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天才調合師の魔法薬には事情がある!  作者: 幻想桃瑠
★・・・・・・・★*☆*★【第六章】★*☆*★・・・・・・・★
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第五話 クルーエル大臣は不死身……?

 意識が遠のいた数分後、芽々は目を覚ました。気がついたのはベッドの中だった。


「あれ? 私……?」


 そこには、診療所のガード先生とエルヴィンが芽々を見守っていた。目を開いて辺りを窺っている芽々を前に、二人の表情に安堵の色が灯った。


「芽々、心配したぞ」

「エルヴィン……と、ガード先生……あっ!?」


 ハッと我に返って自分の服を確かめたが、着衣は乱れてない。

 烏羽玉先生の十八禁宣言はまたしても不発だったようだ。

 はぁ、良かった~!


「やはり、流感だったようですね」


 ガード先生は安堵したように笑っている。


「流感……? 毒じゃなくて……?」

「どうして毒なんだ?」


 エルヴィンが怪訝そうな顔つきになった。


「い、いやその……」

「ただの流感だ。だから、俺が作った魔法薬が良く効いたんだ」


 な、なんだぁ。

 私はてっきり、クルーエル大臣のあの魔法薬が毒薬だったんじゃないかって思ったよ。ということは、露出病の特効薬は本物だったんだ……!

 芽々はすっかり嬉しくなって、エルヴィンに元気に微笑みかけた。


「やっぱり、エルヴィンの魔法薬は良く効くね!」

「褒めても何も出んぞ」


 そう言いながらも、エルヴィンも嬉しそうだ。もしかしたら、芽々の快復を喜んでくれているのかもしれない。

 この分だと露出病の特効薬も良く効くような気がするから、謎の女の企みは未然に防げたってことか! ということは、私とクルーエル大臣の勝利ってことだな!


「じゃあ、私はこれで失礼しますよ。では、芽々さんもお大事にね」


 ガード先生はにこやかに微笑みながら帰って行った。


 そして、その夜。

 エルヴィンも自分で作った露出病の特効薬を飲んだ。

 そして、特効薬は国民全員に行きわたったと翌日の新聞に出た。だから、この病は未然に防いだと、だれもがクルーエル大臣の功績を褒め称えた。


 翌日、芽々はまたクルーエル大臣に呼ばれて、ドロップ宮殿に来ていた。クルーエル大臣は、もしかしたらエルヴィンを助ける特効薬をくれるのかもしれない。芽々は、そのつもりでクルーエル大臣の部屋を訪れた。


 クルーエル大臣の部屋の前まで来ると、入れ違いにアリエンが部屋の中から出てきた。アリエンと鉢合わせて、芽々も彼も目を丸くした。


「どうしてアリエンがクルーエル大臣の部屋に?」

「アリエンさんだ! まじありえんだろ!」

「あ、ゴメン!」


 またしても、アリエンを怒らせてしまった。普段から、アリエンだって思っているからかな~。


「私はクルーエル大臣に呼ばれたんだけど……アリエンさんは?」

「僕は、クルーエル大臣に露出病の特効薬の材料は何であるか聞かれたんだ」

「特効薬の材料……?」


 なんでそんなものを訊くんだ?

 クルーエル大臣じゃあるまいし毒を盛ったりなんてしないのに。私の信用はないのか?

 芽々が考え込んで無言になると、アリエンは用が済んだと思ったらしい。


「じゃあな! 芽々もクルーエル大臣には用心しろよ。あいつは不死身だって言うからな!」


 ハァ!? 不死身……!? そんな人間いるはずないと思うけど。


「ど、どうして不死身なの?」


 デマだと思ったが、気になるので一応訊いてみた。


「ウワサによると、クルーエル大臣は何回も暗殺されかかったけれど、何故か全然死ななかったんだってさ!」

「ふ、ふーん、なんかスゴイね!」


 何がスゴイって、あの悪役のクルーエル大臣なのに命を狙われていたってことが。

 しかも、命を狙われていたのにクルーエル大臣は不死身……。ただ者じゃないね……!


「ありがと、アリエンさん。また、相談に乗ってね!」

「ああ、またな」


 アリエンはフッと笑って手を振ってくれた。



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