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天才調合師の魔法薬には事情がある!  作者: 幻想桃瑠
★・・・・・・・★*☆*★【第五章】★*☆*★・・・・・・・★
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第十話 成功率一パーセントのエルヴィンの回答

 芽々とエルヴィン、烏羽玉先生は、ラボラトリーの方に移動した。


「この六枚の調合レシピを見て、芽々は何か気づかないか?」

「六枚の調合レシピを……?」


 芽々は目を薄めて、じーっと六枚の調合レシピを睨んだ。


『『茨姫病の特効薬の調合レシピA』材料『パサパサ草の根五〇〇グラ』と『パサパサ草の葉五枚』で『成功率一パーセント』……』

『『茨姫病の特効薬の調合レシピB』材料『カサカサ草の根五〇〇グラ』と『カサカサ草の実五粒』で『成功率一パーセント』……』

『『茨姫病の特効薬の調合レシピC』材料『パサパサ草の根五〇〇グラ』と『カサカサ草の実五粒』で『成功率一パーセント』……』

『『茨姫病の特効薬の調合レシピD』材料『カサカサ草の根五〇〇グラ』と『パサパサ草の葉五枚』で『成功率一パーセント』……』

『『茨姫病の特効薬の調合レシピE』材料『カサカサ草の根五〇〇グラ』と『パサパサ草の根五〇〇グラ』で『成功率一パーセント』……』

『『茨姫病の特効薬の調合レシピF』材料『カサカサ草の実五粒』と『パサパサ草の葉五枚』で『成功率一パーセント』……』


「なーんも分からないよ。良く似た材料を使っていることぐらいしか!」


 芽々はお手上げだった。けれど、エルヴィンは芽々の発言に驚いていた。


「惜しいな!」

「えっ?」


 な、何が惜しいんだ?


「良く似た材料が惜しいの……? どういうこと?」


 芽々は首を傾げた。エルヴィンは、調合レシピを指で追っていく。


「この六枚を見比べると、この材料の二つの組み合わせ方は、A・AやB・Bという同じもの同士と、A・BとB・Aという同じ組み合わせ方を除けると、3P2=6で、この場合も六通り全部試している。どの組み合わせ方も成功率一パーセントだが、成功すればちゃんとした魔法薬になることから、もしかしたら相性がいいのではないかと考えた」

「そうだね、確かに……でも、成功率が一パーセントだけどね」


 エルヴィンは、頷いた。


「だから、俺は成功率が悪いのは組み合わせ方が悪いからだと思った」

「なるほど~。組み合わせ方か」

「これは、二個ずつの組み合わせ方だな。でも――」

「二個ずつの組み合わせ方……? だったら、三個や四個の組み合わせ方は!? もしかして、四つの材料を一度に試すってこと!?」


 エルヴィンは「そう!」と、芽々を指差した。


「俺は『パサパサ草の根』と『パサパサ草の葉』・『カサカサ草の根』・『カサカサ草の実』を一緒に調合したら、成功率が格段に上がるんじゃないかと思ったわけだ!」

「な、なるほど! ということは、この六枚の調合レシピは不完全なものだったってことなのかな?」

「そういうことになるな」

「それが合っているか、早速試してみようよ!」


 エルヴィンは、調合レシピを書き換えた。


『『エルヴィンによる茨姫病の特効薬の調合レシピ』材料『パサパサ草の根五〇〇グラ』と『カサカサ草の根五〇〇グラ』に『パサパサ草の葉五枚』と『カサカサ草の実五粒』』


 エルヴィンは、それをすべて量って、魔法機に入れた。

 魔法機の手形にエルヴィンは両手を合わせた。


「まほうじゅつ~っと!」


 魔法機は伸縮してポンッと音を立てた。

 エルヴィンは底を開けてバケツに液体を流す。すると、透き通ったハチミツのような液体が出てきた。


「成功だ!」

「す、すごい! もしかして、成功率百パーセントなんじゃないの!?」

「ああ、そうかもな!」


 エルヴィンは、平然としている。

 流石、天才調合師エルヴィンだ。すごすぎる……! 芽々は舌を巻いた。


『流石、エルヴィンですね! では、私は、またこっそりと異世界を傍観してますので~!』


 烏羽玉先生は満足そうに微笑んで、ホログラムを消した。


「すぐに、ノーア社長とフームス隊長に連絡して、この魔法薬を渡そう!」

「うん! そうだね!」


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