったってこと……?


 クルーエル大臣の秘密がそれだとしたら……。


「もしかして……!」


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