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天才調合師の魔法薬には事情がある!  作者: 幻想桃瑠
★・・・・・・・★*☆*★【第五章】★*☆*★・・・・・・・★
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第十三話 クリストファー王子の目覚め

 その日、王都ファンティアの茨姫病は沈静化した。芽々はネコのぬいぐるみを手にドロップ宮殿を訪れていた。まず向かったのが、クリストファー王子の部屋だった。


 すでに、茨は取り除かれていた。


「芽々様、こちらにどうぞ!」

「あ、はい」


 芽々は、緊張しながらクリストファー王子の天蓋付きのベッドの方に回り込んだ。


「芽々様、クリストファー王子を熱いキスで起こしてください!」


 お付きの者たちは、やけに熱心だった。


「いや、この猫のぬいぐるみでチュッとしたら起きますので……」


 芽々が苦笑しながら言うと、お付きの者たちは「ええっ」と、残念そうな声を出した。

 な、なんだ? 何を私に期待しているんだ?


 芽々は不可解に思いながらも、クリストファー王子のベッドのカーテンを開けた。

 クリストファー王子はベッドに横たわっていた。


 芽々は、クリストファー王子に、ネコのぬいぐるみでチュッとした。


「う……!」


 すると、クリストファー王子の閉じたまぶたが震えた。クリストファー王子は、今まさに目覚めようとしている。

 やった、成功だ!

 芽々が、その旨を伝えようと身を起こそうとした。すると、後ろからドンと押された。


「どぅわ!?」


 芽々は、反動でクリストファー王子の胸の中に飛び込んで行ってしまった。


「あら、手が滑ってしまいましたわ~。芽々様、すみません~」


 お付きの者たちの仕業だ。どうやら、芽々とクリストファー王子をくっつけようとしているらしい。


 芽々は焦って、身を起こそうとした。しかし、クリストファー王子が目をパッチリ開けた。


「芽々……!? どうして芽々が私のベッドに……!?」

「いや、何でもないんですよ! ネコのぬいぐるみでチュッとして、茨姫病から救っただけですので!」


 芽々は、大慌てでクリストファー王子から離れた。


「そうか、芽々、ありがとう」

「いえ! もったいないお言葉です!」


 まだ横になっているクリストファー王子は、こちらに顔を向けて本当に嬉しそうに微笑んだ。


「で、では、私は、これで失礼いたします。お大事に!」


 芽々は、お付きの者たちがニヤニヤしている中を引きつりながら退室した。


「ふう! ビックリした~!」


 冷や汗を拭い去って、次にクルーエル大臣の部屋に向かうのだった。

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