第二話 クルーエル大臣の秘密
その二時間後。芽々は、クルーエル大臣に呼び出されて、ドロップ宮殿を訪れていた。繁盛している店を二人とも空けるわけにはいかないので、芽々だけが抜けてきたというわけだ。
「クルーエル大臣、お呼びでしょうか?」
「よく来たね、芽々さん」
クルーエル大臣は笑顔で迎えてくれた。
用件を済ませたらさっさと帰ってエルヴィンを手伝わなければならない。芽々は、せかせかと早口でクルーエル大臣に尋ねた。
「今日は、何の用でしょうか?」
「エルヴィン君に飲ませた毒薬の事でだよ」
「えっ!? ど、毒薬ってあの!?」
ここの所、クルーエル大臣の印象が好転しているので、すっかり芽々は気を緩めていた。だから、突然手のひらを返されて芽々は不意打ちを食らった時のように驚いた。
事情があって、芽々はクルーエル大臣に脅されているのだ。最初は毒薬を作れと言われた。でも、断ったらエルヴィンを人質に脅してきやがったのだ。
「私、脅されても自分で特効薬を作りますから! クルーエル大臣の思い通りにはなりませんから!」
急に警戒し始めた芽々の変化が面白かったのか、クルーエル大臣はフフフと笑った。
なんだ、この悪役丸出しのクルーエル大臣は!
ムッと唇を曲げると、クルーエル大臣は苦笑して魔法薬のビンを差し出してきた。
「いや、芽々さんがこの魔法薬を飲んでくれたら、今後エルヴィン君に手出ししないと約束しよう」
「えっ!? これを……?」
その時、烏羽玉先生の能天気な言葉が脳裏によみがえった。
『芽々さんも十八禁にならないように気を付けてくださいね~!』
ま、まさか、これはウワサに聞く媚薬というものでは……!?
もしかして、まな板の鯉になった私をクルーエル大臣が美味しく料理するということなのか!?
魔法薬のビンを持って怪しく微笑むクルーエル大臣の前で、芽々は動揺しきって立ち尽くすのだった。




